《読んでくれてありがとう》の敬語
「読んでくれてありがとう」の敬語表現
「読んでくれてありがとう」を敬語で表現すると、「お読みになってくださりありがとうございます」となります。「読んでくれてありがとう」では、「読む」の主語は相手です。そのため、尊敬語表現である「お~になる」を使用し「お読みになる」とします。さらに、「読んでくれて」の「くれて」の部分を、尊敬語である「くださる」に変えます。「ありがとう」に関しては、丁寧な形の「ありがとうございます」にするだけで問題はないため、「お読みになってくださりありがとうございます」となります。「読んでくれてありがとう」の敬語の最上級の表現
「読んでくれてありがとう」という表現を、最上級の敬語にする場合、「お読みになってくださりありがたく存じます」となります。「お読みになってくださりありがとうございます」を変化させた形です。「ありがとうございます」には、丁寧な表現である「ございます」が含まれています。ただ、あくまでも丁寧語です。そのため、謙譲語の「存じます」を使用して、「ありがたく存じます」に変えると、より強い敬意を示すことが可能です。「ありがたく存じます」は、厳密には「ありがたいと思っています」という意味ですが、「ありがとうございます」と変わらない使用ができます。また、「お読みになってくださり、誠にありがとうございます」という表現にすることも可能です。「お読みになってくださりありがたく存じます」と比べると、謙譲語が少ないですが、最上級の表現のひとつとして使用できます。一般的には、感謝を述べる際には、「ありがとうございます」が使用されます。そのため、「ありがとうございます」は変化させず、そのまま使用した方が良い場合もあります。その場合は、「ありがたく存じます」ではなく、「誠にありがとうございます」を選びましょう。
「読んでくれてありがとう」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「読んでくれてありがとう」の敬語表現である「お読みになってくださりありがとうございます」をメールや手紙で使用する場合、「この度は、弊社のメールマガジンをお読みになってくださりありがとうございます」「長々と綴って参りましたが、ここまでお読みになってくださりありがとうございました」のようになります。また、「弊社のパンフレットをお読みになってくださってありがとうございます」という風な表現も可能です。最上級の敬語表現を使用する場合は、「私のような者が書いた拙文を、わざわざお読みになってくださりありがたく存じます」といった形になります。「読んでくれてありがとう」を上司に伝える際の敬語表現
上司に対して「読んでくれてありがとう」の敬語を使用する場合、「お読みになってくださりありがとうございます」の表現で特に問題はありません。尊敬語が2つ使用されているため、しっかりと敬意を伝えることができます。そして、立場が大きく離れていたり、社会的なステータスが高かったりする上司に対しては、最上級表現である「お読みになってくださりありがたく存じます」を使用しても良いでしょう。ただ、身近な上司に対しては、「お読みになってくださりありがとうございます」では、冗長表現になる恐れがあります。また、かしこまりすぎた表現で、堅苦しい印象を与えかねません。そのため、少し砕けた形の「読んでくださってありがとうございます」を使用することも考えましょう。「お~になる」を省き、尊敬語を「くださる」のみにした表現です。言葉自体が短くなる上に、堅苦しさが軽減されます。それでいて、しっかりと尊敬語が含まれているため、失礼になることはありません。
「読んでくれてありがとう」の敬語での誤用表現・注意事項
「読む」という言葉を尊敬語にする際、「拝読」を使用してしまう間違いがよくあります。「拝読」とは、読む人をへりくだらせる謙譲語であり、自らが読む場合に使用します。「読んでくれてありがとう」の敬語表現では、読むのはあくまでも目上の相手です。そのため、「拝読くださってありがとうございます」「ご拝読いただきありがとうございます」といった表現は誤用です。どれだけかしこまった表現にしたとしても、「拝読」を使用している時点で、相手を敬う形にはできません。「拝読」は熟語であるため、かしこまった形の敬語表現にするために、使用を考える人は多いです。しかし、誤用であることに違いはないため、「読んでくれてありがとう」の敬語表現には使用しないようにしましょう。
「読んでくれてありがとう」の敬語での言い換え表現
「読んでくれてありがとう」の敬語表現は、「読んでくださりありがとうございます」ではなく、「お読みになっていただきありがとうございます」とすることも可能です。厳密には「読んでもらってありがとう」の敬語表現ですが、意味に大きな違いはありません。そして、どちらを選択しても、文法的に意味は成立します。ただ、「くださる」と「いただく」は、それぞれ尊敬語と謙譲語の違いがあります。「読んでくださり」の場合、主体となるのは目上の相手で、「読んでいただき」の主体は読んでもらう側です。そのため、相手が自発的に読んだ場合は「読んでくださり」、依頼して読んでもらった場合は、「読んでいただき」を使用するのが望ましいです。また、特定の状況においては、「手に取ってくださりありがとうございます」という表現も可能です。書籍や冊子など、広く配布した読み物を、目上の相手が読んでくれた場合にのみ使用できる表現です。「手に取る」という表現は、厳密には本や冊子を選んだり購入したりするという意味です。しかし、場合によっては、「読む」という意味が含まれることがあります。そのため、「読んでくれてありがとう」の敬語表現として、「くださる」を含んだ「手に取ってくださりありがとうございます」が使用可能です。
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