ストライクガンダム ストライクガンダムの概要

ストライクガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/30 23:51 UTC 版)

白・青・赤というトリコロールのカラーリングで、メカニックデザイン大河原邦男

本項では、同型機であるストライクルージュ及び、関連作品に登場する派生機についても解説する。

概要

ガンダムシリーズにおいては、2002年から2003年にかけて放送された『機動戦士ガンダムSEED』において初登場した。

ストライクガンダムをはじめとする初期のMSデザインは複数のデザイナーによるアイデアを元に、大河原邦男が最終的な決定稿を描く形で行われた。そうした初期のデザインスタッフにはガンダムアストレイのデザインを担当した阿久津潤一も参加しており、シールドのデザインは彼が提出した原案を元にしている[1]。大河原は自著において、『SEED』は元々敵MSのみの参加を予定していたものの、決定稿が決まらず商品開発が遅延する恐れがあったため、進行していたデザインを自身が清書することになった旨を語っている[2]

監督の福田己津央はストライクガンダムのコンセプトに対し、「他の4機のガンダムの機能を付け替える機体」としてオファーを出したという。また、そのアイデアは自身がかつて監督を務めたアニメ『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』に登場するアスラーダを意識したものであるとも語っている[3]。そのほか、プロデューサーの古澤文邦はストライク(攻撃)から転じて「矛」とし、「盾」の名を持つイージスガンダムと合わせて「矛盾」を意味する命名であると語っている[4]

なお、バンダイフィギュア「METAL BUILD エールストライクガンダム」(2018年8月発売)では、開発に際してエールストライカーパックに大河原による大幅なデザインアレンジが加えられている[5]

呼称
メディア・関連商品における公称は「ストライクガンダム」となるが、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ作中では「ストライク」と呼称される。これに対し、『機動戦士ガンダムSEED』において設定製作を担当した下村敬治はインタビューにおいて、同シリーズにおける設定では、登場する「ガンダム」という呼称はMSではなくOSを指し、ストライクガンダムであるなら作中世界における機体名はストライクであるという説明をしている[6][注 2]

設定解説

諸元
ストライクガンダム[8]
STRIKE GUNDAM[8]
型式番号 GAT-X105
分類 X100系[9]
装備換装型試作MS[10]
全高 17.72m
重量 64.80t
装甲材質 フェイズシフト装甲[注 3]
動力源 バッテリー[注 4]
武装 75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン×2
対装甲コンバットナイフ・アーマーシュナイダー×2
57mm高エネルギービームライフル
バズーカ
防御装備 対ビームシールド
選択式装備 エールストライカー
ソードストライカー
ランチャーストライカー
マルチプルアサルトストライカー
ライトニングストライカー
搭乗者 キラ・ヤマト
ムウ・ラ・フラガ
マリュー・ラミアス(一時)
サイ・アーガイル(PHASE-21, 砂塵の果て)

地球連合所属国家の1つである大西洋連邦が、オーブ連合首長国公営企業モルゲンレーテ社技術協力を受け、資源コロニーヘリオポリス」で極秘開発した5機の試作型MS(初期GAT-Xシリーズ)の1機[12]GAT-X102デュエルGAT-X103バスターと同系列のX100系フレームを基本骨格に採用[12]。四肢の分散処理比重が他の機体よりも高められたため、運動性も向上した[13]。5機の中では最後発の機体であり、異形式のフレームを持つブリッツイージスからのフィードバックも行われ、5機中最も洗練された機体と言える[12][14]

最大の特徴は、独自の装備換装機構「ストライカーパックシステム」である[15]。このシステムは、各戦況に適したバックパックやそのほかの装備を適宜換装することで、1機で他の初期GAT-Xシリーズの機体と同等かそれ以上の性能を付加することを目的としている[16]。これは任務によって装備を変更するため、余分なウェイトの軽減にも働いた[17]。また各ストライカーには機体の予備電源を兼ねたバッテリーが内蔵されており、戦闘中に母艦から射出されたストライカーパックを換装することによって、後方で補給を受けず瞬時に戦線復帰することが可能である[18]キラ・ヤマトの搭乗機は大型可変翼・スラスターで運動性を高めた上でライフル・シールド・サーベルで汎用性の高い戦闘を行う「エールストライカー」、近接格闘戦用に巨大剣を持つ「ソードストライカー」、遠距離砲撃戦用に大威力砲を運用する「ランチャーストライカー」の3種を状況に合わせて使用していた。物語前半ではこれによりキラ・ヤマトが様々な戦績を上げた。この機体はC.E.71年4月17日[注 5]イージスと交戦した際に中破して放棄され、戦地の近郊に位置したオーブにより回収される[19]。この折にオーブはストライクを自軍の戦力化すべく修復し、稼働率を高めるために潤沢な予備パーツを一式製造した[19]。さらに、OSはナチュラル用のものへと仕様変更[19]。物語後半でムウ・ラ・フラガも搭乗することとなる[注 6]

