青森県風張1遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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青森県風張1遺跡出土品

主名称: 青森県風張1遺跡出土品
指定番号 514
枝番 00
指定年月日 1997.06.30(平成9.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、青森県八戸市風張1遺跡出土品一括である。
 風張1遺跡八戸市中心部から南へ四・二キロメートル新井田【にいだ】川の右岸史跡是川【これかわ】遺跡対岸丘陵上に所在する
 遺跡昭和六十三・平元年度に農道改良事業および耕作による遺構破壊事前調査平成二-四年度に老人福祉施設建設事前調査として、四年間にわたり延べ一三〇〇〇平方メートル発掘された。これらの調査によって検出され遺構竪穴住居跡二六五棟、土壙一六三四基、掘立柱建物跡一九棟等で、台地上に環状展開する集落跡のほぼ四分の一調査されたことになる。遺構時期はほとんどが後期後半限定され集落中心部土壙主体とする集団墓が築かれ、それを取り巻くように竪穴住居跡掘立柱建物跡同心円状にめぐる集落構造示している。また、晩期に至ると遺構数は激減する
 本件は本遺跡の特徴をよく示す、縄文時代後期後半土器類一三一箇土偶を含む土製品一七七箇石器石製品三五六箇の一括である。
 土偶一六箇があり、これらの中には合掌土偶」と称される立て膝両手合わせた土偶(高一九・八センチメートル)や、「腕を組む土偶」など、当時の習俗を知るうえで貴重なものが含まれる土製品類は、スタンプ土製品分銅形土製品三一箇と多い反面、鐸形【たくがた】土製品三箇のみで、後者多く出土した青森県大石平【おおいしたい】遺跡対比すると、青森県東部縄文時代後期土製品種類変化がよくわかる。土器全体作りが丁寧で遺存状態のよいものが多い。胴下部に円孔を穿つ壺形・筒形の単孔土器たんこうどき】五箇香炉形土器四箇等を含み造形奇抜器形多様で、続く晩期の亀ケ岡文化創生前夜様相をよく示している。石製品類には石製垂飾【せきせいすいしよく】五箇、玉二八三箇含まれるが、とくに後者はその多く硬玉製で、遺跡中心部に群在す多数土壙のうちの一九基から出土しており、埋葬時、遺体着装されていた装身具考えることができる。
 また本遺跡では、住居跡内から炭化米が出土している。この炭化米は、放射性炭素による年代測定で、本遺跡営まれていた縄文時代後期のものであることが確かめられた。はたして、当時当地水稲栽培が行われていたかは明らかでないが、目下のところ、わが国最古級の実物資料であり、これはその学術性を重視して二粒を附指定とした。
 本件一括は、東北地方後期後半集落遺跡における生活・埋葬生業等の実態をよく示すのみならず、本集落廃絶後、ほどなく近傍形成され是川遺跡の亀ケ岡文化考えるうえで、きわめて貴重な内容をもっている。



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