《経る》の正しい読み方
「経る」の正しい読み方
「経る」は「へる」と読む。「経る」の意味解説
「経る」は「時間が過ぎる」「通り過ぎる」という意味である。また、「ある時点から変化が生まれる」という意味でも使われる。なぜ「経る」と読むのか・理由
「経る(へる)」とは、「経」の訓読みである。もともと日本に「へる」という言葉はあった。そして、中国から漢字が輸入されてきたとき、「時間が過ぎる」という意味の「経」に「へる」をあてはめたと考えられる。「経る」の類語・用例・例文
「経る」の類語には「通り過ぎる」「過ぎる」「去る」「通る」などがある。いずれも、「ある場所を後にする」という点で、「経る」に似た意味を持つ。ただし、「経る」は場所だけでなく、時間についても使う言葉だ。また、物事の筋道についても「経る」と表現することがある。「経る」は汎用性が高く、さまざまな文脈で使える言葉だといえるだろう。以下、「経る」の例文を挙げていく。「長い年月を経て、わが家はあちこちに問題が起きている。そろそろリフォームしなければならない」
「裏山の大木は、何百年も前からあるという。きっと、さまざまな歴史を経てきたに違いない。まさにこの町の象徴だ」
「争いを経て、その国は友好条約を結んだ。そのニュースは世界中に、驚きとともに受け入れられた」
「どれだけの工事を経たとしても、ここにビルを建てるのは不可能だ。地盤が悪すぎるから、すぐに傾いてしまうだろう」
「その老夫婦は仲が悪いように見えて、お互いを信頼しあっていた。どうやら、二人にしか分からない記憶を経てきたようだ」
「僕たちがとやかく言うことではない。これだけの困難を経て結婚した彼らには、ただ幸せになってほしいよ」
「経る」の英語用例・例文
「経る」は英語で「after(~の後で)」「through(~を通って)」と書く。以下、英語における「経る」の例文を挙げていく。After the fair, he was reviewing his company's products. He was confident in his talent. However, the customer did not show any understanding of the product. A big change was needed.(品評会を経て、彼は自社の商品を見直していた。彼は自分の才能に自信を持っていた。しかし、顧客はまるで商品に理解を示さなかった。大幅な変革が必要だった)
This town has been through war. There are still bullet holes everywhere. It's hard to believe for those who live in a peaceful country, but most of them have combat experience.(この町は戦争を経てきた。今でも、あちこちに銃弾の跡がある。平和な国に住んでいる人には信じられない話だが、住人の大半は戦闘の経験がある)
As you get older, you don't care about many things. This is because after colliding with people, they realize that arguing is futile. I am having the quietest days of my life right now.(年を取ると、いろいろなことが気にならなくなる。人との衝突を経て、喧嘩をしても無駄だと気づくからだ。今、私は人生で最も穏やかな日々を過ごせている)
《経る》の正しい読み方
「経る」の正しい読み方
「経る」の読み方は「へる」である。原則的に、表記も発音も(「える」ではなく)「へる」が正しい。とはいえ実際上は「える」に近い発音で読まれる場合が少なくない。「経る」の意味解説
「経る」は「経過する(時間が過ぎる)」もしくは「経由する(場所を通る)」という意味で用いられる。手順を踏んでゆく・筋道を辿る・所定の機関に諮る、といった意味で用いられることもある。なぜ「経る」を「へる」と読むのか・理由
「へる」という語彙は古語における自動詞「ふ(経)」が変化して成立した和語である。これに漢字の「経」が充てられ「経る(へ-る)」という「漢字の訓読み」が成立したと解釈できる。「経る」の類語・用例・例文
時間が流れる・経過するさまは「経つ(たつ)」とも表現できる。ただし「経る」は「《時を》経る」といい、「経つ」は「《時が》経つ」という。つまり主格の扱いが異なる。- 《経る》の正しい読み方のページへのリンク