650-W1 / W2 / 650RS-W3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 06:39 UTC 版)
「カワサキ・W」の記事における「650-W1 / W2 / 650RS-W3」の解説
原型は目黒製作所(メグロ)がBSA A7シューティングスターに範をとり製作していたK1(通称スタミナ)という車両であった。メグロがカワサキとの業務提携を経て吸収合併された時点でK1のクランク周りの弱さ(BSAそのままの弱点であった)を改善したK2(497 cc)となる。 その後高速時代に対応させるため624 ccに拡大し1966年(昭和41年)に650-W1として発表された。当時としては最大排気量のオートバイであり、そのエンジンと独特の排気音がもたらす迫力により、人気車種となった。また北米輸出専用として、ツインキャブ仕様のW2SSや、ストリート・スクランブラータイプのW2TTというモデルも生産されている。 今では考えられないことであるが、W2TT初期型にはマフラーのサイレンサー内にバッフルが付いていない。これはエンジンの特性を殺してしまわないための標準仕様であった。国内向けとしてはツインキャブのW2SSが650W1S(スペシャル)として発売、また、W1Sまではメグロ時代の設計を踏襲して右足シフト(踏み込み式)・左足ブレーキであったが、1971年(昭和46年)に発表されたW1SA以降は現在の左足シフト・右足ブレーキに変更されている。 そして1973年(昭和48年)に400RS、750RS(いわゆるZ2)と併せ、3機種でRS(ロードスター)シリーズとして発表された650RS-W3では前輪にデュアルディスクブレーキを採用するなど、車体と電装品を近代化、若干のマイナーチェンジをして翌1974年(昭和49年)にW3Aとなり、これをもって初期のWシリーズは生産終了となった。 このシリーズは当時から型式や機種名からきたニックネームで「W1(ダブワン)」「W1S(スペシャル・エス)」「W1SA(エスエー)」「W3(ダブサン/ダブスリー)」と呼び分けられることが多く、シリーズに共通している英国風デザインの車体、直列2気筒のバーチカルエンジン、そしてシリンダー下にあるメグロの血を受け継ぐ独特な形状のクランクケースにより、多気筒・高性能化が進む当時の国産オートバイの中でも独自の存在感を放ち、カワサキの伝説的オートバイとしてZシリーズ、マッハ(H、S、KH等の2スト3気筒系)シリーズに並び、現在でも愛好家は多い。 一方、カワサキが主要マーケットとした北米地域では発売当時より「BSAの兄弟車」などとデザイン面での評判が芳しくなく、また、特に高速走行時に発生する振動が凄まじく、オイル漏れや各種部品の脱落に関する苦情が絶えなかったことなどにより、販売成績的には後のH1(マッハIII 500)やZ1に比べると見劣りのするものであった。そのため英車のコピーという範疇を出ない。
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