アロマテラピー 歴史

アロマテラピー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/09 05:42 UTC 版)

歴史

ヨーロッパの古文書に見られる蒸留装置アレンビック。アラビア語「al-anbiq」に由来する[100]
日本に伝来したらんびきの断面模式図

人工香料が作られるまで、香りは全て植物または動物から採られた。古代では、樹脂などをそのままか、またはそれらを混ぜて使った。その後、芳香成分(精油)が動物性・植物性の油に溶けることに気づき、香りを映した香油や香膏英語版(軟膏)が作られ、水にも少し溶けることから、香り水英語版も利用された[101]。「香水」と訳されるperfumeは、ラテン語のper‐fumum(煙を通して、煙によって)に由来する言葉で、昔は固体・液体を総称しperfumeと呼んだ。この節では、芳香成分をアルコールに溶かしたperfumeを「香水」とし、他は「香料」「香油」などとした[101]

概要

香料植物の利用は古代にさかのぼり、焚香料(焼香、インセンス)としての利用が最も古いと考えられている[101]。香りの心身への影響も知られ、精油を用いた治療も古くからおこなわれた。ギリシャ・ローマの医学が伝わったアラビア圏では医学・錬金術が発達し、精油や芳香蒸留水(ハイドロゾル)が治療に使われた。12世紀にアラビアからヨーロッパに医学・錬金術が伝わり、蒸留技術が普及すると、精油が広く医療に利用され、アルコールの蒸留技術が確立し蒸留酒が広まると香料植物・ハーブを使ったリキュール(薬用酒)が流行し、のちに香水として利用された。20世紀に入ってから、精油を用いた治療がアロマテラピーと名づけられた。また日本には、精油を蒸留する蒸留器「らんびき」が16世紀半ば江戸時代には伝来しており、蘭方医学で精油が治療に使われていた[102][103]。アロマテラピーという言葉が日本へ紹介されたのは1980年代で、「イギリスからの自然派美容マッサージ」という形で導入された[21]

古代

香料植物の利用は古代にさかのぼり、香りの心身への影響も知られ、精油を用いた治療も古くからおこなわれた。人類は洋の東西を問わず、植物の芳香を祭祀・儀礼・治療美容に用いてきた。香料が初めて記録に登場するのは紀元前3000年ごろの古代メソポタミアで、香料が神に捧げられていた。また、花やスパイスの香りを油に移すために使用したと考えられる土器も発見されている。

エジプトで乳香(フランキンセンス)などの香料植物が祭祀、美容、医療に大いに利用され、没薬(ミルラ)はミイラ作り用いられたことで知られる。上流階級の間では、身体に香をたいたり、香膏が利用され、ツタンカーメン王の墓からは、アラバスタ―製の香油壺が発見されている[82]

エジプトの香料文化の影響を受けたギリシャでは、香料の調合・製造の技術が発達した。ローマでは香料文化はさらには繁栄し、香油、香膏(練香)、粉末や固形の香料が利用された[82]。このころの香料の製法や医療における利用法は大プリニウス(22 / 23年 - 79年)『博物誌』やディオスコリデス(40年頃 - 90年)『薬物誌』に残された。『薬物誌』は、アラビア・ヨーロッパで1500年以上薬学の最も権威あるテキストとして利用された。

古代インドでも、香料は宗教儀式で重要な役割を果たし、ジャスミンバラモン教の経典に神聖な花として記されている[82]。古代中国では、香料植物は香薬・香辛料として利用され、『神農本草経』にも多くの芳香性生薬が記録されている。仏教が伝来してからは、麝香沈香などが薫香線香などの焚香料や塗香としても使われ、6世紀になると仏教とともに日本に香文化が伝えられた[82]

精油を用いた治療も古くからおこなわれ、紀元前3000年頃にメソポタミア地域で使われた考古学的な証拠があり、蒸留用の抽出瓶は、薬剤師や香料製造者が利用したと考えられている[100]メソポタミアの医書によると、テレピンノキからとったテレピン油が傷薬として使われていた[104]

