青海の竹のからかい
名称: | 青海の竹のからかい |
ふりがな: | おうみのたけのからかい |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | 青海竹のからかい保存会 |
指定年月日: | 1987.12.28(昭和62.12.28) |
都道府県(列記): | 新潟県 |
市区町村(列記): | 糸魚川市青海 |
代表都道府県: | 新潟県 |
備考: | 1月15日 |
解説文: | 青海の竹のからかいは、現地における小正月行事の総称である。 行事の準備は、年末に行うタケミ(竹見)に始まり、翌年一月七日には正月に使用した門松集め(松取り)、同十日以降に行う竹伐りと事前の諸準備が町内を二分して、門松集めは子供達の役割で、その他の諸準備は若者衆が主体となり行う。 この行事の当日、まずは東西各ジンヤ(陣屋。決まりの行事宿)前の路上にカザリタケ(飾り竹)を立てる。長さ約十メートルの葉付きの青竹にオンベロ(八幡幣)、扇、注連【しめ】縄、御神酒、樽等を取り付けて飾る。昼過ぎになると、イサミタケ(イサメタケ)と称して、東西から各々若者衆達が青竹を担いで東西の境界とされる路上地点近くで向かい合い、青竹を立てて気勢をあげ、互いに相手方に悪口をとばしからかい合う。このような状態を数回繰り返した後、頃合いを見計らって、東西の若者衆達がジンヤに用意しておいたアワセダケ(合せ竹)を担いできて、先程の路上地点で対峙し、担いできたアワセダケの根の方を相手方の前へ差し出し、二本の竹が交錯したところを抱きかかえるようにして引き合う。場所を変えることなく三度引き合いを繰り返す(竹の引き合い。相手を自分の陣地に引き込んだ方がその年、豊年・豊漁が約束されると伝えられている)。その後、アワセダケ等を担いで東西に分かれて近くの磯浜に出て、各々の地区の若者衆頭の指図に従い、山と積まれた門松にイサミタケ・アワセダケなどをとりまとめてから点火する(地元ではサギチョウヤキと称している)。燃えさかる際には、一同は手を叩き「チョウチョウサギノチョウ」の唄を繰り返して囃したてる。 この行事は、歳神の来臨を仰ぎ、その神前において豊作・豊漁の年占を行うとともに、火祭りを通じて新年の再生を願う等、民衆の抱く心意気が顕著に現われている。特に、アワセダケを引き合うことは、この地方だけの類稀なことで、年齢に応じた行事の役割分担のあり方などと相まって、我が国民の生活文化の特色を示す正月行事の典型例として重要なものである。 |
- 青海の竹のからかいのページへのリンク