907IE
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 06:16 UTC 版)
3代目となるパゾで、1991年から1992年まで販売された。なお、3代目のみ正式な車種名からパゾの名が消えている。数字も907へ変更されているが実際の排気量は906パゾと同じ904ccである。 この代のパゾでの主な変更点は、ウェーバー・マレリ製の電子制御式燃料噴射の採用と、前後ホイールの17インチ化、そして前後ブレーキシステムの変更である。このうち前後ホイールの17インチ化においては、タイヤは前輪120/70-17に後輪170/60-17を採用し、ホイールベース等の車体寸法の変更や、サスペンションの設定変更などで17インチ化に対応している。前後ブレーキにおいては、前側が300mm径フローティング式ダブルディスクとブレンボ製対向4ピストン式キャリパーの組み合わせへと進化し、後ろ側は従来と同じ対向2ピストン式ながら小型化されたブレンボ製キャリパーに245mm径リジッド式シングルディスクの組み合わせへと小型化されている。また細かい部分では、クラッチレリーズピストンが車体右側クラッチカバーに内蔵された形式から車体左側からプッシュロッドを介して動作する形式へ変更されたり、ドライブチェーン調整機構がエキセントリックカム式から851と同様の一般的な方式に変更されたりしている。これらの変更によって車両重量が215kgと先代から更に10kg増加したが、最大出力は90psとそれほど向上していない。ただし中低速の出力特性が燃料噴射化によって向上しており、車両重量増加分を補っている。 外観上の変更点としては、アッパーカウルの造形の変更が目立つ。これはアッパーカウル上部にNACA型ダクトが設けられ、更にその上端に反り返りを持たせるというもので、乗員の上半身に当たる走行風をやわらげる工夫である。また、カウルや燃料タンクに貼られたロゴからもパゾの名がなくなっているのも変更点といえる。
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