パブリック・イメージ・リミテッドとは? わかりやすく解説

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パブリック・イメージ・リミテッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 13:12 UTC 版)

パブリック・イメージ・リミテッド
2013年の再結成ライブの様子
基本情報
出身地 イングランド ロンドン
ジャンル
活動期間
レーベル
公式サイト PiL Official
メンバー
旧メンバー #旧メンバーを参照
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パブリック・イメージ・リミテッド (Public Image Ltd) は、ジョン・ライドン1978年に結成したイングランドロックバンドである[6]。略称はPIL

来歴

1978年、ライドンはセックス・ピストルズを脱退してレゲエの本場ジャマイカで3週間の休暇を過ごした後[注釈 1]、レゲエ好きの友人ジャー・ウォブルとザ・クラッシュの元ギタリストのキース・レヴィンに声を掛けてPILを結成した。ドラマーのジム・ウォーカーはオーディションによって雇われた[7]

1978年12月、ファースト・アルバム『パブリック・イメージ』をヴァージンから発表。

1979年11月、セカンド・アルバム『メタル・ボックス』を発表。ドラマーのウォーカーは制作開始時には既に在籍しておらず、ドラムはデービッド・ハンフリー、リチャード・デュダンスキー、ウォブル、レヴィン、マーティン・アトキンスによって演奏された。このアルバムはヒットチャートの上位にランクインし、音楽的なユニークさからも彼等の代表作とされている。発表直後、ウォブルが意見の相違のためバンドを脱退。彼の最初のソロ・アルバムは、『メタル・ボックス』の音源を無断流用したものだった。またアトキンスも一旦解雇となる。

1981年4月、メンバーはアトキンスを呼び戻し、新しいベーシストを迎えることなく、『フラワーズ・オブ・ロマンス』を発表[注釈 2]

長いブランクを挟み、ライドンとレヴィンは『Commercial Zone』を録音。しかしリリース直前に意見の相違によりレヴィンが脱退し、同録音を自主制作盤として発表。PIL(ライドンとアトキンス)はその別バージョンといえる『ジス・イズ・ホワット・ユー・ウォント』(1984年7月)を発表。

その後、PILはライドン中心の流動的なプロジェクトとなり、『ALBUM』(1986年2月)を発表。『HAPPY?』(1987年9月)以降はパーマネントなバンド編成となり、『ザット・ホワット・イズ・ノット』(1992年2月)を最後に活動を休止。2009年12月のイギリス・ミニツアーで活動を再開した。

2012年5月に『ディス・イズ・PiL』を発表。ライドンは20年間リリースが無かったことについて「自分の意志でそうしたわけではない」「レコード会社との契約が邪魔して取りかかれなかった。待ってタイミングを計るしかなかったんだ」と発言している[8]

2022年11月、ライドンのかつての盟友だった創設メンバーのレヴィンが病没[9]

メンバー

現在のメンバー

  • ジョン・ライドン (John Lydon) - ボーカル、その他諸々 (1978年-1992年、2009年- )
  • ブルース・スミス (Bruce Smith) - ドラム、バック・ボーカル (1986年-1990年、2009年- )
  • ルー・エドモンズ (Lu Edmonds) - ギター、サズ(SAZ)※リュート属の撥弦楽器、キーボード、バック・ボーカル (1986年-1988年、2009年- )
  • スコット・ファース (Scott Firth) - ベース、キーボード、バック・ボーカル (2009年- )

