鳥飼潟の戦いとは? わかりやすく解説

鳥飼潟の戦い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 16:00 UTC 版)

元寇」の記事における「鳥飼潟の戦い」の解説

赤坂の戦い追撃戦 赤坂の戦い敗走した元軍の大勢は、小高い丘である麁原山(そはらやま)がある麁原へと向かい小勢別府(べふ)の塚原逃れた塚原逃れた一部の元軍は、麁原の元軍本隊合流しようと早良郡にある鳥飼潟(とりかいがた) を通って逃れようとしたが、肥後御家人竹崎季長日本軍がそれを追撃した。しかし、竹崎季長は馬が干潟に足を取られ転倒したため、元軍小勢取り逃がしてしまったという。 鳥飼潟の戦い 麁原一帯に陣を布いていた元軍は、銅鑼太鼓早鐘のように打ち鳴らしてひしめき合っていた。これを見て先駆け行おうとする竹崎季長に対して郎党源太資光は「味方続いて参りましょうお待ちになって戦功証人立ててから御合戦なされよ」と諫言したものの、竹崎季長はそれを振り切り「弓箭の道先駆け以って賞とす。ただ駆けよ」と叫んで、元軍に先駆け行った。元軍も麁原から鳥飼潟に向けて前進し鳥飼潟の塩屋の下で竹崎季長主従衝突した竹崎季長主従は、元軍の矢を受けて竹崎季長三井資長若党以下三騎が負傷するなど危機的状況陥ったが、後続肥前御家人白石通泰率い100余騎が到着し、元軍に突撃敢行したため、元軍は麁原山陣地へと引き退いた同じく鳥飼潟に駆け付けた肥前御家人福田兼重の文書によると、早良郡から元軍が上陸したことを受けて早良郡馳せ向かうよう武士らに下知下り早良郡へと馳せ向かった福田兼重ら日本軍は、鳥飼潟で元軍と遭遇して衝突した豊後御家人都甲惟親(とごう これちか)は鳥飼潟の戦いにおいて奮戦。後にその功績により豊後守護大友頼泰から書下与えられた。これら武士団奮戦により、元軍は鳥飼潟において日本軍敗れ同じく早良郡のうちにある百道原 へと敗走した百道原・姪浜戦い 鳥飼潟の戦いで敗れた元軍を追って日本軍百道原まで追撃をかけた。追撃参加した福田兼重は百道原において大勢の元軍の中に馳せ入り、元軍と矢戦となり、鎧の胸板草摺などに三本の矢受けて負傷したという。 『財津氏系譜』によると、この百道原の戦いにおいて、豊後御家人日田永基らが奮戦し百道原の戦いで元軍を破り、さらに百道原の西の姪浜戦い両所1日2度、元軍を大い破ったという。なお、『日田記』によると百道原と姪浜における戦闘は「筑前国早良郡二軍ヲ出シ、姪ノ浜、百路原両処二於テ、一日二度合戦二討勝テ、異賊ヲ斬ル事夥シ」 といった戦況であったまた、武藤系図少弐景資伝では、百道原における矢戦の際に元軍の左副都元帥劉復亨思われる蒙古軍大将が矢で射止められたとしており、中華民国期編纂された『新元史劉復亨伝にも百道原で少弐景資により劉復亨が射倒されたため、元軍は撤退した編者柯劭忞かしょうびん)は述べている。これらの史料から、元側の史料高麗史』の「劉復亨流矢に中(あた)り先に舟に登る」 とは、百道原の戦いにおいての負傷であったとも考えられる。 鳥飼潟の戦いについて この鳥飼潟の戦いには、日本軍総大将少弐景資大友頼泰参加していたものとみられ、この戦闘参加した武士豊後肥前肥後筑後九州各地から武士の参戦確認されることから、鳥飼潟の戦いは日本軍総力挙げた文永の役における一大決戦であったという見解がある。なお、文永の役戦闘で、現存している当時古文書記録があるのは、この鳥飼潟の戦いのみであり、合戦参加した竹崎季長が描かせた『蒙古襲来絵詞』詞四に記載されている赤坂の戦いとこの鳥飼潟の戦いが、文永の役主戦闘だったとみられる

※この「鳥飼潟の戦い」の解説は、「元寇」の解説の一部です。
「鳥飼潟の戦い」を含む「元寇」の記事については、「元寇」の概要を参照ください。

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