魔導物語A・R・S
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『魔導物語A・R・S』(まどうものがたり アース、まどうものがたり エーアールエス)は、1993年12月10日に発売されたPC-9801用ソフト。『1-2-3』同様エピソード構成で、『A・R・S』は、各エピソードの主人公であるアルル(Arle)、ルルー(Rulue)、シェゾ(Schezo)の頭文字を意味する。3人の『1-2-3』以前の物語である。3エピソードとも脱出が目的になっている。 『1-2-3』の脚本を担当した米光は本作以前の時点で既にコンパイルを退社しており、本作の脚本は新たにうゑみぞが担当している。製作者はタイトルの『A・R・S』を「アース」と読むとしていたが、晩期のコンパイルのSS魔導物語プロモーションムービーでは「エー・アール・エス」と呼ばれていた。当初は3人のシナリオ内容が微妙にリンクし、魔導の謎のいくつかを明らかにするつもりだったが、色々な制限のせいで独立シナリオになったという経緯がある。『魔導師ラルバ』、『サムライキング メガスオンZ』、『精霊戦士スプリガン』などコンパイルの他作品からのキャラクターもいくつか登場している。 PC-9801版『1-2-3』のリアルな敵キャラクターが『魔導物語』のイメージに合わないという手紙が多数届いたため、本作よりデフォルメされた可愛いキャラクターに戻された。 アルル編 来春から魔導幼稚園に通うことになる、4歳のアルルは、森の向こうに住んでいる祖母のもとへ、初めて一人で行くことになった。ところが、森の中から現れた不思議な生き物(カーバンクル)を追いかけているうちに、森の奥へと迷い込んでしまう。さらに、アルルは祖母に渡すはずだった薬を紛失してしまう。そして意地悪なモンスターを倒しながら森を脱出する。 ルルー編 16歳のルルーは、バンパイアの有力者・伯爵の屋敷に誘拐され、彼の館に監禁される。伯爵の戦いを挑むも、強大な彼には歯が立たなかった。このとき、彼女のそばにはカーバンクルがいたことから、サタンの介入を招いた。だが、ルルーはサタンに助けられたと受け止め、以後、彼を慕うきっかけとなった。 シェゾ編 14歳の学生であったシェゾは、修学旅行でラーナの遺跡見学をしていると、鏡から自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。その鏡に触れると、シェゾは鏡に吸い込まれてしまい地下迷宮へと落ちてしまった。彼を呼び出したのは、闇の魔導士ルーンロードであり、彼を後継者として見初めていた。シェゾはめんどくささからルーンロードを倒してしまったものの、これがきっかけで彼の中に暗黒の力が目覚める。 『1-2-3』ではミノタウロスを呪文で召喚しているような描写をされていたルルーだったが、本作でのルルーは魔法が一切使えないが似た効果を持つ格闘術の使い手かつ良家のお嬢様という設定になり、以降の作品にも引き継がれた。またアルルとシェゾも、両者では使用する魔法が若干異なる。もっとも、実際には魔法・技の名称が異なるだけで、その効果は(特定の独自技を除き)3人ともほぼ共通である。生命力などの確認は数値やライフゲージではなく、キャラの表情や音楽の変化などから状態を読み取る。 本作では、以前のように「○○が現れた」「倒れた」という安直なメッセージに戻ってしまっている。メッセージに誤字も多い。 2015年3月31日にはWindows対応ソフト『魔導物語 きゅ〜きょく大全 1-2-3&A・R・S』の収録ソフトのひとつとして限定復刻された。詳細は「コレクション作品」の節を参照。
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