旧メンバー

  • キース・レヴィン (Keith Levene) - ギター、キーボード、その他諸々(1978年-1983年) ♰RIP.2022
  • ジャー・ウォブル (Jah Wobble) - ベース(1978年-1980年)
  • ジム・ウォーカー (Jim Walker) - ドラム(1978年)
  • ヴィヴィアン・ジャクソン (Vivian Jackson) – ドラム (1979年)
  • デービッド・ハンフリー (David Humphrey) – ドラム (1979年2月)
  • リチャード・デュダンスキー (Richard Dudanski) – ドラム (1979年4月-9月)
  • カール・バーンズ (Karl Burns) – ドラム (September 1979年)
  • マーティン・アトキンス (Martin Atkins) - ドラム(1979年-1980年、1982年-1985年)
  • スチュ・ニュー (Steve New) – ギター (1980年 2010年没)
  • ケン・ロッキー (Ken Lockie) – キーボード (1982年)
  • ピート・ジョーンズ (Pete Jones) – ベース (1982年-1983年)
  • ジョン・マクゴー (John McGeoch) – ギター (1986年-1992年 2004年没)
  • アラン・ディアス (Allan Dias) – ベース (1986年-1992年)

その他の協力者

  • デイヴ・クロウ (Dave Crowe) - 秘書 (1978年-1981年)
  • ジャネット・リー (Jeannette Lee) - 映像作家 (1979年-1983年)

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

ピストルズ時代のR&Rを拒絶したジャーマンロック的なサウンド。ライドンのボーカル・スタイルも高くいななくようなものに変わっている。
  • 『メタル・ボックス』 - Metal Box (1979年)
45回転LP3枚組が、文字通り金属製のボックスに入った形で発売されたアルバム(映画のフィルムケース、あるいは地雷にも似た円盤状のボックス)。ジャー・ウォブルの地を這うようなベースと、キース・レヴィンのギター、ライドンの声が絡み合う。曲順を変更して通常の33回転LPの2枚組としたレギュラー・バージョン『Second Edition』も出ている。
ベースレス編成になったことで民族音楽に接近、呪術的なドラムサウンド。
  • 『ラブソング』This is not a love song を2テイク、Blue Water、Public Image (78年)の4曲構成のLPサイズ45回転のシングル。このテイクは次のアルバムには収録されなかった。
  • 『ジス・イズ・ホワット・ユー・ウォント』 - This Is What You Want... This Is What You Get (1984年)
『コマーシャル・ゾーン』の曲の再演では大胆にディスコサウンドを取り入れた。
ビル・ラズウェルがプロデュースしたハードなサウンド。坂本龍一スティーヴ・ヴァイジンジャー・ベイカー[10][注釈 4]が参加。
  • 『HAPPY?』 - Happy? (1987年)
マガジンポップ・グループなどの元メンバーが集まったバンド編成となる。サウンド的にはポップ路線。
  • 『9/ナイン』 - 9 (1989年)
前作を引き継いだポップ路線の第2弾。ペット・ショップ・ボーイズニュー・オーダー等のプロデューサーとして知られるステファン・ヘイグがプロデュース。
  • 『ザット・ホワット・イズ・ノット』 - That What Is Not (1992年)
一部メンバーが入れ替わったポップ路線の第3弾。セックス・ピストルズの曲をサンプリングに使っている。
  • 『ディス・イズ・PiL』 - This Is PiL (2012年) ※旧邦題『This is PiL - 伝説をぶっとばせ』
  • 『ホワット・ザ・ワールド・ニーズ・ナウ…』 - What The World Needs Now (2015年)

ライブ・アルバム

パリ公演。観客に向かい、"Shut up!" と冷たく言い放つライドン。初期PILの貴重な記録。
初来日公演を記録したライブ盤。45回転LP2枚組でリリースされた。ドラムのマーティン・アトキンス以外はセッション・ミュージシャンを起用し、演奏は評判が悪かったが、アルバムとしてはヒットした。
  • AliFE (2009年)
  • Live at the Isle of Wight Festival 2011 (2011年)
  • 『ロックパラスト1983』 - Live at Rockpalast 1983 (2012年)
  • Live at O2 Shepherd's Bush Empire (2015年)

