SDS_940とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > SDS_940の意味・解説 

SDS 940

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/12/05 15:23 UTC 版)

SDS 940 は、サイエンティフィック・データ・システムズ英語版 (SDS) の開発したメインフレームSDS 930英語版 の主に集積回路で構築された24ビットCPUをベースとした、タイムシェアリングを直接サポートする設計のマシンである。1966年2月に発表され、4月から出荷された。1960年代Tymshare 拡大の原動力となった。また、スタンフォード研究所の有名な "oN-Line System" (NLS) はこのマシン上に構築された。

1969年、SDSがゼロックスに買収されると、同社はゼロックス・データ・システムズ (XDS) と改称され、マシンも XDS 940 と改称された。

歴史

元となった設計はカリフォルニア大学バークレー校1964年から1965年に行った Project GENIE の一環として生み出したものである。同プロジェクトでは、SDS 930 にメモリ管理および制御ロジックを追加し、ページング方式仮想記憶を実現した。その設計は広くコピーされることになった。SDS 940 は Porject GENIE の設計をそのまま製品化したもので、SDSの従来機種との後方互換性も保持している。

当時の多くのシステムと同様、主記憶として磁気コアメモリを使用しており、容量は16から64キロワードである。1ワードは24ビットで、それにパリティビットが1ビット付属する[1]。二次記憶装置は様々なものがあり、GENIEでは磁気ドラムメモリ、SDSでは固定ヘッド型と浮動ヘッド型の磁気ディスク装置を採用していた。入出力としてはさん孔テープパンチ/リーダ、ラインプリンターリアルタイムクロックなどがある。ブートは、さん孔テープから行う。

ソフトウェア

Project GENIE で開発されたオペレーティングシステムとして Berkeley Timesharing System英語版 がある[1]。1968年8月に発表されたバージョン2.0は "SDS 940 Time-Sharing System" と改称されている[2]。1969年の時点で XDS 940 のソフトウェアシステムは次のもので構成されていた。

このソフトウェアシステムを動作させるための最小構成は次の通りである。

XDSのユーザーグループがソフトウェアをライブラリ化しており、文字列処理システム、SYSPOP(system programmed operator、システムサービスへのアクセスを可能にするもの)、CAL(Conversational Algebraic Language、JOSS英語版の方言)、QED(テキストエディタ)、TAP(Time-sharing Assembly Program、アセンブラの一種)、DDTデバッグツール)などが利用可能だった。

主な使用例

バトラー・ランプソンは総販売台数を約60台と見積もっている[4]。最大の顧客は Tymshare で、同社はこの機種を使い1960年代末にはアメリカで最も有名な商用タイムシェアリングサービス会社となった。1972年の時点で Tymshare だけで23システムが稼働していた[5]サンフランシスコ周辺で活動するカウンターカルチャー団体 Project One が XDS 940 を無料で入手して使っていることが、1972年のローリング・ストーン誌で報じられている[6]。同団体は XDS 940 を使って初期の電子掲示板を提供するコミュニティメモリというプロジェクトを開始した[7]

脚注

外部リンク


「SDS 940」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「SDS_940」の関連用語

SDS_940のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



SDS_940のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSDS 940 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS