E10対応車

植物は成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収します。バイオエタノールは燃やすとCO2が発生しますが、原料となる植物が吸収した分との差し引きで、排出量は実質ゼロとみなされます。バイオエタノールの使用はCO2削減に寄与するということになります。
日本ではガソリンにバイオエタノールを3%まで混ぜることが可能です。これは「E3」と呼ばれ、大阪府などの一部のガソリンスタンドですでに販売されています。バイオエタノールの濃度がより高いE10は計算上、より大きな削減効果が見込めます。
ただ、バイオエタノールを高濃度で混ぜる場合、車両構造上の対策をしていないと燃料配管の腐食などを招く恐れがあります。現在、日本ではE10対応車は販売されておらず、国土交通省が試験自動車として個別に認定を行っています。同省と環境省、経済産業省は「高濃度バイオ燃料実証事業」を進めており、北海道・十勝地域や大阪府、岡山県で日産、トヨタ、三菱自動車のE10対応車が公道走行試験を実施しています。
公道走行試験は2011年度末までを予定。環境省はそれまでに大気汚染防止の観点から窒素酸化物(NOX)や一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)の走行時の排出基準などを定め、E10対応車の市場導入に向けた環境を整えたい考えです。
(掲載日:2009/08/24)
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