908
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 04:54 UTC 版)
新開発のエンジンは2,997cc強制空冷式DOHC2バルブ水平対向8気筒(908型)。ボッシュの機械式燃料噴射システムを採用し、350hp/8,400rpm、32.5kgm/6,600rpmを発生する。カムはギアとチェーンで駆動される。このエンジンは1967年のムジェログランプリで910に載せてテストした2リットルDOHC水平対向6気筒エンジン(916型)から出発しており、従来の、1962年フォーミュラ1エンジンをベースとしシャフトとベベルギアでカム駆動している771/1型水平対向8気筒エンジンとは全く別物であった。 クランクシャフトは9メインベアリングで、クランクピンが90度ずれた2プレーンタイプ(771/1型は180度位相のシングルプレーン)。排気管の取り回しを優先した設計だったが、2次慣性力の振動に起因するオルタネーターの故障に度々悩まされる結果になった。冷却ファンは771/1型ではエンジンの上に水平に置かれていたが、908型では垂直に配置され、クランクシャフト前端からベルト駆動された。 トランスミッションはトルク増加に対応して5速から6速に変更された。クラッチはエンジンとトランスミッションの間からトランスミッション最後尾へと移された(1960年代初頭のフェラーリや1966年のBRMF1に採用例がある)。 シャシは基本的に907の構造を引き継いでいるが、13番目の個体以降はフレームの材質が鋼管からアルミニウム合金へ変更され、20kg軽量化された。タイヤは初期は13インチで、1968年シーズン途中から15インチが投入された。 ボディも907と酷似しており、ノーズのオイルクーラーのエアインテークが識別ポイントだった(907は長方形、908は長円形)。15インチタイヤ装着のため前後フェンダーを広げた結果、907よりも空気抵抗係数が悪化した。テールには左右2枚のフラップを備え、左右それぞれが別個にリアサスペンションと連動して仰角が変化する。1968年に日産・R381も似たコンセプトの2分割リアウィング(エアロスタビライザー)を採用しているが、日産式は左右がクロスして連動する機構である。直線では35度を保ちダウンフォースを発生するが、旋回中に車体がロールすると外側では角度が減りダウンフォースが減少、内側では角度が増えダウンフォースが増加する。これは1968年後半、ワトキンズ・グレンで初めて採用された。ワークスドライバーのヴィック・エルフォードによれば高速コーナーでは効果があるが低速コーナーでは意味がないという。 サルト・サーキットやモンツァ・サーキットなどの高速コースでは空気抵抗の少ないロングテール仕様908LHで出走した。テールの左右に小さな垂直安定板があり、それらを橋渡しするプレートの左右に可変フラップが付いているのが特徴的である。
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