コンピレーション・アルバム

  • Commercial Zone (1983年) ※自主制作盤
  • 『グレイテスト・ヒッツ・ソー・ファー』 - The Greatest Hits, So Far (1990年)
初のベスト盤。内容はレヴィン脱退後である後期の曲が中心。
  • Box (1990年) ※ボックス・セット
  • Plastic Box (1999年)
全シングルのAB面と代表曲を集めたボックスセット。
  • Public Image/Second Edition (2003年) ※2in1再発
  • Gold (2012年)
  • 『ザ・パブリック・イメージ・イズ・ロットン(ソングス・フロム・ザ・ハート)』 - The Public Image is Rotten - Songs from the Heart (2018年)

日本公演

  • 1983年 初来日公演・7月1日 中野サンプラザ ※VHS『Live in Japan '83』、DVD『PiL日本’83』として映像化。
6月21日 中野サンプラザ6月24日 名古屋市公会堂6月25日 大阪厚生年金会館6月27日28日7月1日2日 中野サンプラザ7月4日 京都会館7月5日 中野サンプラザ

脚注

注釈

  1. ^ ヴァージン・レコードリチャード・ブランソン社長も同行していたという。
  2. ^ 渋谷陽一がこのアルバムをラジオ番組で紹介した際、「来日したときジョン・ライドンに和太鼓のレコードをプレゼントした。かれはそれを興味深く聴いていたそうで、その影響が感じられる」と語っている。
  3. ^ タイトルは記録媒体によって異なる。LPは『ALBUM』、CDは『コンパクト・ディスク』等。
  4. ^ ラズウェルに招かれて、トニー・ウィリアムスとドラムスを分担した。

出典

  1. ^ a b c d Deming, Mark. Public Image Ltd. | Biography & History - オールミュージック. 2021年6月3日閲覧。
  2. ^ Reynolds, Simon (1996年7月). “Krautrock”. Melody Maker. https://reynoldsretro.blogspot.com/2013/03/krautrock-melody-maker-july-1996-by.html 2021年6月3日閲覧。 
  3. ^ McCormick, Neil (2015年9月10日). “John Lydon: 'Robin Williams was my kindred spirit'”. The Telegraph. ISSN 0307-1235. https://www.telegraph.co.uk/music/artists/john-lydon-interview-robin-williams-influence/ 2021年6月3日閲覧。 
  4. ^ Stokes, Paul (2009年9月7日). “John Lydon revives PiL for winter shows – ticket details”. NME. 2021年6月3日閲覧。
  5. ^ Szemere, Anna (1998). Pop Culture, Politics, and Social Transition. University of California, San Diego. p. 243. https://books.google.com/books?id=S0rwXCPPCRYC 
  6. ^ Public Image Ltd.”. thequietus.com. 2019年3月14日閲覧。
  7. ^ Silvia Pingitore (2020年5月7日). “Interview with post-punk legend Jah Wobble about music, Sid Vicious, star signs, Brexit and everything else you can think of” (英語). the-shortlisted.co.uk. 2022年4月3日閲覧。
  8. ^ PILが20年ぶり新作をリリース! ジョン・ライドン「オーディション番組は音楽をバカにしてる」@niftyミュージック 2012年5月30日
  9. ^ ザ・クラッシュとパブリック・イメージ・リミテッドの創設メンバー、キース・レヴィンが逝去”. Udiscovermusic.jp (2022年11月13日). 2022年11月13日閲覧。
  10. ^ Baker, Ginger; Baker, Ginette (2010). Ginger Baker: Hellraiser. Bonnier Books. p. 234. ISBN 978-1-84454-966-5 

外部リンク


パブリック・イメージ・リミテッド

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黄金の風」の記事における「パブリック・イメージ・リミテッド」の解説

ライフル弾丸棲むスタンドサメのような頭を持った銃弾型で色は青。愛用ライフルから全スタンドパワーを込めて発射することで、通常の銃弾の4倍のスピード軌道上全て貫通する破壊力標的決し外さない精密性を持つ。

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