このように、香料植物や精油は古代から利用され、世界の各地域で独自に発展し、近代医学が発達する以前の人間の健康を助けた。今でもそれらは、伝統医学民間療法として受け継がれている。

アラビア錬金術と水蒸気蒸留法

イブン・アルバイタールの彫像。スペイン・アンダルシア地方、マラガ

ヒポクラテスに代表される古代ギリシャの医学は、ローマ時代にガレノスによってまとめられた。蒸留技術は、1世紀のアレキサンドリアの錬金術師たちによって改良され[100]、古代ローマでは動物性油脂に精油成分を溶かし込んだ軟膏なども用いられた。

イスラーム圏ではギリシャ・ローマの医学をベースにユナニ医学が発達し、錬金術の発展で化学が進歩した。中世イスラーム世界の錬金術と化学英語版では、抽出・蒸留・発酵などの手法が薬物製造に結び付けられ、薬学はひとつの科学としての基礎を持った[104]陶器ガラスの製造も高度な技術が発展し、蒸留など薬物製造に用いる器具が作られた。イスラーム圏の錬金術師・薬剤師たちによって、香気成分抽出法英語版のひとつである水蒸気蒸留法が確立されたといわれ、蒸留装置アレンビックの考案・改良者として哲学者・錬金術師ジャービル・イブン=ハイヤーン(721年? - 815年?)の名が知られるが[103]、この装置は「らんびき」の名で日本まで伝わっている[105]。(アロマテラピーや香水の書籍には、イブン・スィーナー(980年頃-1037年頃、ラテン語名アヴィセンナ)が水蒸気蒸留法を確立したとするものもあるが、水蒸気蒸留によるバラ水(芳香蒸留水)の生産は彼が生きた時代以前から一大産業であった。蒸留の歴史において、水蒸気蒸留の発明者または装置の改良者としてイブン・スィーナーの名前が挙がることはない[106][107][108]。)

アラビア圏では、芳香蒸留水(ハイドロゾル)や精油が製造され[106]、治療に用いられた。医学の大家であるイブン・スィーナーの『医学典範』(al-Qānūn fī al-Ṭibb)には、バラ精油を用いた治療法が記されており[109]、香油や香膏を使ったマッサージについても説明されている[110]

水蒸気蒸留法やその器具についての最も古い記述は、医師・薬剤師・植物学者・科学者であったイブン・アルバイタール(1188年 - 1248年)の『薬と栄養全書』(Kitab al-Jami fi al-Adwiya al-Mufrada)である。製造された精油は香料・香油として用いられたり、高価な薬に混ぜて使われた。またこの本には、バラ水やオレンジ水といった芳香蒸留水について、詳細な化学情報が説明されている[111]

ヨーロッパにおける精油療法の発展

ヒエロニムス・ブランシュヴァイク『蒸留術の書』。中央にあるのは蒸留塔

中世ヨーロッパでは、香料植物の栽培と利用はもっぱら修道院で行われ、アラビアから錬金術が伝来するまで、植物成分を水や植物油やワインに浸出して用いた。当時の西洋文化圏の最先端であるユナニ医学やアラビア錬金術は、十字軍によるアラビア侵略を契機に徐々にイタリア、スペインなどヨーロッパに伝わっていった。(キリスト教における香油の利用については「病者の塗油」(終油の秘蹟)、儀式での香りの利用は「振り香炉」などの記事を参照のこと。)

アラビアの錬金術は、12世紀にはヨーロッパに伝わった。蒸留術はヨーロッパでさらに改良されたようであり、蒸留液が効果的に冷却できるようになった[100]。13世紀になると、貴金属の製造を目的とするものと、パラケルスス(1493年|1494年 - 1541年)に代表される医学的な錬金術に分かれた[15]。医学的な錬金術では、蒸留などの化学操作によって、自然物に含まれる第五精髄(クインタ・エッセンティア(quinta essentia)[※ 7]、第五元素、エーテル)の抽出が目指され[15]、パラケルススは医化学の祖と呼ばれる[112]