本機に採用された「ストライカーパックシステム」は後に地球連合軍のダガーシリーズ、ザフト軍のザクシリーズをはじめとした量産機に加え、セカンドステージシリーズインパルスライブラリアンの再生機などにオプション兵装としての新たな設計思想を確立させることには、大きな影響を与えた。直系の量産型としては地球連合軍において105ダガー、及びそれを省略化したストライクダガーが生産されている。オーブ軍のM1アストレイもバックパック構造に、本機のエールストライカーの影響を受けている[20]

機体構造

頭部
額にはイタリア語で「5」を指す単語と共に「X105 CINQUE」と刻印されている[21]。元々MSの頭部に刻印を施す慣習はプラントにおいてMSを実用化させた技師がイタリア系であった事に因むが、連合にもこれが伝わり、GAT-X等に施された[22]。カメラアイは走査性能に優れたツインアイを採用する[23]。メインカメラを有するが、頭部を振り向けずともコクピット内の正面モニターで敵機を捕捉する事は可能である[6][注 7]
腕部
人体に近い構造を持ち、人間で行える動作はほぼ踏襲可能。これは既存MSが機体を開発する度に武器類も新規制作し、専用機以外では性能を発揮できないケースも存在した点を考慮したものとなる。ストライクの腕部はこれによってあらゆる兵装を使用可能な汎用性を獲得しているが、整備性やコスト高の問題点も浮上しており、後続の機体では同様の機能は採用されていない[25]。手首は初期GAT-Xシリーズ5機共通のものを採用する[26]
スラスター
大気圏内では超伝導電磁推進を用い、空気を吸排出することで推力を得る。また、これを利用しを注排出することで水中での稼働も可能[27]。ただし本体の推力のみではジャンプのみで、機体を飛翔させ続ける事はできない[28]
初期GAT-Xシリーズ共通コクピット
パイロットの挙動に合わせて回転する卵形のものを採用している[29]ハードウェアには量子コンピュータを標準搭載[30][注 8]。キーボードやタブレット機器が備えられ、パイロット側で機体を調整する事も可能である[29]。コクピットの左右にはグリップが備えられ、機体の微細なコントロールはこれで行う。これとは別にシート右部にはモードセレクターが存在し、これによって使用する兵装の選択から威力の変更が可能。反対側の左部にはスロットルレバーが存在し、推力変更やオートパイロットへの切り替えもできる[32]。搭乗口は狭く作られており、パイロットはかがんで乗降を行う[33]
OS
開発はモルゲンレーテ社に勤務するカトウ教授が担当しているが[34]、ヘリオポリスにおいてロールアウトされた機体のOSは未完成の状態にあったため、実戦の際にはキラ・ヤマトによって改変され、そのため彼にしか扱えない物となったため専用機となっている[12]。後にムウ・ラ・フラガが搭乗した際にはナチュラル用OSに書き換えられた[19]
また、初期GAT-X5機共通の特徴としてOS起動時にはコクピット内ディスプレイに「General Unilateral Neuro-Link Dispersive Autonomic Maneuver Synthesis System(単方向分散型神経接続による汎用自動演習合成システム)」という表示がなされる[35]。キラ・ヤマトはこれらの頭文字をとってGUNDAM(ガンダム)と呼称しているが、本機の機体呼称は「ストライク」である[36]。この「ガンダム」という呼称はキラから連合の関係者に広がり、後には特徴的な頭部形状(ガンダムフェイス)を有したMSの俗称としても用いられている[37][注 9]
また、ストライクの機体各部の分散処理システムは装備構成や戦闘状況に合わせて各部に設定を行う事も可能である[13]。ストライク本体には接地面積を変更する機能は持たないものの、機体が動作に適さない地域での戦いの場合はプログラムを変更する事で機体各部の接地圧を調整する事も可能である[38][注 10]。これは本来ならば戦闘前にセッティングされるが[13]、キラ・ヤマトは戦闘中にプログラム修正を行っている[39]
セーフティーシャッター
本機は運動性をより向上させるため、PS装甲に対する依存度を高めて装甲部材の軽量化を図っている。これにより、運動性能は初期GAT-X5機の中で最も向上することとなった。その一方で、PSディアクティブ状態での抗堪性は著しく低下している。この問題を解決するため、本機の胴体には緊急時にコクピットを防御するセーフティーシャッター(『ASTRAY』では「エマージェンシーシャッター」と呼称)が装備された[17]。パワーダウン時や、外装であるPS装甲が破損した場合には、この装置がパイロットを守る役目を果たしている[17][注 11]
なお、後に量産化された105ダガーでは敵兵器のビーム兵装普及からPS装甲に依存した設計が改められ、対ビーム性に優れたラミネート装甲が採用されることとなった[17]
識別番号
三隻同盟加盟後の機体には、左肩と左足首には機体番号「110」も記載された[42]

