アイ‐オー‐イー【IOE】
アイ‐オー‐イー【IoE】
IOE
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/11/08 00:39 UTC 版)
IOE
- インスティチュート・オブ・エデュケーション (Institute of Education, University of London)
- 国際経営者団体連盟 (International Organization of Employers)
- Internet of Everything
- intake/inlet over exhaust(en:IOE engine)
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IOE(Fヘッドエンジン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/16 05:49 UTC 版)
「サイドバルブ」の記事における「IOE(Fヘッドエンジン)」の解説
初期のガソリンエンジンには、吸気弁のみをOHV、排気弁をSVとした折衷的レイアウトも存在した。これをIOE(intake/inlet over exhaust)エンジン(レイアウトから米国などではFヘッドと呼称)と呼ぶ。 極初期のIOEエンジンは、吸気バルブの駆動をカムからの伝達に頼らず、弱く調整したスプリングのみを用いることで、吸気時のピストン下降負圧によりポペットバルブの開閉を行った。この種の設計はガソリンエンジン実用化の1890年代から見られる。負圧吸気IOEはヘッドに複雑な動弁機構が存在せず、サイドの排気バルブの駆動のみで済むという点で、吸排気ともサイドバルブを用いるエンジンよりシンプルで軽量コンパクトになったが、負圧で開閉を行うという受動的な作動では吸気効率や確実性が低く、回転数の向上に対応できないという欠点があり、自動車用としては通常型SVエンジンに早く主役を譲った。もっとも、構造の簡易さから二輪車や農業用エンジンなどではその後も用いられた(例:初期のハーレーダビッドソンやFN Four、右画像など)。 これに代わり1900年代には吸気バルブをもカムとプッシュロッドで開閉する進歩したIOE型エンジンが実用化され、一部の自動車で用いられるようになった。 IOEのメリットとしては吸気と排気がヘッドとブロックで分かれているためSV(Lヘッド)やOHVよりも大きなバルブが使いやすく、SVよりも燃焼室をコンパクトにでき、点火プラグをより理想的な位置に配置、吸気のスワール流などを作りやすいという点などがある。また吸排気がヘッドとブロックで分離している事から吸排気が隣接するターンフローOHVと比較すると吸気温度が排気の影響を受けにくく、吸排気の取り回しが容易であるなどSVとOHVの折衷的な印象以上に相応のメリットは存在した。 一方で排気はサイドバルブと変わらないレイアウトのため、幾分かは改善されるとは言えサイドバルブのデメリットを引きずる形となり、燃焼室形状がサイドバルブ同様に制限を受ける点は変わらず大きなデメリットとなった。 またヘッドにロッカーアームなどの動弁機構が配置される事で全高が高くなるといったサイズ的なデメリットや、それに関連する形で複雑化によるコスト増、整備性の悪化などOHV化における短所と共にSVの短所をいくらか引き摺ったまま持つ形となる。特にヘッドの複雑化による整備性の悪化は、ヘッド構造が簡略であったサイドバルブの利点を大きくスポイルする。 IOEレイアウトはSVエンジンのブロックの排気ポートやバルブトレーンを流用でき、完全なOHV化に比べてヘッド周りの構造が簡素に済む点など、SVエンジンの効率化において採用しやすい機構であった。このため完全なOHV化と比較するとIOE化はより容易であり、現代においても古いSVエンジンをIOE化するキットなども存在する。 もっともSVとOHV両方の短所を抱えるIOEレイアウトを用いるならば吸排気ともにOHV化を踏み切るメーカーも多く、それらメーカーにおいては過渡的存在にとどまり主流の方式とはならなかった。しかし、一時期は特定のメーカーで相応に用いられたレイアウトであった。第二次世界大戦後もローバーが高級車やランドローバーも含む各モデルに搭載し、ランドローバー用の一部は1980年代初頭まで生産された。また1920年代に一時OHVに移行済みだったロールス・ロイスにおいても、第二次大戦直前に原型が設計されたシルヴァーレイス用エンジン(1946年以降市販)からこのレイアウトが使われ、1959年まで作られたシルヴァークラウドIまで使用されたほか、同じ設計でロールス・ロイスからイギリス軍用車両向けエンジンとして供給、オースチン・チャンプ等に搭載されている。日本国内で馴染み深いものとしてはジープに搭載されたハリケーンエンジン(1950〜1971年)があり、三菱にてJH4エンジンとしてライセンスし、製造終了の1973年まで内製化された。 特に前述のローバーIOEエンジンは戦後長期に渡って製造された事からもわかるように、単なるSVとOHVの折衷的設計と言えるようなものではなく、傾斜したシリンダーヘッド、独特な形状のピストントップと燃焼室などを持ち、バルブの配置を含め一般的なFヘッドとは形容しがたいレイアウトとなっている。それらから構成される燃焼室形状はHEMIエンジンなどにみられる半球形(正確には逆半球形)となり、IOEレイアウトにおいて最適化されたエンジンとなっていた。 また特殊な例とはなるがIOEとは逆となる吸気弁がSV、排気弁がOHVというEOI(Exhaust over intake)エンジンも存在した(例:初期のABC Skootamotaや1936/37年のIndian Four)。Indianでは燃料気化の面でメリットがあり実際に出力は高かったが、排気が通るヘッドは高温となり排気弁リンケージの頻繁な調整が必要となった。1938年からはIOEに戻される事になる。
※この「IOE(Fヘッドエンジン)」の解説は、「サイドバルブ」の解説の一部です。
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