こうして蒸留技術は医療面で広く求められるようになり、ルネサンス時代には多くの蒸留書が書かれた。ドイツの外科医ヒエロニムス・ブランシュヴァイク英語版(1450年 - 1512年)[113]『蒸留術の書』(または『蒸留小書』[104]Liber de arte distillandi simplicia et composita、1500年)がよく知られている。この本では、蒸留法や器具、蒸留物の保存法、原料となる植物や蒸留水の効能について説明された。第2版には、精油療法の理論的な背景として、マルシリオ・フィチーノ(1433年 - 1499年)が健康と長命について語った『生について』(De Vita、1489年)ドイツ語訳が収録された[15]。この本は、聖職者や一部の貴族だけが修得したラテン語ではなく、一般の読み書きに使われたドイツ語で書かれており、外科医床屋外科医)や薬剤師、薬種商(薬の材料を扱う商人)など知識層以外の人々にも広く読まれた。(外科医や薬剤師は徒弟に入って修行する一種の職人であり、商人である薬種商と共に知識階級ではなかった。)17世紀初頭まで50版以上出版された[15]

精油は病気の予防や治療に広く使われ、14世紀に繰り返し流行したペストの治療にも用いられた。(ペストは当時のヨーロッパ人口の3分の1から3分の2を死亡させた。)ルネサンス期フランスの医師・占星術師であったノストラダムス(1503年 - 1566年)は、ペスト患者の舌下にバラ精油を含む丸薬を置いて治療を行ったと記録されている[110]

Olitatenのボトルのラベル

蒸留技術の一般化で精油の生産量が増大し、14世紀頃にはヨーロッパ全域でハーブ栽培が一般化した。これにより、中流家庭にも簡単な蒸留器が導入され、自家製の芳香蒸留水などが作られるようになった[114]。15世紀にはいると、イタリアで様々な薬用リキュールがつくられるようになり、1480年には、医学の町として知られるイタリアの都市サレルノで、精油成分を含むリキュールが薬として生産された[115]。ハーブ製品や精油、リキュールが生産され、各地に運ばれ販売された。

幼年教育の祖フリードリヒ・フレーベルの故郷として知られるドイツテューリンゲン地方の森にあるオーベルヴァイスバッハ英語版はハーブ薬、精油・香膏などの香油(ドイツ語:Olitaten、英語:perfumed oils)、チンキ剤、石けんなどのハーブ製品の産地として何世紀にもわたって知られていた[116]。原料となる植物を採取する森のエリアは各家庭に受け継がれ、ハーブ薬を販売するルートも父から息子に受け継がれた。彼らは精油などのハーブ製品をヨーロッパ中に売り歩き、Buckelapotheker (英語:Rucksack Pharmacists、リュックサックの薬屋)と呼ばれた[117]

ポマンダーを身につけたヴェネチアの貴婦人

ペストの薬としても重宝されたリキュールなど良い香りのするアルコール水は、のちに香水として利用されるようになった。ラベンダー水やハンガリー水(ローズマリー水[※ 16])が香水の原型といわれる。中世西ヨーロッパの医学英語版では、病気の原因は瘴気(ミアスマ、悪い空気)であると考えられた。そのため、人々はペストなどの病気を防ぐために、ハーブやスパイスの成分を溶かし込んだ香水を付け、スパイスを焚いて街を消毒し、ポマンダー(香り玉)や香りの強い花束を持ち歩いた。強い匂いが瘴気を防ぐと考えられたため、これらを入手できない貧しい人々は、臭い靴下やタールを塗ったロープなどで代用した[118]。ルネサンス期(14世紀)の蒸留技術の発達で、イタリアでは香水の製造技術は急速に進歩し、地中海沿岸地域のイタリア・フランス南部では、王侯貴族や富裕層の間で香水が流行した[119]。18世紀の終わりには、フランスのグラースが香水の生産地として栄えた。リキュールなど良い香りのするアルコール水(香水)は、外用、内服用として19世紀まで治療に使われていた[120]。1810年にナポレオン条例によってフランス国内で販売される香水の成分を明記することが義務付けられると、製造業者の大半が成分を明らかにすることを嫌ったため、医薬用を除いて国内市場から締め出され、香りを楽しむ香水と衛生の領域に分かれていった[120]