武装

75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』
両側頭部に2門内蔵される対空防御機関砲。主用途は接近する敵機やミサイル・歩兵などを自動的に追尾しての迎撃射撃[8]であり、頭部に搭載されることでカメラアイと連動し、白兵戦時に敵機のセンサーを破壊する狙いも持つ[43]。また、機動性の高い敵機に対する弾幕としても機能する[44]弾倉はボディにあり、そこから頭部へと給弾される方式[43]。地球連合の艦艇にも装備される火器を改良したモデル[45]
名称の由来は、「ハリネズミの陣」。
対装甲コンバットナイフ『アーマーシュナイダー』[注 12]
腰部両脇ホルダーに内蔵されている超硬度金属製の戦闘ナイフ[12]。超振動モーターによって刃身を高周波振動させPS装甲を除くほとんどの物体を切断可能[12]。また、折り畳まれた状態でも突き出た刃部で攻撃する事が可能[48]。武装自体に小型の電源を内蔵しているため、MS側の残存電力を気にすることなく使える利点がある[49]。PS装甲やビーム兵器を有する同機は消費電力も激しいため、このような実刃兵器がサブ・ウェポンとして装備された[50]。ブレード部にはグレイブヤードの技術が導入されている[50]
「アーマーシュナイダー」とはドイツ語で「装甲を切るもの」の意。
この武器は『機動戦士ガンダムSEED』シリーズのキャラクターデザイナーを担当した平井久司がデザインを手がけている。劇中ではジンラゴゥなどを撃破し、デュエルも小破させた。それらの戦果を受けて連合軍は、折り畳み式からシースナイフ式へと改良したものをGAT-X133ソードカラミティに継承した。
57mm高エネルギービームライフル
ライフル型の携帯ビーム砲。ジンの「バルルス改」特火重粒子砲よりも遥かに小型だが、ローラシア級の外装をも一撃で撃ち抜く威力を持つ[50]
ただし拳のコネクターを介して機体から直接エネルギーを供給しているため、発砲数に応じて機体稼働時間に制約を受ける。携行装備ゆえ装着ストライカーの干渉を受けず使用できるが、エネルギー消費の関係上出力に余裕があるエールストライカー装備での使用が望ましいとされる[49]
技術力においてプラントに劣る連合が小型かつ高出力のビーム兵器をザフトに先んじて導入できたその背景には、共同開発したオーブの技術力[51]、フジヤマ社からの出向技術者[50]、さらにはザフトから奪取した最新技術の導入の賜物[52]による所が大きいとされる。
非使用時のマウント個所は媒体によって差異が見られ、アニメーション第29話(リマスター版27話)ではサイドスカートに装着しているものの、2004年11月に発売されたプラモデルキット『1/60 PG ストライクガンダム』においてはリアスカートへ装着するギミックが採用されている。
銃身下部のブロックは2004年11月に発売された『マスターグレード エールストライクガンダム』における阿久津潤一の開発画稿においてはグレネードランチャーとする提案がなされているものの[53]、実現されていない(製品の説明書内では「マルチセンサーユニット」として扱われている[54])。その一方で、玩具商品『METAL BUILD エールストライクガンダム』において監修時に重田智が書き足したアイデアでは、同部位をグレネードとして大型化するアレンジがなされている[55]
対ビームシールド
GAT-X105ストライクの手持ち・前腕装着両用の盾。装甲表面にはビームを吸収拡散する特殊塗料が塗布されており、同時に盾の部材も特殊な共振現象を起こす固有振動数を持った鋼材同士の複合金属で作られているため、これがミクロ単位のドレッドパターンによって命中したビームに進行方向を屈折させて防ぐ[50][注 13]。一方で、同一の面で連続して防御する事は推奨されていない[57]。また、その特性から摩耗が激しく、これらの措置をPS装甲に用いる事は推奨されていない[50]
