システムインテグレーション システムインテグレーションの終焉

システムインテグレーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/04 14:32 UTC 版)

システムインテグレーションの終焉

日本企業の情報システムが安定稼働する裏には高い技術力を持つSIerの存在があるが、2010年代中頃からITを取り巻く環境が激変し、SI(システムインテグレーション)は崩壊、淘汰、終焉の時代に突入した[10]

ディスラプター(創造的破壊者)

米国IT企業が技術力を武器に様々な業界の勢力図を塗り替えていく現象が見られるようになった。

デジタルトランスフォーメーション

ITをアウトソーシングしてきた企業はシステムインテグレーションのノウハウが蓄積しておらず、IT中心の組織に変革する動きが活発化した。

  • デジタル専門部署(「攻めのIT」やガートナーが提唱する「モード2」)の設置
  • 人工知能(データサイエンス)やクラウドコンピューティングの活用
  • IT部門・情報システム子会社の再編(例えば以下のパターンが見られる)
    • 情報システム子会社を本体へ吸収(内製回帰)
    • 情報システム子会社をITベンダーに売却(フルアウトソーシング)
    • 本体のIT部門を解体し、情報システム子会社に集約
    • デジタル専門部署との統合

情報システム子会社の役割再定義

デジタルトランスフォーメーションに伴い従来のIBMビジネスモデルから新たな役割、位置付けへと転換する動きが見られる[11]

  • STEP1:従来型機能子会社 - グループの社内向けIT
  • STEP2:従来型事業子会社 - グループでの経験を活かして独り立ち
  • STEP3:改革支援子会社 - グループの既存事業、新規事業をITによって変革、創出
  • STEP4:デジタル戦略子会社 - グループの本業分野での経験を活かしてデジタル分野を事業化

IBMビジネスモデルの転換

Amazon.comマイクロソフトが提供するクラウドサービス(Amazon Web ServicesMicrosoft Azure)をはじめ、日本企業がクラウドコンピューティングを活用するようになると、IBMもシステムインテグレーションからクラウドサービス(IBM Cloud)に転換するようになった。2018年10月28日に、IBMが340億USドル(日本円にして約3兆8000億円)でRed Hat, Inc.を買収すると発表し、IT業界に衝撃を与えた。


注釈

  1. ^ コンピューターシステムの場合、"systems integration" という用語は複数形の単語 "systems" を含んでいる。ただし、単数形もコンピューターシステムを指すのに使われてきた。

出典

  1. ^ システムインテグレーション - IT用語辞典 e-Words
  2. ^ Gilkey, Herbert T (1960), “New Air Heating Methods”, New methods of heating buildings: a research correlation conference conducted by the Building Research Institute, Division of Engineering and Industrial Research, as one of the programs of the BRI fall conferences, November 1959., Washington: National Research Council (U.S.).Building Research Institute, pp. 60, OCLC 184031 
  3. ^ CIS 8020 – Systems Integration, Georgia State University OECD 
  4. ^ Moore, June (1982-12-13), “Software Reviews, BusinessMaster II+, ledger for CP/M systems”, InfoWorld, InfoWorld Media Group, Inc, p. 31, ISSN 0199-6649 
  5. ^ a b Vonderembse, M.A.; Raghunathan, T.S.; Rao, S.S. (1997). “A post-industrial paradigm: To integrate and automate manufacturing”. International Journal of Production Research 35 (9): 2579–2600. doi:10.1080/002075497194679. 
  6. ^ Merriman, Dan (1996-02-19), “Tying it all together”, Network World, IDG Network World Inc, pp. 51, ISSN 0887-7661 
  7. ^ 「ソリューション」という言葉に抵抗感を持つあなたへ - japan.zdnet.com
  8. ^ Lau, Edwin (2005), “Multi-channel Service Delivery”, OECD e-Government Studies e-Government for Better Government, Paris: OECD, pp. 52, OCLC 224889830 
  9. ^ a b c d Gold-Bernstein, Beth; Ruh, William A (2005), Enterprise integration: the essential guide to integration solutions, Addison Wesley, ISBN 0-321-22390-X 
  10. ^ 記者の眼 - SIerの余命は5年、オオカミは本当にやって来る - ITpro
  11. ^ デジタル時代に生き残る情報システム子会社とは - japan.zdnet.com
  12. ^ 『DXレポート』が指摘する「2025年の崖」を越える攻めのクラウド活用【第17回】 - dcross.impress.co.jp
  13. ^ DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~ - 経済産業省


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