医化学の発展と精油療法の衰退

クマリンの化学構造

19世紀にはいると合成香料が誕生し、徐々に工業生産されるようになった。1876年にウィリアム・パーキンクマリンの合成に成功し、1882年にフランスのウビガン (Houbigant) 社がクマリンを使って香水「フジェール・ロワイヤル 」(Fougere Royale)を発表した。この香水は高く評価され、人工香料による香水の製造が本格的に始まった[121]オットー・ヴァラッハ(1847年 - 1931年。ノーベル化学賞受賞)、アウグスト・ケクレ (1829年 - 1896年)、レオポルト・ルジチカ(1887年 - 1976年、ノーベル化学賞受賞)らの研究で、多くの人工香料を安価に製造できるようになり、高級品であった香水は一般に普及した。

1804年には、ドイツの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュルナー(1783年 - 1841年)によって、初めて阿片から有効成分モルヒネが分離、抽出された。これによって薬用植物の有効成分が化学物質であることがわかり、以降植物から薬効成分だけを抽出する研究が進み、薬剤として用いられるようになった。

こうした化学・近代医学の発展で、天然香料のみを使った自然香水や、精油を用いるヨーロッパの伝統医学(医療錬金術、錬金術的医学)は下火になっていった。

「アロマテラピー」と精油療法の再評価

20世紀初頭、精油を医療に利用し、その薬理作用を科学的に解明しようという試みが始まった。1901年には、イギリスの病院で精油が治療に使われた[16]。イタリアでも、GattiやCajola、Paolo Rovestiなどの医師が精油の抗菌力の研究を行い、フランスでも精油の効能が化学的に研究された[16]

ルネ・モーリス・ガットフォセ

フランス

南フランスのプロヴァンス地方の調香師・香料の研究者であったルネ=モーリス・ガットフォセ(1881年-1950年)は、精油を使った治療に興味を持ち、友人医師らと共に精油の薬理効果の研究を始めた[※ 17]。ガットフォセは精油を使った医療を「アロマテラピー」と命名し、自身の研究や友人医師の報告をまとめ、「アロマテラピー」という造語をタイトルとし、Aromatherapie - les huiles essentielles hormones vegetales (アロマテラピー、芳香療法。1937年)を刊行した[17][122][123][124][125][126][127]。ガットフォセが用いた精油は、調香師だったためテルペンレス加工がされた精油であり[122]、合成香料の使用にも肯定的だった[2]。フランスではモンシェール医学博士や薬剤師セブランジュが精油を活用し、アロマテラピーの発展に貢献した。アロマテラピーは数年の間医師たちに注目され、第一次世界大戦では戦場でティーツリー油やラベンダー油が利用されたが、抗生物質の一般化などで忘れられてしまった[71]

ジャン・バルネ

フランスの医学博士ジャン・バルネフランス語版 (1920年-1995年)は、第二次世界大戦インドシナ戦争に従軍した際に、負傷者に精油を使った医療を実践して功績をあげ、軍籍をはなれた後も民間の病院でアロマテラピーを行った[71]。1964年に『ジャン・バルネ博士の植物=芳香療法』(原題L'Aromatherapie ou Aromatherapie, Traitement des maladies par les essences des plantes、多くの版が存在する)を著し、アロマテラピーを再び有名にした。