この盾はデュエル及びオーブ製のアストレイ系列機の物と同型の大型タイプとなる。
バズーカ(ストライクバズーカ)
地球低軌道域で合流した第8艦隊より供給された対MS用バズーカ。弾倉の取り付け口が4つあり、そのいずれかまたはすべてに装着できる[58]。本編第22話(リマスター版21話)において水中では威力が大幅に落ちるビーム兵器の代わりに使用されるが、第23話(リマスター版22話)ではソードストライカーで戦闘しており使用されなかった。本編では一度切りの登場であったが、高山瑞穂の漫画版ではオーブ解放戦争に参戦しているM1アストレイが装備していた。
機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』での出撃ムービーにも登場したが、こちらでは実体弾ではなくビームを発射していた。
元々は固有名を持たない「バズーカ」だったが、2015年8月にバンダイからプラモデル『ビルダーズパーツ 1/144「システムウェポン010」』として商品化された際、「ストライクバズーカ」という名が付けられた。照準器などを流用し、パーツを組み替えることでロケットランチャーとなるギミックが追加されている。
XM404『グランドスラム』
プラモデル「1/60 PG(パーフェクトグレード)ストライクガンダム」付属のボーナスパーツを元に設定されたオリジナルの大型の実体剣。
アーマーシュナイダー同様、平井久司が自らデザインを行った。また、この装備は後に発売された「1/100 MG(マスターグレード)ストライクガンダム+I.W.S.P.」にも付属しているが、設定変更によって非公式扱いとなり組立説明書内の解説文にも詳細は一切記述されていない[59]
ガンダムイボルブ』ではザフト軍の地上基地にあったものを武器を失ったストライクが使用していた。
グランドスラム旧設定
ストライクのオプション武装の1つとして用意された大型の実体剣。その全長はMSの身長を軽く上回り、リーチの長さを活かした広い間合いからの斬撃・刺突を可能とする。グリップは折り畳み式である程度の携帯性を確保しているが、結局は遥かに小型で取り回しに優れたアーマーシュナイダーが採用されることとなった。残された装備は構造を簡略化した上で接近戦武装を持たないバスターに回される予定だったが、その矢先にザフト軍クルーゼ隊によって同機を含む4機のGが強奪され、さらにヘリオポリス崩壊に伴い、製作された試作品及びその他関連資料の一切が行方不明となってしまった[12]
その他の武装
MMI-M1001 90mm対空散弾銃
本来はディン用の銃。本編第22話にて、撃墜された機体から拾う形で使用した。紅海でのモラシㇺ隊との交戦でアークエンジェルは空中のディンと水中のグーンに挟み撃ちにされて、空中はムウのスカイグラスパーが出撃して応戦し水中はキラのストライクがバズーカ装備で潜って応戦し、アークエンジェルの艦砲バリアントで撃墜されて落下したディンの銃をキラがストライクで鹵獲して使用してハンスのグーンを撃破している。
模擬戦用サーベル[33]
本編第37話において、フリーダムとの模擬戦で用いられた装備。

劇中での活躍

C.E.71年1月25日、オーブ連合首長国の資源衛星ヘリオポリスにて、ザフト軍クルーゼ隊による「ガンダム奪取作戦」が展開される中、地球連合軍の女性士官のマリュー・ラミアスと偶然MS格納庫へ居合わせたヘリオポリス工業カレッジの学生でコーディネイターのキラ・ヤマトが搭乗し、起動。そのままアークエンジェル搭載機となり、連合側に残された唯一のG兵器となる。

