販売成績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 08:06 UTC 版)
「マクドネル・ダグラス MD-11」の記事における「販売成績」の解説
総生産数は200機で、2019年現在は旅客機としての運用は皆無で貨物機として使われているが、貨物機においても主にボーイング777Fに代替され、退役が開始されている。マクドネル・ダグラスがボーイングに吸収された際には「貨物機の需要がある」として生産の継続が検討されていたが、2001年2月に、販売成績が思わしくないことと、貨物型の需要も既に就航している旅客型からの改修で満たせること、ボーイング社の777と競合することなどから200機で生産が中止された。生産開始からわずか10年間しか製造されなかった。 販売成績が伸び悩んだ理由は、いざ飛行試験が始まると空気抵抗が予想以上に大きく、またエンジンの燃費も予想以上に悪かったこと、さらには機体重量が予定を大幅にオーバーしてしまいユーザーとなる航空会社を満足させられなかったこと、ETOPS規制の大幅緩和により飛行ルート選択における双発機に対するアドバンテージが失われたこと、生産が開始される前に、より経済性の高いエアバス社のA330やA340、ボーイング社の777などの開発が開始されたためである。 これらのライバル機材の開発の開始により、大量の発注を行っていたシンガポール航空など複数の航空会社がMD-11の発注をキャンセルしたり、日本航空の様にオプション発注のキャンセルを行った。また就航してからも、日本航空やタイ国際航空、大韓航空やアリタリア航空のように、保有しているMD-11を売却をしてこれらのライバル機を購入したり、保有はするが旅客機ではなく貨物機として運航するということが相次いだ。 マクドネル・ダグラスは当初の設計目標を達成するため、前述のように生産中に様々な改良を行っているが、航空会社からの信頼を大きく失ってしまったのも事実であり、最後まで販売を上向きにすることはできなかった。 現在は、旅客機としての役目を終えた機体の多くが貨物会社に売却されて貨物機に改造され活躍している。旅客機としては不人気でも、胴体の幅が大きく3発エンジンのため貨物搭載量が多いことから貨物機としては使いやすいので、需要が旺盛である。しかし一方では、このことが旅客機としての活躍期間を縮めてしまったという声もある[要出典]。
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