さんにんのり‐じてんしゃ【三人乗り自転車】
3人乗り自転車
安全性はかなり向上していますが、その分、値段も高くなっています。最低でも6万円前後の価格には子育て中のお母さんたちから「自転車に6万円はかけられない」と悲鳴(?)も…。群馬県前橋市や東京都三鷹市のように、購入費の補助やレンタルを実施する自治体はごくわずかなため、普及には時間がかかりそうです。自転車専用レーンの整備など交通インフラも含めた安全対策も急がれます。
解禁までには紆余曲折がありました。警察庁は当初、3人乗りを禁じ、運転する大人のほかに同乗者は幼児用座席に1人と、自転車の通行規則などをまとめた教則に明記する方針でいました。しかし幼稚園の送迎や買い物などでの3人乗りは、ごく当たり前になっています。日本交通管理技術協会が幼稚園児を持つお母さんら約6500人を対象に実施したアンケートでも「幼児の2人同乗までは認めるべきだ」との回答が4割に達しました。
警察庁は3人乗りが社会に広く定着していることや、少子化対策、女性の社会進出の観点からも、方針を転換せざるをえなくなりました。クルマの使用を減らすことで交通渋滞の緩和も期待できます。このため自転車産業振興協会などの関係団体に、構造、材質、価格の面から3人乗り専用自転車の普及の可能性について検討を要請しました。
ブリヂストンサイクルとヤマハ発動機は専用自転車を発売しています。ブリヂストンの「アンジェリーノ」は電動アシスト機能付きが13万6800円(デラックス)と12万6800円(スタンダード)、電動アシスト機能がない普通型が6万5800円(内装3段シフト)と6万800円(シングル)。年間2万台以上の出荷を見込んでいます。ヤマハは電動アシスト機能付きの「パス ラフィーニ」と「パス リトルモア リチウム」を発売。価格はリトルモアが13万4800円、ラフィーニが12万1800円。2車種合計で年間7000台の販売を目指しています。
普及には自治体の補助やレンタル制度などの呼び水が欠かせないようです。前橋市は3人乗り自転車を購入する家庭に購入費の半分(上限4万円)を助成すると発表しました。クルマの使用を減らすことで交通渋滞の緩和やCO2削減など環境対策の効果を期待しています。適用条件として①申請時に市内に居住していること②保育園や幼稚園の送迎に利用すること③本年度に購入費の助成を受けていないこと―の3つを設けています。こうした普及に前向きな自治体が増えてこないと、メーカーの参入は進まず、量産効果による低価格化に弾みはつきそうにありません。
(掲載日:2009/07/27)
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