北米地域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:36 UTC 版)
バスケットメーカー文化のプエブロ人がつくった網籠 1世紀〜7世紀(バスケットメーカー文化II期またはIII期) 450年頃-750年頃(バスケットメーカー文化III期) アナサジ文化(古代プエブロ文化)は、現在のアングロアメリカで良質な土器を製作した社会の一つであり、その特徴として装飾の鮮明さがある。アナサジの人びとは初期の段階では網籠づくりの名手として知られ、後世、バスケットメーカー(英語: Basketmaker)と称された。かれらは、バスケット・メーカー文化III期に相当する西暦500年頃から700年頃にかけて土器文化を発展させ、次のプエブロ期において多様な土器を製作するようになった。代表的な遺跡にコロラド州のメサ・ヴェルデやニューメキシコ州のプエブロ・ボニート(英語版)があり、アパート様式ともいわれる集合住宅に住み 、キヴァと呼ばれた竪穴式の祭祀や政治を執り行う建造物を営んだ。土器文様は、白色系の地に黒色のラインで鋸歯・直線・渦巻など幾何学的な文様を施すのが最も一般的で、器形には壺類、鉢類などがある。15世紀以降はクリーム色系の地に赤や黒で文様を施すものなど多彩な土器が製作されるようになった。 なお、19世紀アメリカの人類学者・民族学者フランク・カッシング(英語版)は、1881年頃のこととして「アリゾナにいたプエブロ人は柳の枝などで編んだ水の漏らない籠と焼石を用いて食べものを煮て食べている。その際、平籠の内側に砂質粘土を塗った皿を、火にかけて調理用に使う。この編籠の内側には、乾燥したのち適量の砂をまぜた粘土が平均した厚さに塗られ、まだ軟らかいうちに籠に密着するよう、手の指でしっかり押さえ付ける。乾いたら再び使用できる。火にかけると粘土の内張りは熱によって硬化していき、これを繰り返すといずれは本体の籠から離れてしまうが、そのときは既に完全な土器になっている」という内容のフィールドワークでの観察結果を報告している。これは、長い間、土器の編籠起源説の有力な根拠の一つとなる事例とされてきた。 アナサジ文化の土器類(復元) 870年〜1000年 壺(アリゾナ州、レッド・メサ(英語版)) 875年〜1040年 おたま(ニューメキシコ州、チャコ) 850年〜1150年 ボウル状容器(ニューメキシコ州、チャコ) 900年〜1300年 把手付瓶形土器(コロラド州、マンコス(英語版)) プエブロII期 1100年〜1200年 深皿(アリゾナ州、グランド・キャニオン) 1150年〜1300年 片口付鉢形土器(アリゾナ州、ツサヤン 1175年〜1300年 把手付壺形土器(出土地不明) ミンブレス文化(英語版) 1200年〜1450年 碗形土器(ニューメキシコ州) 1300年〜1400年 碗形土器(アリゾナ州) サラド文化(英語版) 1340年〜1450年 甕形土器 (アリゾナ州、トント(英語版)) ホピ族 1880年頃 甕形土器(アリゾナ州) 1880年〜1890年 壺形土器
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