現在フランスでは、「アロマテラピスト」を名乗ることができるのは医師のみであり、患者が希望すれば精油を処方する医師も一部存在する[128][80]。精油は保険対象外であるため、アロマテラピーは病院ではほとんど行われていない。精油は薬局で処方箋なしで購入することができ、伝統的な家庭薬として利用されている[128]。フランスのアロマテラピーでは、芳香物質の薬理効果が重視され、香りはほとんど度外視される[129]。香水の本場であるためか、精油がリラックスや香りを楽しむ目的で使われることも少なく、精油を使ったアロママッサージもほとんど行われない[32]。香りを利用した療法としては、精油の香り(芳香)によって精神疾患や神経系疾患を治療するための療法があり、オルファクトテラピー(嗅覚療法)と呼ばれている[32][33]

また、香りの記号学的な機能は、イギリスでは活用されているが、フランスのアロマテラピーには見られない[130]

イギリス

外科医助手で刺鍼術の専門医と結婚したマルグリット・モーリー(本名マルガレーテ・ケーニヒ、オーストリア生まれ、1895年 - 1968年[4])は、フランスのシャバーヌ博士の"Les Grandes Possibilites par les Matieres Odoriferantes " (芳香物質の大きな可能性、1835年)やルネ=モーリス・ガットフォセの『芳香療法』(1937年)といった書籍に影響を受け[131]、アロマテラピーを主に美容方面に活用できる技術、若返り療法[132]として研究した。アロマテラピーを、美容や食事療法を含む健康法として発展させ、インド伝統医学のアーユルヴェーダ、中国の最古の医学書の一つ『黄帝内経』、それらの影響を受けているチベット医学(19世紀にはロシア経由で知られるようになっていた)も取り入れた[132]。シャウマン・ヴェルナーは、「神秘的なアジアに対するアロマセラピストの憧れも、ヒッピーに代表される1960年代の脱社会主義の名残であろう。」と指摘している[132]。モーリーのアロマテラピー・マッサージは、精油を植物油で希釈して行うオイル・マッサージで、バレエ・リュスなどの芸術運動の影響を受け、感覚を通じた陶酔感・充足感を重視した[71]。パリ・スイス・イギリスにクリニックを開いて美容法として顧客にアロマテラピーを施術し、生徒を育成した[133]。美容や健康、アロマテラピーについて『青春という資本[132]』(原題Le Capital "Jeunesse"、1961年。邦題:生命と若さの秘密―マルグリット・モーリーのアロマテラピー)にまとめ、これは後に英訳された評判となった。モーリーの生徒たちは、イギリスなど各地で活躍した。

アロマテラピーは、1960年代に始まる欧米のニューエイジ運動の中で、アーユルヴェーダ東洋医学と共に注目された[134]ヒッピーだったロバート・ティスランドは、『アロマテラピー―〈芳香療法〉の理論と実際』(原題The Art of Aromatherapy、1977年)で、「芳香療法の基本原理」は、「神秘的な生命力、陰・陽、有機食」で、その概念を説明するモットー「自然の法則は健康の法則である。この法則に則して生きるものは病むことが決してない。この法則に従うものは、体のあらゆる部分の平衡を保ち、それにより真の調和を確保する。調和は健康であり、不調和は病気である。」は、アメリカ人のリバイ・ドーリングがイエス・キリストの人生の知られていない17年間をアカシック・レコードを霊視して手記として記したという『宝瓶宮福音書』(アクエリアン・ゴスペル)から取られている[135]。ティスランドは精油の紹介の際、学名、科学的な医学・製薬学のデータと共に、陰・陽と支配星を挙げている[135]。神秘思想を持ったヨーロッパの伝統的な本草学や製薬学からも、多く引用が行われている。この本は、英語ではモーリーの著作の英訳を除けば、初のアロマテラピーの著書で、世界的なアロマテラピーブームの嚆矢となった[136]。ティスランドは1987年にアロマセラピスト養成学校を設立している[136]。1990年代には多くの国でアロマセラピスが登場し、一般向けの入門書が出版されるようになった[136]。ヴェルナーは、アロマセラピストの多くは女性で、アロマテラピー関係の本は、リラクセーション、美容、インテリアが主で、セラピスト自身の宣伝も大きな目的のようであると述べている[136]