起動時はパイロットですらないマリューがアスラン・ザラの銃撃により腕を負傷した状態で操縦していたが、窮地へ陥った際に強引に操縦を代わったキラの手で未完成だった機体OSを瞬時に書き換えられ、標準装備ながらその驚異的な機動性で迫り来るジンを撃破した[60]。OS調整後の本機はキラ以外には扱えないものとなってしまったため、そのままなし崩し的に彼は本機の専任パイロットにされてしまう。

以後は奪われた4機のG兵器を伴って迫るクルーゼ隊の襲撃をかわし続け、地球降下後のアフリカでは「砂漠の虎」ことアンドリュー・バルトフェルド率いるバルトフェルド隊、紅海横断途中にはマルコ・モラシム隊と交戦し、これらを撃破した。オーブ近海での戦闘後はアークエンジェルとともにオーブへ匿われ、キラのモルゲンレーテへの技術協力(M1アストレイのOS開発)やストライクの戦闘データの提供を交換条件に、モルゲンレーテ本社工場内にてオーバーホールを受けた。

オーブ出発直後の戦闘で遂に奪取されたG兵器の内の1機ブリッツを撃破する[61]。しかし直後の戦闘でイージスの自爆攻撃に巻き込まれ大破するが、セーフティシャッターによってパイロットのキラの命は守られた。重大な損傷を負った本機は調査に来たオーブによって回収され、ナチュラル用のOSを組み込んだ上で修復された。修復された本機は地球連合軍を脱走したアークエンジェルがオーブへ寄港した際に引き渡され、以降はムウ・ラ・フラガの搭乗機となる[62]

オーブ解放作戦ではストライクダガーを相手に優れた戦いぶりを見せ[63]、オーブ陥落後も三隻同盟の一員として活躍し続けるも、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦プロヴィデンスの攻撃によって中破してしまう。その後アークエンジェルへ着艦に向かうが、ドミニオンローエングリンをシールドで受け止めてアークエンジェルをかばい、爆散し失われた。

なお、アニメ『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』では劇中における現実世界の横浜赤レンガ倉庫にエールストライカーを装備した本機の実寸大立像が置かれており、本編中やEDに登場している。

機体バリエーション

ガンバレルストライク
ストライクにガンバレルストライカーを装備した形態。GBA用ゲーム『機動戦士ガンダムSEED 友と君と戦場で。』に、ムウ専用機として登場している。
なお、ガンバレルストライカー自体はムウ専用装備として連合により開発されていたが、彼の離反を受けてモーガン・シュバリエ105ダガーへ装備され、ガンバレルダガーとして実戦で使用された[56]
パーフェクトストライク
2012年に展開された『機動戦士ガンダムSEED』HDリマスター版では、アイキャッチや第3期オープニングアニメーションへの登場を経て、第36~37話にエール・ソード・ランチャーのストライカーパック3つの装備を同時に備えた「マルチプルアサルトストライカーパック」を装備した「パーフェクトストライクガンダム」が登場している。
なお、HDリマスター化に当たっての作業はビジュアルのみで再アフレコはされていないため、登場人物たちがこの形態について言及することはない。
こうした三種類のストライカーパックを同時に備えた形態としては、2004年に発売されたBB戦士版プラモデルに掲載されたオリジナル形態である「スーパーストライクガンダム」が存在する[64]。これ以前には、コミックボンボン2003年6月号付録『ガンプラ武蔵』では1/144キットを使った「スーパーグレードストライクガンダム=SGSG」のトリプルストライカー仕様として同様の装備のモデルは登場していた。
ドライグストライク
METAL BUILDオリジナルのMSV企画として設定された機体。アクタイオン・インダストリー社の技術主任を務めるヴァレリオ・ヴァレリがアクタイオン・プロジェクトに続くMS開発計画として、ライバルであるロウ・ギュールとMSコレクターであるカイト・マディガンの協力のもと推進する「オルタナティブ・プロジェクト」によって、開発された最初の機体。再建造されたストライクをベースに、ロウの開発したカレトヴルッフを最大限運用できるように、アストレイ背部規格接合用背部コネクタが組み込まれた"バックパックジョイント"と呼ばれるカレトヴルッフ装備用自在アームと制御装置が組み込まれたバックパックと、同じく自在アームが接合可能な肩部ジョイントを、ストライカーパック接続コネクタを介して装備している[65]
フライトユニット装備
「オルタナティブ・プロジェクト」の2番機。ロウがM1アストレイのバックパックをアストレイレッドフレーム用に改造したフライトユニットを改良し、ドライグストライク側の機体OSには改造を加えずフライトユニット側でマッチングする用にした上で装備したもの。元々このフライトユニットは上部にカレトヴルッフ一機を装備することが出来るが、さらにフライトユニット両側面に装備されている燃料タンク兼用ウイング部をカレトヴルッフ装備用の自在アームと適宜交換することで、追加で2機のカレトヴルッフを複数運用できるようになる機能が追加されており、ドライグストライク側に装備できる肩とバックパックジョイントに装備可能な自在アームや本体の腕などを全て併せて最大限活用する事で、スペック上は最大11基のカレトヴルッフが運用可能とされている[65]

