音楽の趣向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 05:11 UTC 版)
ピストルズ以降の音楽活動では、PILでポストパンクの先陣を切って以降、オルタナティヴ・ロック、ポップ、ダンスなど、パンクにとらわれない幅広い音楽性を展開して来た。母親が音楽ファンであり、少年時代から様々な音楽に触れて来ている。 1970年代後半、それまでのイギリス、そして世界のロックシーンを支配していたレッド・ツェッペリン、ピンク・フロイド、ロッド・スチュワート、などは「コーポレート・ロック」「オールド・ウェイブ」「ダイナソー・ロック」とレッテルをはられ、嘲笑された。このころにライドンはレッド・ツェッペリンのボーカル、ロバート・プラントの前にふざけてひざまつき、神の如く拝める仕草をし、プラントに頭を蹴られそうになったことがある。しかしレッド・ツェッペリンそのものの音楽性は好みだといい(主に後期ツェッペリン)、後年になるとプラントの作詞能力を認める発言もしている。特に「カシミールの様な歌詞は俺には書けない」とプラントに告白している。本人曰く「フィジカル・グラフティこそ最高だ!」とのこと。2012年1月のアメリカにおけるトークショーでは同バンドのレコード数枚は素晴らしく、メンバー数名も個人的に知っていて良いやつらだと語っている。 ピンクフロイドについては後年「俺は初期のピンクフロイドが大好きなんだ。勿論、70年代のいくつかの作品も好きだけどな」と語っている。特にシド ・バレットに対する評価は常に好意的なものである。 ジョン・レノンのことは非常に高く評価しており、彼の「労働者階級の英雄」に影響を受けてピストルズの詩作を始めたと明言している。また、ポール・マッカートニーについても「彼の事は好きだ。長年に渡っていい曲を書いてるんだ。ロックの歴史であの位置にいるのは当然さ」と評している。またライドンは、フォーク・シンガーのロイ・ハーパーのファンでもある。クリスチャン・バンドのU2については、「存在すべきじゃないバンド。あいつらの曲には人生経験なんかない」と評している。また「コールドプレイやレディオヘッドにはイライラする。魂がこもってない。無意味にしかみえない。ナイスだがただの戯言だ」と発言している。タワー・レコードのバウンス誌が過去に報道したところでは、ライドンはエンゲルベルト・フンパーディンクのファンでもある。 女性ヴォーカルバンドや女性ミュージシャンが大好きでシンディー・ローパーとは特に仲が良い。PIL時代、96年ピストルズ再結成時を通じてツアーの前座には新人女性ミュージシャン&バンドを起用し、ソニック・ユース、シュガーキューブスやL7などがブレイクを果たしている。PIL時代は開演前のBGMもダイアナ・ロスやマドンナなどを流していた。レディ・ガガを知性に裏付けられた独創性があると讃え(彼女のヒット曲、“Paparazzi” などを例に)、ケイト・ブッシュの声域が非常に高いにもかかわらず「本当に心に響いた」とも褒めている。 レディ・ガガについて「彼女は最高だよ。「パパラッチ」は2009年の傑作の1つだと思っている。彼女は面白くて頭がいい」と評している。マドンナについては「しけててがむしゃらで真面目くさってる。彼女は好きじゃない。面白くないからな」と評している。 表立ってあまり公言はしていないものの、ザ・キンクスのファンであり特にレイ・デイヴィスに対して敬意を表している。「ガキの頃にユー・リアリー・ガット・ミーを聴いて全てが決まった」と語っている。また「PILのあるレコーディング中にアレンジで行き詰まった時、誰かに“キンクスみたいにやったらどうだ?”と言われたんだが“いつの時代のキンクスだよ⁉︎レイ・デイヴィスの作風の幅の広さを分かってないくせに!”って反論したよ」とかなりのマニアぶりを伺わせる発言もある。 グレン・マトロックと共にスウェーデン出身の音楽グループABBAのファンであり、「大好き」と公言している。 パブリック・イメージ・リミテッド結成当初からドイツの音楽グループ、クラフトワークに注目していたようで、ファンである事も明かしている。
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