鋼
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鋼(はがね、こう、釼は異体字、英: steel)とは、炭素を0.04から2パーセント程度含む鉄の合金。鋼鉄(こうてつ)とも呼ばれる[1]。炭素のみを加えた炭素鋼と、ニッケル・クロムなどを加えた特殊鋼(合金鋼)の2種が存在する。純粋な鉄に比べ強靭で加工性に優れ、鉄の利用の大部分は鋼によって占められているため、鉄と鋼を合わせ鉄鋼(てっこう)とも呼ばれる[2]。資源量が豊富で精錬しやすく、強靱であり加工もしやすい上に安価であるため世界中で広く利用され、産業上重要な位置を占める。このため生産量も非常に多く、世界の金属材料生産量の約95%は鋼となっている[3]。
注釈
出典
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- ^ https://www.nikkei.com/article/DGXKZO55068730Q0A130C2EA2000/ 「高炉とは 製鉄所の中核設備、日本の大手は3社に集約」日本経済新聞 2020/1/31 2020年10月11日閲覧
- ^ https://net.keizaikai.co.jp/archives/17001 「経産省の電炉再編要請を突っぱねる鉄鋼業界」経済界ウェブ 2015年9月8日 2020年10月11日閲覧
鋼材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 09:09 UTC 版)
ニオブは鋼鉄にマイクロアロイ(英語版)(少量を添加して性質改善を行う)を行う上で有用な材料であり、鋼材内では炭化ニオブや窒化ニオブを形成する。こうした化合物は細粒化を改善し、再結晶化と析出硬化を遅らせる。こうした効果により、硬度・強度・成形性・溶接性などを改善する。マイクロアロイを実施したステンレス鋼に含まれるニオブは少ないが(0.1パーセント以下)、現代の自動車に構造上広く用いられている高張力鋼にとって重要な添加剤である。 同様のニオブ合金は、パイプラインの建設にも用いられる。
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鋼材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 16:43 UTC 版)
主にステンレス鋼を使用しており、用途・形状に合わせて使い分けられており同じシリーズ内にもさまざまな鋼材を使用したモデルが存在する。以下に代表的なものを紹介する。 VG-10 - 日本ではV金10号と呼ばれ、武生特殊鋼材のオリジナルブランド鋼種である。しなやかな鋼材で切れ味の持続性、耐久性、強度のバランスが良く、キーホルダーサイズから中・大型ナイフまで、同社の多くのナイフに採用されている。模倣品が出ているので注意が必要。 H-1 - 「錆びない」をテーマに開発された鋼材で、防錆性が非常に高く、海水などの影響を受けにくく錆びないとされている。 ZDP-189 - 一般的にはVG-10とは対照的な”硬い”鋼材と言われており、HRC硬度67にも達する。切れ味の持続性、防錆性に優れているが、非常に硬いため研ぐのが大変だと言われている。高価なため、採用例は多くない。 CPM S30V - 米クルーシブルの粉末焼結ステンレス鋼で、主に米国製高価格帯モデルに採用されている。高い耐食性・耐摩耗性を持つ。 8Cr13MoV - 中国生産の廉価版ナイフに良く使用されるコストパフォーマンスに優れた鋼材。 一部のモデルではCTS-XHP、M390、N690Co、ATS-34、154CM、CPM M4等(これらに限らず更に多くの鋼種が採用されている)も採用される等、スパイダルコのナイフに使われる鋼材は多岐に渡る。 なお、日本国内に流通している製品では過去には440C、AUS-8、ATS-55、銀紙1号(GIN-1)が使用されていた(日本国外で流通している製品には現在でも使用されている)。 例えば、C10 Enduraでは、初代から現在のEndura4へとマイナーチェンジするまでは、銀紙1号やAUS-8を採用しており、主にVG-10を採用している現在においてもZDP-189を使用した物もある。この様に、同社のナイフにおいては、一つのモデルで複数の鋼材を使用したものが存在する場合が多い。
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「 鋼材」の例文・使い方・用例・文例
- 鋼材不足にも関わらず、工業生産高は5%だけ増加した。
- 鉄道車両または他の車両が走行できる沿線を作る圧延鋼材の平行棒あるいは一組の棒
- 油焼きという,鋼材の焼き入れ法
- 種々の形の断面をもつ,棒状の圧延鋼材
- ころがり軸受けの材料に用いられる鋼材
- 水圧で鋼材を鍛造する機械
- スラブという圧延鋼材
- 鍛鋼という鉄鋼材料
- 棒鋼という鋼材
- 山形鋼という鋼材
- リベット継ぎ手という,鋼材などの接合方法
- 土木工事での土止めに使う鋼材
- 船の後端を構成する鋼材
- 断面がZ型の鋼材
- 超音波探傷器という,超音波を利用して鋼材などの材料内部の欠陥を探知する装置
- 日本鉄鋼連盟によると,自動車や電化製品の生産向けの鉄鋼材の注文が増えつつある。
鋼材と同じ種類の言葉
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