馬王堆郭店の発掘書とは? わかりやすく解説

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馬王堆・郭店の発掘書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 03:00 UTC 版)

老子」の記事における「馬王堆・郭店の発掘書」の解説

このような老子道徳経』の成立関わる考古学的発見が、20世紀後半に2件もたらされた。1973年湖南省長沙市漢代紀元前168年造営され馬王3号墓から帛書写本馬王堆帛書)が出土したが、これには二種の『老子道徳経』が含まれていた。さらに1993年今度湖北省荊門市郭店で、戦国時代楚国の墓(郭店一号楚墓)から730竹簡郭店楚簡)が発見された。この中には三種類の『老子道徳経』が含まれていた。いずれも書名記されておらず、また現在に伝わる『老子道徳経』とはそれぞれに差異こそあるが、この発見老子研究貢献する新たな物証となった1973年発見され馬王堆帛書老子道徳経二種は、現在に伝わる『老子道徳経』とほぼ同じ内容ながら、二種共上・下篇の順序逆転し下篇が前上篇後になっている。「甲本」「乙本」という名は、便宜上つけられたものである甲本字体は秦の小篆流れを汲む隷書体であり、乙本は同じ隷書でも漢代字体持っていた。さらに、乙本では「邦」の字がすべて「国」に置き換えられていたのに対し甲本は「邦」を使用している。これは、乙本に前漢劉邦死(紀元前195年)後にこの字を避諱したことが反映され甲本それ以前写本制作されたことを示す。これによって、現本『老子道徳経』は少なくとも前漢高祖時代には現在の形で完成していたと証明される。 さらに郭店一号楚墓は、副葬品特徴分析した結果などから戦国時代中期紀元前300年頃のものと推定された。その中には君主老齢臣下賜る鳩杖があったことから、正式発表は無いが被葬者70歳以上死亡した考えられる。この墓から発見され竹簡16種類あり、さらに『老子道徳経』に相当するものは「甲本」「乙本」「丙本」の3種類に分けられた。この甲・乙・丙本に共通する文章わずかに甲と丙の一部にのみあるが、細かな文言などに差異があった。そして三本合わせて31章にしかならず、現在の老子道徳経81章の .mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄3 にしか相当しない浅野裕一郭店楚簡甲・乙・丙本について、『老子道徳経』に相当する原本存在し被葬者もしくは写本製作者何らかの意図持ってその都度部分的に写し取った三つ竹簡推測した。その根拠三本共通部分がほとんど無い点を挙げ、これらが『老子道徳経』が形成される途上の3過程とは解釈できないとした。その一方で思想内容には整合性があることから、別々の作者とも考えにくいと述べた。さらに、甲・丙本の共通部分現行本第64後半に相当)にある差異は、原本老子道徳経』には写本繰り返す中で既に複数系統分かれたものが存在していたと推定した当時書籍簡単に作成流通できるものではなく郭店一号楚墓被葬者長命な人生の中で機会得て郭店楚簡得た考えられもしそれが若い時分ならばそれだけ原本紀元前300年から数十単位遡り存在したことになる。さらに甲・丙本の差に見られる複数写本系統考慮すれば、その時代はさらに古くなり、『老子道徳経原本戦国前期紀元前403年 - 紀元前343年には成立していた可能性高まり数々論議はかなり絞られてくる。郭店一号楚墓被葬者年齢など科学的分析結果全容公表されていないが、それ如何によっては『老子道徳経成立時期がさらに明らかになる可能性がある。

※この「馬王堆・郭店の発掘書」の解説は、「老子」の解説の一部です。
「馬王堆・郭店の発掘書」を含む「老子」の記事については、「老子」の概要を参照ください。

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