メトン周期 メトン周期の概要

メトン周期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/06 18:11 UTC 版)

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紀元前433年アテナイの数学者・メトンが当時行われていた太陰太陽暦の誤りを正すために提案したのでこの名がある[3]中国では、19年を1章と呼ぶことから章法(しょうほう)と呼ばれた(独自に発見したとも、東漸したとも言われる)。

周期の根拠

19太陽年は、約365.24219 日×19 = 6939.60161 日である。一方、235朔望月は、約29.530589 日×235 = 6939.68842 日であり[注釈 1]、ほぼ等しくなっている(誤差は 約 1.25 × 10−5)。12か月 × 19年 + 7か月 = 235か月であるので、メトン周期に従うと太陰太陽暦では19年間に7回の閏月を入れれば、太陽年とのずれがほぼ解消されることになる。朔望月と太陽年との比は、235/19 = 12.368421105...となる。

ただし19太陽年と235朔望月とは完全には一致しておらず、19太陽年につき、6939.688426939.60161 = 約 0.08681 日(約2.08時間)ずれている。この差は219太陽年が経過すると、ほぼ1日ずれることになる((1日 / 0.08681日) × 19年 = 218.9 年)。このため時々改暦を行い、ずれを修正する必要があった。

メトン周期の修正

メトン自身は、19太陽年 = 235朔望月 = 6940 日ちょうど、として計算していた。これは1太陽年を約365.263日、1朔望月を約29.5319 日としていたことになる。メトン周期は、後にカリポスやヒッパルコスによって修正された。

カリポス周期

カリポス周期英語版は、76太陽年を940朔望月に等しいとした周期である。

キュジコスの天文学者・カリポスはメトン周期を修正して、1太陽年を365.25日ちょうどとして計算した。したがって19年間では6939.75 日となる。これを4倍した76年間では27759 日となり、メトン周期の4倍(6940 日 × 4 = 27760 日)より1日少ない。

月数は235朔望月を4倍した940朔望月とし、日数を27759 日とした。したがって1朔望月は、27759/940 = 約29.530851 日となる。76年間に、28回 (= 940 − 76 × 12)の閏月を入れることになる。

この76太陽年 = 940朔望月 = 27759 日のカリポス周期は紀元前330年に採用された。中国では四分暦に採用され、76年を1蔀と呼んでいる。

ヒッパルコス周期

ヒッパルコス周期英語版は、304太陽年を3760 朔望月とする周期である。ニカイアヒッパルコスはカリポス周期をさらに4倍して1日を差し引いて、304年 = 3760 月 = 111035 日とした。これにより1太陽年は、約365.24671 日、1朔望月は約29.530585 日とされた。304年間に112回 (= 3760 − 304 × 12)の閏月を入れることになる。

一般化

1太陽年は約365.24219 日、1朔望月は約29.530589 日である(西暦2000年時点)。1太陽年を1朔望月で割ると365.24219/29.530589 = 12.368266342...となる。この値に近い分数正則連分数展開によるディオファントス近似から求めると、連分数表示で[12; 2, 1, 2, 1, 1, 17, 3, 14, 1, 7, 3, 3, 1, 2, 6][4][5]となり、これの近似分数列(コンバージェント英語版[6][7])は、12/1、25/2、37/3、99/8[注釈 2]、136/11、235/19、4131/334、12628/1021、180923/14628、…[8][9]となる[注釈 3]。この中の235/19 (= 12.368421052...) がメトン周期に相当する。




注釈

  1. ^ 太陽年は少しずつ短くなり、朔望月は少しずつ長くなっている。ここで用いた太陽年と朔望月の日数は、西暦2000年におけるものである。
  2. ^ 8年法に相当する。
  3. ^ 8497/687は、連分数展開では得られない事に注意。これは、365.24219/29.530589シュターン=ブロコ木英語版上で探索する事で、1、2、…、12、25/2、…、3896/315、4131/334、8497/687、12628/1021、105155/8502、…[10]として得られる。

出典

  1. ^ 平凡社 大百科事典、巻14(マク-ユウ)、メトン周期(執筆者:内田正男)、p. 808、平凡社、1985年6月28日初版
  2. ^ 太陰太陽暦 周期 19年 (章法、メトン周期) 国立天文台 > 暦計算室 > 暦Wiki
  3. ^ 平凡社 大百科事典、巻14(マク-ユウ)、メトン周期(執筆者:内田正男)、p. 808、平凡社、1985年6月28日初版
  4. ^ 365.24219/29.530589の正則連分数展開”. Wolfram Alpha. 2019年5月4日閲覧。
  5. ^ 365.24219/29.530589の正則連分数展開”. SageMath. 2019年5月4日閲覧。
  6. ^ Weisstein, Eric W. "Convergent". MathWorld(英語).
  7. ^ convergents to a continued fraction - PlanetMath.(英語)
  8. ^ 365.24219/29.530589の近似分数列”. Wolfram Alpha. 2019年5月4日閲覧。
  9. ^ 365.24219/29.530589の近似分数列”. SageMath. 2019年5月4日閲覧。
  10. ^ 365.24219/29.530589のシュターン=ブロコ木上での探索結果”. SageMath. 2019年5月4日閲覧。


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