ドイツ

ドイツでは自然療法がさかんで、ハイルプラクティカー(自然療法士)という国家資格が存在する[137]。アロマテラピーは自然療法の一環として行われ、方法は精油の吸入が中心である[71]

中近東・西アジア

中近東・西アジアは、アロマテラピー発祥の地の一つであると言える。ユナニ医学が受け継がれる地域では、現在でも精油を使った治療が盛んに実践されている[110]

日本

ポプリ
江戸から昭和中期
ヨーロッパでは精油を使った治療が行われていたため、日本に西洋医学が伝わった際に、解剖学などと共に精油を使った治療法が伝来した。江戸幕府が東インド会社に、ガラス製蒸留装置の輸入や蒸留技術者の派遣を依頼した記録が残っており、蒸留小屋が設置され(場所はおそらく出島と推測されている)、日本人に高度な蒸留技術が伝承された[20]。精油や芳香蒸留水が蘭方(西洋医学)で盛んに用いられ、ハーブや香辛料の情報、精油の効能や利用法が翻訳されて伝えられた[138]。明治時代には、北海道北見ニホンハッカ富良野のラベンダー、から採れる樟脳油など、香料植物を栽培し精油を輸出していたが、合成香料や輸入自由化による海外の廉価品の影響などで、日本の精油生産は廃れてしまった[20]
1970年代から阪神大震災
村岡花子が翻訳した『赤毛のアン』などの児童文学を通して、欧米文化に魅了された熊井明子が、1970年代に日本にポプリを紹介し、徐々に雑誌などに取り上げられるようになった[139]。1980年代初頭、重永忠(現「生活の木」代表取締役)が、毎回ポプリ作りのシーンがある少女マンガを企画し、原作:佐和みずえ、作画:佐藤まり子『あこがれ♥二重唱』が「なかよし」に連載され(1980年10月号から1981年3月号)[140][141]、小学生やその親たちの間でポプリが流行した。また、国鉄のカレンダーやドラマ『北の国から』で富良野のラベンダー畑が紹介され話題になり[139]、これらをきっかけに、ハーブやポプリが日本で広く知られるようになった。アロマテラピーという言葉が紹介されたのは1980年代で、「イギリスからの自然派美容マッサージ」という形で導入された[21]。これに伴い、イギリスのロバート・ティスランド(『アロマテラピー〈芳香療法の理論と実際〉』フレグランスジャーナル社、1985年)やフランスのジャン・バルネ(『ジャン・バルネ博士の植物‐芳香療法』フレグランスジャーナル社、1988年)などの専門書が、高山林太郎の翻訳で出版された[142][143]。1980年代にはリラクセーションビジネスが注目を集め、80年代半ばになると、海外でアロママッサージ(精油を植物油で希釈したマッサージ油を使用した全身マッサージ)などを学んだ者たちが国内で実践を始め[144][145]、アロママッサージを施す女性向けサロンなどが登場した[146]。また、日本にアロマテラピーが広く知られるようになったきっかけとして、1995年の阪神・淡路大震災後にボランティアとしてハンドマッサージなどを行ったアロマテラピー関係者がいたことや、震災後に「癒し」が注目され、アロマテラピーと癒しが結び付けられたことがあるとも言われている[147][148]
現在の潮流と「メディカル・アロマセラピー」
