轆轤とは? わかりやすく解説

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ろく‐ろ【××轤】

読み方:ろくろ

円形陶磁器成形するときに用いる台。上部円盤陶土をのせて、回転させながら種々の形を作り出す轆轤台

轆轤鉋(ろくろがんな)」の略。

重い物の上げ下ろし用い滑車

車井戸釣瓶(つるべ)を上下するための滑車

の上端で骨の先を集めて、傘の開閉用い仕掛け

「轆轤」に似た言葉

轆轤

読み方:ロクロ(rokuro)

回転運動をする器械


轆轤

読み方:ロクロクrokuroku

車が音を立てて走るさま


轆轤

読み方:ロクロ(rokuro)

5世紀後半から須恵器の製作に用いられ道具


轆轤

読み方:ろくろ

広くさまざまな回転する道具指しますが、やきものに使うろくろは陶土載せて回転させながら陶器成形していく台、木工芸に使うろくろは、回転する軸の先端刃物をつけて木をけずったえぐったりする道具指します

轆轤


轆轤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/03 04:53 UTC 版)

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轆轤(ろくろ)は、回転する構造を持つ各種の装置。

  1. 滑車を利用して重い物を吊り上げたり引いたりするための人力万力[1]。小型のものは車地(しゃち)、滑車のみのものは飛蝉(とびせみ)という[1]
  2. 大型和船の艪屋倉で用いられた帆、伝馬船、錨等の揚げ降ろしをするための装置[1]
  3. 木工陶芸に用いられる回転式の器械。轆䡎(䡎は車偏に戸)とも書く。陶芸用のものは陶車ともいう[1]。本項で詳述。
    木工用のものは、原始的な旋盤そのものであり、綺麗な回転体を削り出すことができる。陶芸用のものは回転可能な円形の台で、回転軸は台に直交し円の中心を通る。その上に粘土をのせ、台を回しながら粘土に手指を当てると、回転の中心から手指の位置までを半径にした綺麗な円を形作ることができ、それの連続体として綺麗な回転体が成型できる。

歴史

轆轤がいつ発明されたかははっきりしておらず、紀元前6000年前から紀元前2400年前の間に発明されたとされている。メソポタミアで発明されたという説が有力であるが、エジプト中国もその発明を主張している。轆轤は青銅器時代に広く使用されるようになった。初期の轆轤は手や足で直接、轆轤を回転させながら食器を形作った。

後にはずみ車が発明され、これと連結することで安定した回転を得ることができるようになった。はずみ車は重く、動かすのに力が要る。しかしひとたび回転に勢いがつくと、はずみ車の慣性モーメントのせいで小さな力での減速は僅かとなり、回転速度が長く保たれる。

鉄器時代に、回転台を軸棒ではずみ車を兼ねる重い円盤につなぎ、足で下の円盤を蹴り回転を与える轆轤が広まった。それまでの轆轤では手で直接回転台を回していたが、この型の轆轤では手で回転させる必要がなく、自由に両手を使うことができるようになった。

轆轤は新大陸では発明されることがなく、クリストファー・コロンブスアメリカ大陸に到達し、ヨーロッパから轆轤がもたらされるまでは、陶器は手のみで作られていた。

日本では奈良時代に、木製の百万塔が轆轤びきで大量に生産されている[2]

1836年当時の轆轤の実演。コナープレイリー歴史民俗博物館

産業革命が始まると轆轤は、蒸気機関やガソリンエンジン、そして電気で動かされるようになったが、人力で動作するものも依然として使用されている。それ以前にも一般的ではなかったが、風力や水力を動力とする轆轤も発明されていた。人力で動かす必要がなくなったとはいえ、轆轤を使い陶器を作るのは未だに熟練を要する作業であり、職人芸と言える。

轆轤はとの関係も深い、人類にとって古来最も重要な技術の一つである。また近代工業の核心の一つ、旋盤は轆轤の発展と言える。近代的な旋盤は18世紀から19世紀の英国の技術者「工作機械の父」モーズリーによる。

日本でも高度経済成長期に挽き物を大量生産するためにプライヤーの先に総形バイト(総型バイト)を取り付けた形式の轆轤が活用された。素材を回転軸のチャックに固定して回転させてプライヤーで挟む様にして加工した。[3]Box tool英語版の一種でワーキング・パス(working path)が短い方が精度を出せる。

伝承

エジプト神話では、クヌム神 (Chnum) は最初の人を轆轤の上で作ったとされている。

轆轤の種類

手回し轆轤を操る陶工。(コスタリカ・グアティル、2003年
伝統的な蹴轆轤(ドイツ・エルフルト)
機械轆轤を足で操作しながら、陶土を整形する職人、1902年

回転方向

回転方向には2種類あるわけだが、日本の陶芸用轆轤では、日本古来からの陶芸産地はほとんど上から見て時計回り(右回転)で、朝鮮半島から渡来した陶工によって始められた伊万里焼萩焼などでも時計回りである。一方、丹波立杭焼や九州の上野焼小石原焼などでは反時計回り(左回転)が用いられている。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d 池田勝, 池田正男, 古今(こきん)用語撰」『らん:纜』 2002年 57巻 p.22-29, doi:10.14856/ran.57.0_22, 2020年6月17日閲覧。
  2. ^ 収蔵品データベース 百万塔(奈良国立博物館サイト)
  3. ^ ロクロ作業

参考文献

関連項目


轆轤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 04:39 UTC 版)

弁才船」の記事における「轆轤」の解説

轆轤の装備により帆の巻上や伝馬船・荷の積み下ろし労力軽減し省力化貢献している。

※この「轆轤」の解説は、「弁才船」の解説の一部です。
「轆轤」を含む「弁才船」の記事については、「弁才船」の概要を参照ください。

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轆轤

出典:『Wiktionary』 (2021/06/26 08:03 UTC 版)

名詞

  (ろくろ 異体字表記:轆䡎)

  1. 回転運動利用する装置総称
    1. 円形陶磁器木工品金工品を成形するときに使用する轆轤台
    2. 轆轤鉋」の
    3. 重いものの上下ろし使用する滑車万力
    4. 車井戸の上部の横木取り付け、縄をかけて釣瓶つるべ上下するための滑車
    5. 大型和船ともやぐらの内部に付け、帆、荷物いかりなどの上下ろし用い船具
  2. 唐傘中央の部分の骨を束ねている所で、唐傘開閉使用する仕掛け

発音(?)

ろ↗くろろ↘くろろ↗くろ↘

類義語

  • 絞車

関連語

複合語: 轆轤鉋轆轤木轆轤錐轆轤首、轆轤座、轆轤細工轆轤師轆轤台、轆轤っ首、轆轤縄、轆轤袴、轆轤挽き轆轤目、毛轆轤、手轆轤

翻訳


「轆轤」の例文・使い方・用例・文例

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