ストライク(再生機)

諸元
ストライクガンダム(再生機)
型式番号 GAT-X105
装甲材質 フェイズシフト装甲
動力源 バッテリー(パワーエクステンダー搭載[66]
武装 75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン×2
対装甲コンバットナイフ・アーマーシュナイダー×2
57mm高エネルギービームライフル
防御装備 対ビームシールド
選択式装備 I.W.S.P.
搭乗者 スウェン・カル・バヤン

この節で述べる再生機についてはプラモデル「1/100 MG ストライクガンダム+I.W.S.P.」発売にあたり新規設定された機体である[67]

大戦後、地球連合軍第81独立機動群「ファントムペイン」が、アクタイオン・インダストリー社を中心とした複数企業の技術協力を受け推進したエースパイロット用カスタマイズMS開発計画、通称「アクタイオン・プロジェクト」に基づき再生産した機体[66]

専任パイロットはホアキン中佐指揮下の特殊戦MS小隊に所属するパイロット、スウェン・カル・バヤン中尉[66]

ヤキン・ドゥーエ戦後、ファントムペインにおける新型機には核エンジンを搭載した機体を想定していたが、ユニウス条約の発効に伴い頓挫。そのため、既に開発中であったウィンダムのような量産機とは別に、エース専用のワンオフカスタム機の開発がスタートした。この開発ベースとなったのが初期GAT-Xの5機である。これらの機体群は、後の量産機開発へのデータ収集を想定して極限まで高められた技術が導入されていた事と、運用データが豊富であったことから選定される運びとなった[66]

その1機がこの再生産されたストライクである。アクタイオン・プロジェクトではこれを設計通りに再生産し、実戦データを元にカスタマイズする計画が立てられた[66]。この機体はPS装甲の消費電力と強度のバランスをとり、機体色は暗色化している。また、あらゆる戦局に対応するため、装着するストライカーは全領域型のI.W.S.P.が選択された。そしてこの本体とストライカーに改良を加えた機体が、「ノワールストライカー」を装備した「ストライクノワール」である[66]

フォトストーリー『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』では、ヴァレリオ・ヴァレリによって再製造された別機体のストライクが観測機として投入された。この機体はデスティニーシルエットRにコントロールを掌握された後、最終的に自爆している [68]


