うち【内】
読み方:うち
[名]
㋒ある範囲に含まれるもの。「会員の—から探す」「これも仕事の—」「苦しい—にも張り合いがあった」
㋓外から見えないところ。うら。「—を探ると、問題があるらしい」
㋖ある時間のなか。以内。あいだ。「一瞬の—に消えた」「試合が二日の—に迫る」「若い—に苦労する」
㋐(「家」とも書く)自分が一員として属する家。また、他人の家も含めて、一般に家庭・家族をいう。「—が貧乏で苦労した」「—じゅうで出かける」「よその—」
㋑(「家」とも書く)自分の夫、また、妻。「—に相談してからにします」
㋓手紙の署名で、妻が夫の名に添えて「内」と書き、代筆であることを示す。
3 (「家」とも書く)建物としての家。家屋。「いい—に住んでいる」
4 (「裡」とも書く。「…のうちに」の形で)物事の行われる状況を表す。「暗黙の—に理解しあう」「会は成功の—に終わる」
5 仏教に関すること。仏教以外、特に儒教を「外(そと・ほか)」というのに対していう。
「たまきはる—の限りは平らけく安くもあらむを」〈万・八九七〉
「外(ほか)には仁義礼智信の五常を守りつつ、—にはまた、花鳥風月、詩歌管絃を専らとし」〈謡・経政〉
9 天皇。
[代]一人称の人代名詞。わたし。わたくし。自分。関西地方で、多く女性が用いる。「—は嫌やわ」
[用法] うち・なか——ある仕切りで区切られた空間・平面などを表す場合は、「外は寒かったが、部屋の内(中)には暖かく火が燃えていた」のように、「内」も「中」も同じように使うが、「内」のほうがやや文語的な言い方である。◇ある状態にあることを示す「雨の中を歩く」「忙しい中を無理に頼む」などは「内」に置き換えられない。また「中の指」のように順序の中間を示すときも「内」とはいわない。◇「大勢の応募者の内(中)から選ばれた人」のように「内」「中」は、また、ある範囲を示すこともある。この場合、ある時間の範囲内であることを示す「朝、まだ暗い内に出発した」や、事柄がある範囲に含まれることを示す「苦労するのも勉強の内だ」などでは、「内」を「中」で置き換えることはできない。
[下接句] 足元の明るいうち・蝙蝠(こうもり)も鳥の内・舌の根の乾かぬうち・自慢高慢馬鹿(ばか)の内・腹も身の内・卑下も自慢の内・目の黒いうち・目高も魚(とと)の内・夜目(よめ)遠目(とおめ)笠(かさ)の内
裡
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「裡」の例文・使い方・用例・文例
- 和平交渉がすでに秘密裡に開始されたとのことです。
- 白日夢が彼の脳裡をかすめた.
- 祖母の死去を知り, 子供の頃のさまざまな思い出が脳裡に去来した.
- この事件から中東問題を平和裡(り)に解決しようという気運が醸成された.
- 会は盛会裡に終わった.
- 競争場裡
- 競走場裡に打って出る
- 逐鹿の場裡に打って出る
- 功名場裡に馳謳する
- 弁士は急霰の如き拍手喝采の裡に降壇した
- 盃盤狼藉の裡に酔い倒れた
- 逐鹿場裡に打ってくる
- 弁士は拍手喝采を裡に降壇した
- 彼は貧苦の裡に成人した
- 危険の裡に目的を遂げた
- 彼は一家団欒の裡に在り
- 和気靄々の裡に一同解散した
- 功名場裡に馳駆す
- 功名場裡に馳駆する
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