NASCAR参戦車両とは? わかりやすく解説

NASCAR参戦車両

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 03:50 UTC 版)

フォード・トリノ」の記事における「NASCAR参戦車両」の解説

詳細は「フォード・トリノ・タラデガ」、「 エアロ・ウォーリア」、および「en:Aero Warriors」を参照 第1世代トリノファストバック車のルーフラインは市販車両の状態でも十分空力特性優れており、1968年から1969年掛けてNASCARにおけるスーパースピードウェイ(en:Oval_track_racing#Superspeedways)において支配的な強さ発揮した1969年ダッジトリノ対抗する為にダッジ・チャージャー500(en:Dodge Charger (B-body)#Charger 500)を投入、この車両NASCARオーバルトラック走行する際の空力特性改善特化した特別な設計が行われていた。一方フォード同年中型車ラインナップトリノベースにした特別な高性能車両であるフォード・トリノ・タラデガ追加した。この限定車両はNASCARを走る為だけに特化した設計が行われており、特に空力性能改善重点置かれていた。 トリノ・タラデガは全長を5インチ (127 mm)延長し独自のフロントフェイスが装着された。フォードエンジニアフロントエンド延長すると共にボディ先端向かってテーパー形状を描く事で空気抵抗減少させた。市販車両では大きな凹面持っていたフロントグリルも、フロントフェイスに合わせた平滑形状の物に変更された。ボディ側面下部のロッカーパネルもNASCAR規定合致する範囲でより地面近くなるように5インチ (127 mm)延長された。 トリノ・タラデガはスポーツルーフ車のみがラインナップされ、車体色はウィンブルドン・ホワイト、ロイヤル・マルーン、プレジデンタル・ブルーの3色が用意された。全ての車体色つや消しブラックボンネットと、専用のベルトストライプが貼付された。トリノ・タラデガには標準429 cu in (7.03 L)コブラジェット(ラムエアー無し版)と、C-6型3速AT、staggered配置リアショック(市販車両では4速MT車のみの装備であった)、3.25:1のオープンデフ装備された。また、内装には布・ビニール張りベンチシート用いられ車体コード1969年式コブラ同様にフェアレーン500と同じコード使用された。トリノ・タラデガは車体色以外の一切オプション用意されず、販売台数は僅か743であった。 トリノ・タラデガはNASCARにおいてフォード多く栄光もたらした。これに触発されダッジプリムスは、より急進的な空力設計を持つダッジ・チャージャー・デイトナ(en:Dodge_Charger_Daytona)を1969年シーズン投入、更に巨大なゴールポストリアウイングやノーズコーンを持つプリムス・スーパーバード(en:Plymouth Superbird)を1970年シーズンそれぞれ投入したフォード1970年シーズン中目処により空力特性優れた車両開発目指したが、その間多くフォードチーム空力的に後れを取る1969年型トリノ・タラデガで1970年シーズン戦い続けなければならなかった。 フォードNASCARでの支配的な地位取り戻す為、再びトリノベース特別な高性能車両を製作する事を計画した。その車両1970年式ベース設計1970年モデルイヤー中での市販企画され、名称はフォード・トリノ・キングコブラとされた。トリノ・キングコブラはトリノ・タラデガと同様に空力特性最適化念頭に置いた設計が行われ、1970年式トリノ市販車両とは全く異な外観与えられた。フロントフェイスは先端に行く程鋭く尖った形状となり、ヘッドライトは2灯式が採用されフロントフェンダー先端にシュガースコップ様の窪み埋め込まれるデザインとなった。その外観1969年発売ダットサン・240Z(en:Nissan_S30#240Z)と非常によく似たものとなった。トリノ・キングコブラのフロントグリルフロントバンパー下の巨大な開口部であり、近代的な自動車用いられるボトムブリーザー(en:bottom breather)と同じ概念用いられている。パーキングランプヘッドランプ内側埋め込まれるように配置されボンネット中央部付近のみ黒く塗装された。また、フロントフェンダーからリアクォーターパネルに掛けて、1968-69年式トリノGTと同じサイドストライプ貼付された。フォードは更に空力改善する為にNASCAR参戦チームに対してはヘッドライトカバーも提供する予定であった。 しかし、NASCARホモロゲーション変更行い予選参加必要な市販台数を最低500台から最低3000台にまで引き上げた。これにより、フォードはトリノ・キングコブラの市販計画断念した。トリノ・キングコブラはNASCARでのテスト用とショウルーム展示用を含んだ3台のプロトタイプ製造されたのみであった。1台はBoss 429 マスタングと同じフォード429 Bossエンジン搭載され残りの2台にはそれぞれ429 SCJ429 CJエンジン搭載された。 トリノ・キングコブラの計画断念後、NASCARのエアロカー戦争プリムス・スーパーバード制する事となった。しかし、スーパーバード栄光長くは続かなかった。NASCAR1970年シーズン後台数規定変更続き1971年シーズン前には参戦車両原則として市販車両と同一形状である事を要求する新たなレギュレーション策定し、トリノ・タラデガから始まったエアロ・ウォーリアの時代は完全に幕を下ろす事となる。

※この「NASCAR参戦車両」の解説は、「フォード・トリノ」の解説の一部です。
「NASCAR参戦車両」を含む「フォード・トリノ」の記事については、「フォード・トリノ」の概要を参照ください。

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