注釈

  1. ^ MGエールストライクガンダムVer.RM』付属のデカールを参照。
  2. ^ 一方で、2009年の外伝作品『機動戦士ガンダムSEED FRAE ASTRAYS』においては、作中で「ライゴウガンダム」と呼称されるケースもみられる[7]
  3. ^ 機体カラーは白・青・赤という従来作品のガンダムタイプに多いトリコロール。
  4. ^ 資料によってはオーブでの改修後にパワーエクステンダーを追加したとされるものも存在する[11]
  5. ^ アニメーション本編第30話(リマスター版28話)
  6. ^ ただし、ムウの搭乗時においてはソードストライカーのみ単体では使用されなかった。
  7. ^ C.E.のモビルスーツは頭部にメインカメラを有するものの、機体各所に補助カメラが存在するため、機体の一部を露出するだけで敵機補足を可能としている[24]
  8. ^ C.E.においてはMSのみならず量子コンピューターが一般化され、普及している[30]。設定を担当した森田繁は人体の生体組織を模したものとしているが[31]、詳細は明らかにされていない。
  9. ^ キラ・ヤマトを除いて「ガンダム」という俗称がアニメ本編で使用された例としては、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第1話におけるカガリ・ユラ・アスハ、同作第2話のスティング・オークレーが挙げられる。
  10. ^ 砂漠はその粒状から不安定な地面であり、バクゥのような特化した機体と比較し、汎用機であるストライクは滑りやすい面があった。砂漠での戦いにおいてキラは接地する際に逃げる圧力を踏まえ、運動プログラムの摩擦係数を書き換える事でこれに対処した[39]。一方で、『ガンダムSEED』シリーズにおいて設定を担当した下村敬治は書籍記事において、キラは砂漠での戦いにおいてダンパーの設定を調節したものだと説明している[40]
  11. ^ 設定を担当した森田繁はインタビューにおいて、アニメーション作中の描写から、初期GAT-Xではストライクのみに搭載された機構ではないかという見解を示している[41]
  12. ^ この呼称はSEED DESTINY MSV Vol.6 GAT-SO2R NダガーN 森田繁 解説より[46]。なお、本装備は媒体によって表記揺れがあり、これ以前のSEED MSV Vol.15 GAT-01A1ダガー 解説では「戦闘ナイフ・アーマーシュナイダー」[47]、「HG エールストライク」時点では「アサルトナイフ」[8]となっている。
  13. ^ 対ビームコーティングを施したシールドとする資料もみられる[8]。また、射入したビームエネルギーを電力に変換し、装甲部材の共振を励起するとともに分子レベルの鏡面を形成。ビームを乱反射させることで破壊力を減衰させるとした資料もみられる[56]
  14. ^ 本機が建造に至った理由の一つは、アカツキの開発計画が凍結したために、代替機が必要だった事が挙げられる[43]。尚、本機のフレームや消耗部品などにはヘリオポリス脱出時に持ち出した原型ストライクの予備パーツも使用されている[43]
  15. ^ 基本性能はGAT-X105ストライクと変わらないものの、各パーツがモルゲンレーテ社の新規部品に交換されたため、機体精度はより向上したとする資料も存在する[75]
  16. ^ 作中では「ルージュ」と呼ばれることが多い。
  17. ^ Gジェネ』シリーズの解説。また、劇中では一貫してエール装備であり、ソード・ランチャーパック装着状態は見られない。
  18. ^ これにはカガリを傀儡として実権の掌握を画策していたセイラン家の意向が大きいとされる[43]。尚、ストライクルージュ用のIWSPはキラがカガリを連れ出した際、そのままオーブに残されていた[78]。その後、マーシャンとの交戦でスウェン・カル・バヤンが搭乗するストライクEが装備した後の動向は定かではない。
  19. ^ 『HDリマスター』ではオオトリ。
  20. ^ こうしたモルゲンレーテ社における設計用の量子コンピュータにおいて人格を導入させる技術は、技術主任のエリカ・シモンズが交友を持つプロフェッサーから伝えられたとされている[84]
  21. ^ グリーンフレームに搭載されたAIは学習型コンピュータと連動したものであり、高い回避性能を有している。ただし、作中ではフェイントに対応できない場面も見られた[86]
  22. ^ ザフトによるエターナル追撃の折には、キラ・ヤマトが搭乗するため搭載されていたOSはナチュラル用のものからコーディネイター用のものへと書き換えられた。ストライクルージュの機体カラーをストライクと同等に変更したのは、装甲強度を重視した仕様から電力消費を下げ、機動性と装備を重視したためとしている[88]
  23. ^ アニメーションや小説版において、キラ・ヤマトの口頭から「ナチュラルの神経接合に対応できるようになったOS」と説明する描写があるものの[89][90]、その詳細は不明。一方、小説版の続巻によってはストライクダガーやM1アストレイ用のOSは操縦をコンピューターが補助する方式を導入したものと説明され、イレギュラーな動作への弱さや反射速度の限界が示唆されている[91]。また、このOSはそのシステムの補助から手練のコーディネイターパイロットに対して不利な側面が描写されている[92]
