19,500トン型DDH
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 13:51 UTC 版)
「海上自衛隊の航空母艦建造構想」の記事における「19,500トン型DDH」の解説
はるな型(43/45DDH)の後継艦としての13,500トン型(16/18DDH)に続き、しらね型(50/51DDH)の後継艦が22中期防(予定)での建造を予定された。ただし第45回衆議院議員総選挙に伴う政権交代で中期防策定が遅延したため、1番艦は単年度の平成22年度予算で建造されることとなった。 2009年8月31日、2010年度予算の概算要求に基準排水量19,500トン、全長248メートル、最大14機のヘリコプターを搭載し5機の同時発着艦、他艦への洋上給油が可能、車輌・人員の輸送力が強化された19,500トン型DDHを配備する方針が発表された。初期の完成予想図には、固定翼機を離陸させるための傾斜構造(スキージャンプ台)が描かれていたが、最終版の設計図ではこの部分は姿を消している。2015年3月25日、1番艦が「いずも」(DDH-183)として就役した。続いて2番艦は2017年3月22日、「かが」(DDH-184)として就役した。 固定翼機運用に関しては、2008年の横浜国際航空宇宙展での講演において海幕防衛部装備体系課長の内嶋修一等海佐(当時)が将来多目的空母でF-35Bを運用する構想に言及しており、講演中に使用された参考図には「輸送能力(艦隊補給)」「脱滑走路(着艦可能)」「艦上整備可能」などと書かれていた。元自衛艦隊司令官の勝山拓元海将は、無改造でもF-35Bの発着艦・格納が可能であるとし、搭載機数としては、SAR用ヘリコプターおよびAEW機を加えて10機プラスアルファ程度と見積もる一方、艦首に大重量のソナーを備えることから、艦のバランスの問題上、スキージャンプ台の後付は困難であるため、戦闘行動半径や搭載量には相当な制約を伴うであろうと指摘している。また軍事ジャーナリスト・社会批評社代表の小西誠が開示請求により入手した防衛省の資料(「STOVL機の運用可能機数」)によれば、防衛省もいずも型でF-35Bを10機程度が運用可能であると見積もっているほか、いずも型は飛行甲板前部に5機、飛行甲板後部に3機の計8機のF-35Bを露天駐機するスペースがあるとしている。 2014年の時点で、防衛省幹部は、STOVL機の搭載について「改修は可能だが、航空機の取得や要員養成など膨大な時間と経費がかかり現実的に不可能」と否定していたが、近年の中国の性急な海洋進出の脅威に対応するために空母化の検討を開始したと報じられた(後述する「F-35B搭載計画」項を参照)。
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