現在の日本のアロマテラピーには、病院で補完・代替医療として行われるもの(医療系、フランス系[※ 6])と、エステサロンやマッサージ店で行われるもの(美容系、イギリス系)がある。精油は雑品として販売され簡単に購入できることから、家庭や職場でも気軽に用いられており、専門家と一般市民の二極化の傾向にある[24]。日本には最初、イギリスで行われていた美容マッサージが導入され、アロマテラピーの医学的な発展は遅れた[149]。美容系のアロマテラピーは、アロマセラピストやエステティシャンによって施術され、アロママッサージが中心である。施術者のほとんどは医療資格を持たないため、その行為は医療とは区別され、心身のリラックスやスキンケアを目的とする。また、アロマテラピーが広く知られるようになり、精油の入手が容易になったため、個人での実践も増えている。近年では国内でも精油への科学的アプローチも以前より進み、補完・代替医療としてアロマテラピーに関心を寄せる医療関係者も以前より増えている[1]。1997年には、臨床医を中心に組織された医療従事者の全国的な研究団体・日本アロマセラピー学会(英:Japanese Society of Aromatherapy、略称:JSA)が設立された[150]。医学中央雑誌の看護分野の原著論文では、1996年までアロマテラピーに関するは論文はなかったが、1997年から論文数が増加し始めた[24]。しかし、漢方などのメジャーな補完・代替医療に比べ研究者や臨床研究は少ない。また日本では 保険診療と保険外診療の併用(混合診療)は原則として禁止されているため、元々保険適用外である出産を含む産婦人科などを除き、医療の現場ではほとんど行われていない[23]。病室の環境改善や作業療法として、また介護の現場や終末医療で利用されることがある[23]
民間での人気と資格ブーム
日本では、精油の香りを楽しんだり、美容法、リラクセーション法としてのアロマテラピーは、民間で広く普及しており、女性を中心に高い人気がある。アロマテラピーの公的な資格は存在しないが、民間団体や個人等が自由に設定でき、独自の審査基準を設けて任意で与える民間資格[※ 18]が多数存在する。趣味やエステ、マッサージの仕事のために、民間の資格を取得する人が増えている。資格を与える最大手の団体・日本アロマ環境協会(理事:宇田川僚一、精油販売業者・生活の木専務取締役)は、5万8千人の個人会員を持ち[151]、資格試験の実施だけで年に4億円近い収益を上げている(平成25年度)[152]。多くのアロマテラピーの民間資格が作られ、資格の授与やセミナーの開催などの資格商法が行われている。教室も増えており、内容は「アロママッサージ」、「アロマを使った手作りコスメ」、「アロマセラピスト育成」など細分化している[153]。科学的に証明されていない効能や、歴史的根拠のない言い伝えを事実として教えるなど、問題視される民間資格、講座もある[154][155][156]
日本薬局方
日本において精油は、薬効・効果が認められたウイキョウ油、オレンジ油ケイヒ油、チョウジ油、テレピン油ハッカ油、ユーカリ油が日本薬局方に収載されており、医薬品として扱われる[157]。これらの精油を含むものは医薬品とみなされるが、含有する濃度が低い場合、化粧品への配合が許されるときがある[158]。日本薬局方に収載されたもの以外で、化粧品の範疇にも入らず医薬品的効能も謳わない精油は、高濃度の芳香成分・薬効成分を含むにもかかわらず雑品扱いであり、販売・輸入に規制は存在しない[159][160]。ただ輸入に関しては、近年危険ドラッグをアロマ商品に偽装した取引の摘発があり、監視が厳しくなっている[160]
精油に対するアレルギー
日本ではアロマブームや精油のマイクロカプセル化技術の確立で、精油が様々な面で多用されており、その結果精油に対するアレルギーが増加している[161]名古屋大学医学部環境皮膚科学講座の杉浦真理子らは、12年間に1000人以上の患者を対象に、化粧品の接触性皮膚炎に関する調査を行った。このパッチテストの陽性率第1位はラベンダー油で、6.57%と突出して多かった[162][163]