  24. ^ ストライクルージュが地上でパーツ段階だった時点で、この機体の製造のために用意されていたPS装甲材の一部は、エリカ・シモンズの提案によってブルーフレームセカンドの改修にも用いられている[96]
  25. ^ テストの際にはロウ・ギュールも立ち会っており、IWSPの操縦難易度の高さと、それをルーキーであるカガリが扱えていないことを看過していた。ロウの見立てではキクチとカノウならば運用可能であるとされる[101]
  26. ^ PS装甲ではないシールド〈黒系。X105は赤系〉や頭部ツインアイ〈緑色。X105は黄色〉の色はルージュのままになっている
  27. ^ ただし、TV本放送版とは違い右腕は残っている。
  28. ^ 設定画稿を参照[79]
  29. ^ 「ストライクEガンダム」と記述した資料もみられる[104]
  30. ^ 「STRIKE ENHANCED GUNDAM」と記述した資料もみられる[104]
  31. ^ 機体名及び型式番号末尾の「E」は「強化型」を意味する(Enhanced、エンハンスド)の頭文字である[105]
  32. ^ 当初ストライクノワール(ストライクE)には腕部に装備を追加するデザインはなされていなかったため、「HG 1/144 ストライクノワールガンダム」のような初期のキットでは取り付けが行えない装備であった。その後発売されたプラモデル『1/100マスターグレード ストライクE』及びその金型共用で商品展開された『1/100マスターグレード ストライクノワール』の肘はカバー付きマウントラッチに変更され、シールドなどを装着できるようになった。カバーを取り外すとマウントラッチがある、という構造だが、あくまでプラモデルの設計において既存設定との矛盾を解決すべく案出されたものであり、『Δ ASTRAY』などのストーリー中ではカバーを付けたり外したりしている描写は無く、無造作にシールドを肘に着脱している。
  33. ^ プラモデル「1/144 HG ストライクノワールガンダム」発売の時点ではエクステンダー改良による機体色変化を機体名の由来としており、ノワールストライカーについての解説文で、取り付ける前の機体も「ストライクノワール」と記されていた。この段階ではストライカー非装備時の呼称変化については言及されていなかったが、その後、外伝漫画作品『Δ ASTRAY』のストーリー展開での「ストライクE+I.W.S.P.」の登場に伴い設定が変遷し、ストライクEに特殊戦用ストライカーパック「ノワールストライカー」を装備した機体という設定となった。一方、紙媒体の外伝『Δ ASTRAY』シリーズのストーリー、及びその後発売されたプラモデル『1/100マスターグレード ストライクE』付属解説書では、まず「GAT-X105Eストライクノワール」という固有の機種・機体は存在しないことになり、また同機がスウェン・カル・バヤン中尉の駆るストライクI.W.S.Pが自ら実戦でデータを得ていくことで改造製作されたワンメイクモデルであるという背景も無くなった。そこでは、まず素体となるモビルスーツとして「ストライクE」が新たに創作され、「ストライクノワール」とは機体名ではなく、そのストライクEがノワールストライカーを装備した時の姿を指す呼び名であることになった。「ノワール」の名を表す黒い機体色は、装備したストライカーに依拠したものとされ、それを装備しない機体本体(ストライクE)は黒色基調ではないものとして描かれている。また、ストライクEは複数存在しており、必ずしもバヤン中尉の乗ったストライク再製造機+I.W.S.Pの改造機ではなく、ファントムペインの複数のパイロットに「支給」されているものとされた。
  34. ^ 『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』展開時の公式サイトではノワールストライカーは対艦刀2振りと大威力のレールガンを2門ずつ併せ持った汎用型の装備であり、各レンジに対応するとしていた[119]。その後、プラモデルキット『HG ストライクノワールガンダム』では近接戦闘用のストライカーと設定され[109]、『MG ストライクノワールガンダム』では飛行能力・近接戦闘・長距離戦においてザフトのMSを圧倒する性能を求められたものの、万能性をそのままに近接戦闘に振り向けた変更がなされ、リニアガンも近接戦闘用にセッティングされたものとなっている[120]
  35. ^ PS装甲部材の生産性の低さからノワールストライカーはPS装甲を採用した仕様と非PS型のそれぞれの仕様で複数機が生産されたといわれる[120]。しかしながらエクステンデッドパイロットの登用にて人材を賄う方向に進んだファントムペインでは当装備もフルフェイズシフト仕様の大半はエクステンデッド搭乗機に回され、ナチュラル搭乗機でストライカーパックのPS装甲採用型が確認されているのはスウェン機のみとされている[120]。ただし、『Δ ASTRAY』作中ではデルタアストレイの実体剣に切断される描写も見受けられた。
  36. ^ このため、ストライカーパック未装備の状態では格闘用装備がない。

出典

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