《読経》の正しい読み方
「読経」の正しい読み方
「読経」の正しい読み方は、「どきょう」「どっきょう」「どくきょう」となる。「読経」の意味解説
「読経」とは、僧侶が経典を声に出して読み上げることをいう。読経は故人を現世の苦しみから逃れさせ成仏に導くとされるもので、通夜や葬式のほか、四十九日法要、一周忌の回忌法要といった法事全般で執り行われる。背景に、法要の読経によって得られた功徳は故人に回し向けられるという「回向(えこう)」の考え方があり、その力によって故人が極楽浄土へ向かうことができるとされている。読経はまた、日常生活の中で行われるべきものともされており、仏の教えを胸に刻みながら神仏の恵みである功徳を積むことで、よりよい未来を拓く善行につながるとされている。なぜ「読経」と読むのか・理由
常用漢字の音訓表によれば、「読経」の「読」は「よ(む)」「どく」「とく」と読み、「経」は「へ(る)」「けい」「きょう」と読む。「読経」を「どくきょう」と読む場合は、この音訓表の読み方によっている。「読」の音訓表に「ど」の読み方がないにもかかわらず、「どきょう」という読み方が成立するのは、日本語の「音韻脱落(おんいんだつらく)」によるからである。日本語には、語を合成するときに音が変わってしまう「変音現象」が8パターンあり、その一つが音韻脱落となる。音韻脱落とは、語が合成されるときに音の一部がなくなる現象をいう。「読経」は「どくきょう」となるべきところを音韻脱落で「く」が消滅し、「どきょう」となった。
さらに、「読」を本来は音訓表に読み方のない「どっ」と表記して「どっきょう」と読ませる読み方は、日本語の「促音化(そくおんか)」によるものである。促音化とは2つの語が合成されて発音しにくいとき、後ろの語の前についた音が「っ」に変化することで発音しやすくなる現象をいい、促音化を促す後ろの語の一つである「カ行」についた「読経」の「どく」が、「どっ」と変化したものである。
「読経」の類語・用例・例文
「読経」の類語としては、読経と同じく声を出して経を読む意味の「誦経」があるほか、仏前で一定時間経を読む「勤行」、声を出さずに経を黙読する「看経」などがある。「読経」という言葉を用いた用例には「能読とは読経がうまい僧のことである」「読経会のお知らせが送られてきた」などがある。また、「読経」の例文としては「読経の間ですら、焼香の際ですら、死んだ仏のあとに生き残った、この私という形骸を、ちっとも不思議と心得ずに澄ましている事が常である。(硝子戸の中 ) 夏目漱石」、「土塊のバタバタと棺に当たる音がする。時の間に墓は築かれて小僧の僧衣姿が黒くその前に立ったと思うと、例の調子はずれの読経が始まった。(田舎教師 ) 田山花袋」などがある。「読経」の英語用例・例文
「読経」を英語で言い表せば「sutra chanting」となる。用例・例文としては「Mokugyo is intended to keep the rhythm of sutra chanting by beating and sounding.(木魚は、読経をするときに打ち響かせることで、リズムを整える)」などがある。《読経》の正しい読み方
「読経」の正しい読み方
「読経」の読み方は、一般的には「どきょう」または「どっきょう」である。「読経」の読み方としては一応「どくきょう」も挙げられる。これは促音便化すれば「どっきょう」になる。
「読経」の意味解説
「読経」とはお経を読むこと。経典を読みながら音読することを指す。通夜や総指揮、法事などのときに読み上げられることが多いが、記載されている内容を覚えたり人に教えを説くために読むこともある。なぜ「読経」と読むのか・理由
「読」の文字単体では「ど」と読むことができない。「どきょう」という読み方は、音韻脱落と呼ばれるもの。音韻脱落とは、発音しやすくするために元々あった音が一部なくなる現象のこと。「読経(どくきょう)」の場合は「く」の音がなくなり「どきょう」となる。また、「どっきょう」という読み方は促音化と言う。促音化とは、2つの字が組み合わさり1つの語となるときに、カ行・サ行・タ行・パ行の前についた音が「っ(促音)」に変化すること。「読経」の類語・用例・例文
「読経」の類語は「勤行(ごんぎょう)」「読誦(どくじゅ)」「誦経(じゅきょう)」、文脈によっては「看経(かんきん)」「礼拝」「勤め」なども挙げられる。- 《読経》の正しい読み方のページへのリンク