馬瀬川第二発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 04:41 UTC 版)
馬瀬川第二ダムは高さ44.5メートル、長さ263.0メートルであり縦横比でみると横長のダムである。 目的は水力発電であるが、馬瀬川第一・第二発電所の二発電所による発電を行っている。馬瀬川第一発電所は岩屋ダムの直下右岸に地下式として建設され、世界最大級の斜流(デリア)ポンプ水車を設けて最大28万8,000キロワットを発電する、河川の自流水を利用した自流混合式揚水発電所である。下部調整池である第二ダム湖は、第一発電所が五時間連続して揚水発電を行う運転に耐えられるだけの有効貯水容量を持つ。また馬瀬川第二発電所は第二ダムの下流、約100メートル先の右岸に地下式として建設され、ピーク時発電に対応するため常時発電は行わず、電力需要が増大する夏季に最大6万6,000キロワットを発電する。発電された水は延長5.5キロメートルの放水管を通じて飛騨川本流の大船渡ダム湖上流端で放流される。 こうしたトンネルによる飛騨川への放流で起こりうるダム下流の馬瀬川水量減少に対応するため、馬瀬川第二漁業協同組合との補償交渉合意事項として定流放流設備という河川維持放流設備を設置した。これは第二ダム湖の水量が、上流の馬瀬川第一発電所の発電により最大で12.0メートルも水位が変動するため、水位変動に左右されない取水を行う目的で設置された浮きドック式の取水設備である。この定流放流設備により満水・渇水の別なく毎秒0.82立方メートルの水量を放流し、アユ漁などに影響を及ぼさないようにしている。
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