注釈

  1. ^ フランス語発音: [aʁɔmateʁapi] アロマテラピ
  2. ^ a b 英語発音: [əˌroʊməˈθerəpi] アロウマラピ
  3. ^ 「アロマ」の語源はギリシャ語の「アローマ」で、芳香植物を意味する。
  4. ^ フランスの「アロマテラピー」とイギリス・アメリカの「アロマセラピー」は本来意味が異なる。日本では同じ意味のことばとして使われることが多く、日本アロマ環境協会や日本アロマセラピー学会などでは、意味の差があるとはしていないが、人によっては使い分ける例もあるようである。本ページでは便宜的に「アロマテラピー」で統一するが、「メディカル」などの英語と組み合わさる場合は「アロマセラピー」と表記している。
  5. ^ 「アロマ」は曖昧な表現であるため香料関係者の間では好まれず、「パーヒューム」(鼻で感じる香り)、「フレーバー」(舌で感じる香り)などの用語が使われる。
  6. ^ a b 精油の医療への利用は各国で研究が行われており、病院で行われるアロマテラピーは、必ずしもフランス系というわけではない。
  7. ^ a b クィンタ・エッセンチアは不老不死の秘薬エリクシルと同一視された。
  8. ^ インド哲学アーユルヴェーダの用語で、物体としての身体(粗大身)に対して、霊魂が宿る非物質的身体を指す。このふたつの身体の連結点がチャクラであると考えられた。
  9. ^ 精油は有機化合物と言われることもあるが、これは昔の化学用語で、現在では有機化合物・無機化合物という分類に意味はない。学問の区分名として使われる。
  10. ^ フウロソウ属のGeranium macrorrhizum の精油もあるが、日本でゼラニウム精油と呼ばれるものの多くはPelargonium graveolens の精油である。
  11. ^ a b c ある抗原に対し、生体をアレルギー反応をおこしうる状態にすること。例えば、ある精油に感作すると、以降その精油や類似の精油、香料等に触れることで、アレルギー反応が起こる可能性が高くなる。
  12. ^ 精油がカプセルなどに密封されている場合を除き、香りがするため感覚療法的な側面もある。
  13. ^ a b 嗅覚刺激だけでなく、肺から微量の精油が吸収され血液にも溶けこむため、薬物療法的な側面もある。
  14. ^ 精油を用いたオイル・マッサージは、医療行為としては「アロマトリートメント」と呼ばれ、民間のアロマ・マッサージと区別される。
  15. ^ 陶器、磁器、ガラスなどの中空容器の中に小さなカップロウソクを灯し、上部に置いた皿に水と精油を入れて熱し、芳香を出す装置。
  16. ^ ローズマリーを酒精と主に蒸留した蒸留酒。ハンガリー王妃エルジェーベトまたは聖エルジェーベトの病気を治すために発明されたという言い伝えにちなんで「ハンガリー王妃の水」と呼ばれたが、ハンガリーが起源である、またはハンガリー王族エルジェーベトのために作られたという歴史的根拠はない。
  17. ^ ガットフォセが精油の薬理効果に注目したきっかけとして、著作から不正確な引用がされ、次のようなエピソードが知られる。「実験中に手に火傷を負い、とっさに手近にあったラベンダー精油に手を浸したところ傷の治りが目ざましく良かったことから、精油の医療方面での利用を研究し始めた。」しかし、ロバート・ティスランドがガットフォセの著作『芳香療法』を編集して出版した『ガットフォセのアロマテラピー』では、1910年7月の火傷を負った事故が精油の治療効果に注目した契機だとは述べられておらず、アロマテラピー業界に流布し民間検定などで事実として教えられるエピソードと著作の内容には齟齬がある。著作では、火傷がガス壊疽に達したと述べられており、事故直後に精油を用いたとも書かれていない。高山林太郎は彼の孫娘による話として、火傷は上半身全体に及ぶ重篤なもので、正規の医療で治療していたが経過が悪く、事故後時間がたってから、民間で火傷に効果があるといわれたラベンダー油を使用したのだと述べている。つまり、ガットフォセは事故をきっかけに偶然ラベンダー精油の薬効を発見したわけではなく、事故前から民間の精油療法に興味を持っており、その知識を利用したのである。ただ、この件は精油の治療効果を研究する契機にはならなかったらしく、本格的に研究を始めたのは1920年代になってからだといわれる。
  18. ^ これらの民間資格は、法令で規定されたものではない。
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