《謝る》の敬語
「謝る」の敬語表現
「謝る」の敬語表現は「お詫びする」です。さらに丁寧な言い回しにするときは、「ます」や「いたします」を最後に付け加えます。実際に、目上の相手に使うなら「お詫びします」や「お詫びいたします」とするのがマナーです。「謝る」の敬語の最上級の表現
「お詫びする」の最上級は「お詫び申し上げる」です。丁寧語を付け加えて、「お詫び申し上げます」として使われるのが一般的です。さらに、「申し訳ない」という気持ちを強調するのであれば「心よりお詫び申し上げます」「つつしんでお詫び申し上げます」といった形にします。重大な失敗や、相手が非常に怒っている場合は「お詫びする」ではなく、「お詫び申し上げる」を使うのが礼儀です。「謝る」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールや手紙でも「お詫びします」「お詫びいたします」といった敬語表現は使われてきました。以下、例文を挙げていきます。「まずは、昨日の遅刻の件についてお詫びいたします。ご迷惑をおかけしてまことに申し訳ございませんでした」「先ほどのメールにて、ご担当者様の氏名を取り違えておりました。ここに訂正し、お詫びいたします。申し訳ございませんでした」
また、取引先やお客様へのお詫びは、今後のためにとても重要です。最上級の敬語を使ってしっかり誠意を伝えましょう。以下、例文です。
「商品の不良によって、お客様にご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。今後、このようなことがないように努めます」「弊社の社員の問題行動について、つつしんでお詫び申し上げます。現在、しかるべき対応を社内で検討しているところです」
「謝る」を上司に伝える際の敬語表現
上司への敬語では、「お詫びします」や「お詫びいたします」が使われる傾向にあります。確かに、最上級の敬語にするなら「お詫び申し上げます」とするのが正しいといえます。ただ、「お詫び申し上げます」はかなり堅苦しい表現なので、文書以外ではあまり使用しません。口頭で上司にお詫びをするなら「お詫びします」や「お詫びいたします」でも通用します。それでも、相手がかなり怒っている際には「お詫び申し上げます」に言い換えるのもひとつのマナーです。「謝る」の敬語での誤用表現・注意事項
「お詫びします」と似た意味で、「お詫びさせてください」という言い回しもあります。これは日本語として間違っているわけではありません。ただ、敬語表現が求められる場にふさわしくないので、使わないようにしましょう。なぜなら、「~させてください」とお詫びを相手に求めるのは、誠実さに欠ける行為だからです。お詫びとは相手の許可に関係なく、自発的に行うべき礼儀です。許可を求めている時点で本気ではないと思われかねません。なお、どうしても「~ください」という形を使うのであれば、「お詫びさせてください」よりも「許してください」が適切です。次に、ビジネスシーンで「お詫びします」や「お詫びいたします」を使うのであれば、その後の対応も添えましょう。取引先やお客様は、お詫びの言葉だけ聞けば満足するわけではありません。それからどのような対応をして、反省の意思を示すのかに注目しています。単に「お詫びします」と書かれているメールや手紙では、かえって相手を怒らせてしまうでしょう。「心よりお詫び申し上げます。早急に商品を発送いたしました」というように、具体的な対応まで示すことが大事です。
そのほか、メールや手紙でよくあるトラブルが、「何についてのお詫びか見えづらくなること」です。特に、謝られた側が問題に気づいていないケースでは、急に「お詫びいたします」と伝えられても混乱してしまいます。お詫びすることになった原因まで書かなければ、敬意がしっかり込められているとはいえません。「昨日の会議での失態についてお詫び申し上げます」「資料の間違いについてお詫びいたします」といった形で書くのが正しい文章です。
「謝る」の敬語での言い換え表現
「お詫びします」の類語としては、「謝罪します」が挙げられます。いずれも「間違いを認めて反省の意思を示している」という意味で、かなり似た語句だといえます。ただし、使うべきシチュエーションが微妙に異なるので注意しましょう。基本的に「お詫びします」は、大きな損害や危険がないときに使う言葉です。たとえば、失言で相手を怒らせたり、遅刻で人を待たせたりしただけでは、損害や危険はありません。それでも相手は不愉快になっているので、「お詫びします」と伝える必要があります。一方、失言によって取引が破談になったり、遅刻で相手が利益を逃したりすれば、損害や危険がある状態です。こうなると、「お詫びします」よりも「謝罪します」のほうが相応しいといえるでしょう。
そのほか、「お詫びします」の類語には「陳謝します」「謝意を表します」などがあります。これらは「お詫びします」ほど頻繁には使われておらず、会話中に登場すると違和感のある語句です。ただ、日本語ではあえて難しい言葉を使って、特別な気持ちを伝える手法もあります。文書で強い反省を示すのであれば、これらの言い換え表現を用いることも可能です。
《謝る》の敬語
「謝る」の敬語表現
まず、「謝る」を謙譲語にして「お詫びする」とするのが、世間でよく使われている敬語です。より丁寧に書くなら「お詫び申し上げます」「お詫びいたします」といった表現が正しいでしょう。そのほか、「謝罪します」「陳謝します」といった言葉も、ビジネスシーンや公の場では用いられてきました。これらの言葉は、正確には謙譲語や尊敬語などの敬語にあてはまるわけではありません。しかし、「謝る」という語句をより具体的で格式のある形に置き換えているので、「相手への礼節をしっかり見せている」とされます。そのほか、「詫びいります」「謝するところです」といった言葉も「謝る」と同じ意味で使われてきました。こうした表現は目上の人相手にしか用いないので、実質上の敬語だといえます。「謝る」の敬語での誤用表現・注意事項
よくある言い回しが「謝らせていただきます」「謝罪させていただきます」といった謙譲語です。これらのように「いただく」と付け加えるのは、文法的な誤用ではありません。しかし、まわりくどい印象を相手に与えるので、決して適切とはいえないでしょう。また、「いただく」には「恐縮ながらさせてもらう」という意味があります。「謝る」行為は自然に、心から行うものなので、「いただく」と表現するのは賢明ではないとの考え方もできます。そのほか、「謝らせてくださいませ」「謝りたいと存じます」といった表現も要注意です。これらの文章では、相手に謝罪の必要を問いかけていたり、意思を伝えるだけだったりしています。敬語にはなっていても、「謝る」態度としてはふさわしくないので、「お詫び申し上げます」のようなフレーズにしましょう。「謝る」の敬語での言い換え表現
以下、「謝る」の敬語での言い換え表現を挙げていきます。・お詫びします・お詫びいたします・お詫び申し上げます・心よりお詫び申し上げます・詫びいります基本的に「お詫びする」が「謝る」の敬語表現だといえます。実際に、目上の人へ謝りたいときには「お詫びする」を用いた表現を考えましょう。「心より」「心から」などの語句を付け足すと、より反省を伝えられます。次に、「お詫びする」以外の言い換え表現を挙げていきます。・謝罪いたします・陳謝いたします・謝するところです・謝意を表します・平身低頭いたしますこれらの表現は、厳密な意味での敬語ではありません。ただし、日常的に使う言い回しではないので、特別感があります。「強く謝りたい気持ち」を伝えるためには適しており、敬語と同じような使い方も可能です。- 《謝る》の敬語のページへのリンク