ベネット:3つのロマンス
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベネット:3つのロマンス | Three Romances Op.14 | 作曲年: 1837年 出版年: 1837年 初版出版地/出版社: Coventry & Hollier, London |
シューマン:3つのロマンス
シューマン, クララ:3つのロマンス
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューマン, クララ:3つのロマンス | 3 Romanzen Op.21 | 作曲年: 1853年 出版年: 1855or1856年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1曲 イ短調 a moll | 5分00秒 | No Image |
2 | 第2曲 ヘ長調 F dur | 1分30秒 | No Image |
3 | 第3曲 ト短調 g moll | 4分30秒 | No Image |
作品解説
1853年にクララは4曲のロマンスを作曲した。その第1曲、イ短調のロマンスをローベルトに誕生日プレゼントとして送った。そしてのちに第1曲から第3曲を《3つのロマンス》としてまとめ出版し、ブラームスへ献呈した。ピアノ独奏曲では、作品番号を与えられた最後の作品。
3曲を貫く語法的な共通点は見られないけれど、アンダンテ、アレグレット、アジタートと次第にテンポを速めていくため、一種のチクルスと見なすこともできるだろう。
第1曲 イ短調
右手が3度で奏で始めるメロディーは、美しくメそしてクララらしいメランコリックなもの。この静的な部分から、動的なヘ長調の中間部へ。右手の3連符に左手の5連符が組み合わせられるなど、リズム的にやや不安定に感じられる。ここでの3連符は、再びコーダでも鳴り響く。
第2曲 ヘ長調
非常に柔らかく奏することと記された、この3曲中最も短いロマンスは、16分音符と16分休符が一貫した基本モチーフとして表現される。このいくぶんスケルツォ的なリズムと色彩感のある和声が、この曲の魅力だ。
第3曲 ト短調
慌しい16分音符は、まるで無窮動のよう。半音階的にさまよい歩くのは、右手の旋律ばかりでなく、左手の和声的支えも同様だ。この落ち着きのなさは、テンポが遅くなる中間部にも引き継がれる。ここでも半音階の進行に加え、掛留音も効果的で、作品全体を統一のとれたものにしている。
シューマン, クララ:3つのロマンス
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューマン, クララ:3つのロマンス | Trois romances Op.11 | 作曲年: 1839年 出版年: 1840年 初版出版地/出版社: Mechetti |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1曲 変ホ長調 Es dur | 3分00秒 | No Image |
2 | 第2曲 ト短調 g moll | 5分30秒 | No Image |
3 | 第3曲 変イ長調 As dur | 4分30秒 | No Image |
作品解説
第1曲 変ホ長調
おそらく3曲中最後に書かれたと思われるこのロマンスは、わずか49小節と3曲中最も短く、前奏曲的な役割を果たしている。3部形式からなり、Aでは一貫した16分音符の流れるような伴奏形の土台の上に、短いモチーフが繰り返し和声の中から響いてくる。Bでは変ト長調からイ長調、再び変ト長調と半音階的に転調する中、旋律に16分音符が移りさわやかに流れる。
第2曲 ト短調
クララはこのロマンスを「小さな、憂愁をたたえたロマンス」と表現し、またそれに付け加えて「それを作曲している間、私はずっとあなたのことを考えていました」とローベルトに書いた。そして次のような、今この曲を弾こうとする者にとっても有益な、しかし最後には彼女らしい謙遜した言葉とともに楽譜を送った。「あなたはそれをとても自由に―時に情熱的に、そして再び悲しげに―弾かなくてはいけません。私はその曲が大変気に入っています。それをすぐに送り返してください。その欠点を探すのに臆病になることはありません。私のためになることですから。」これに対して、ローベルトは「君の楽想一つ一つは、このぼくの心から発している。実際のところ、ぼくが自分の音楽すべてに関して感謝しなくてはならない相手は君だ。ロマンスで変更すべきところは何もない。この曲は、このままの形でなくてはならない。」と返事した。このロマンスは、ローベルトの《フモレスケ》作品20にインスピレーションを与えたのではないか、と言われている。
3部形式からなり、クララの言葉通りAとA’ではト短調でメランコリックな雰囲気が支配する。Bは平行調の変ロ長調で、情熱的で快活。この二つは対照的である一方、テンポの入念な変わり目(Nach und nach schnellerやTempo wie zu Anfang)、8分音符の刻みというリズム的類似によって、自然に変化している。冒頭のテーマがppの和音とともに回想されるコーダで、あたかも無限に続くかのように次第に消えていく。
第3曲 変イ長調
表情や雰囲気の異なる、いくつかの特徴ある魅力的な楽節がロンド風に構成されている。全体的にはABA’という3部形式だが、Aは7つの楽節からなり、ショパン風の(《バラード第3番》の冒頭の和声とよく似ている)a、ポリフォニー的なb、ワルツ風のc、Animatoと記された付点リズムが生き生きとしたdが a b a’ c d c’ a”と配置されている。バスラインも工夫されていて、a、b、dでは基本的に主音が保続され、Cでは1音ずつ上行する。変ニ長調のBは、その冒頭のモチーフを展開していく。先ほどのcとやや似たワルツ風の伴奏であるものの、1拍目が8分休符であることによって、独特のリズム感を生み出している。A’は、cとdは再現されず、a”’ b a””とかなり簡略化される。
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