ARPANETの始動
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「ARPANET」の記事における「ARPANETの始動」の解説
ARPANETは、次の4カ所のIMPを相互接続する形で始まった。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) - レナード・クラインロックが Network Measurement Center を創設し、SDS Sigma 7 というコンピュータを最初にARPANETに接続した。 スタンフォード研究所の オーグメンテイション研究センター - ダグラス・エンゲルバートが初期の重要なハイパーテキストシステムであるNLSを開発した場所である。ARPANETにはそのNLSが動作した SDS 940(愛称は"Genie")が最初に接続された。 カリフォルニア大学サンタバーバラ校 (UCSB) - Culler-Fried Interactive Mathematics Center のIBM 360/75(OSはOS/MVT)を接続した。 ユタ大学の計算機科学科 - アイバン・サザランドがARPAからこちらに移ってきており、DEC PDP-10(OSはTENEX)を接続した。 発足当初のメンバーには以後のネットワークの歴史や文化に大きな影響を与えることになるジョン・ポステルやヴィント・サーフが含まれていた。 ARPANET上で最初に送信されたメッセージは、UCLAの学生プログラマであるチャーリー・クラインが送ったものである。1969年10月29日午後10:30、UCLAの Boelter Hall 3420号室からのことだった。クラインは同大学のSDS Sigma 7からスタンフォード研究所のSDS 940へとメッセージを送った。その内容は "login:" というテキストだったが、"lo" まで送信したところでシステムがクラッシュした。したがってARPANET初のメッセージは実際には "lo" である。これは1文字ずつ送信元から送信先に対して電話確認を行いながらの送信であった。約1時間後クラッシュから復旧させ、当初のテキストメッセージ全体の送信を成功させた。ARPANETの恒久的リンクが確立したのは1969年11月21日のことで、UCLAとスタンフォード研究所のIMP間のことである。1969年12月5日には、4ノード相互のネットワークが完成した。
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