電車制御の電子化とは? わかりやすく解説

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電車制御の電子化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 15:22 UTC 版)

日本の鉄道史」の記事における「電車制御の電子化」の解説

電車電気機関車誕生以来動力として「直流電動機」を使用し、その制御には複数電動機多数抵抗器繋ぎ変えて電動機流れ電流制御する抵抗制御」という方式採用していた。直流電動機荷重変化回転数変化対す許容幅が広く電動車適した電動機であるが、重要部品である電機子回転により物理的に磨耗するため定期的に清掃部品交換等のメンテナンスが必要であることが難点。また抵抗制御カム軸により電気接点オン・オフするため経時劣化避けられ定期メンテナンスを必要とする上に抵抗器による電気ロス避けられない1968年営団地下鉄試作された6000系電車は、抵抗制御をやめて電動機流れ電流半導体素子働きにより無接点電子的に制御するサイリスタチョッパ方式採用し運行コストメンテナンス性改善した。このサイリスタチョッパ大別して主電動機直巻電動機使用しつつ、電動機電機子流れ電流スイッチングする電機子チョッパ制御と、複巻電動機の分巻界磁流れ電流スイッチングする界磁チョッパ制御分巻電動機電機子と他励界磁を共に高周波スイッチングする4象限チョッパ制御3種存在し、前2者が先行した界磁チョッパ高速電車への回生ブレーキ機能付加適して東急京王近鉄阪急等の大手私鉄各社1970年代以降大量採用され電機子チョッパ中・低速域での高加減速繰り返し主回路から抵抗器追放できることによるトンネル内の温度上昇抑制省エネルギー大きなメリットとなる各都市地下鉄電車1970年代前半以降標準的採用され同じく加減速運用充当され阪神の「青胴車」と呼ばれる各停電車にも改造および新造導入されそれぞれ省エネルギー大きな威力発揮したまた、これらを統合した4象限チョッパ営団地下鉄や一部の新交通システム採用され、続くVVVF制御への橋渡しとなった電車駆動システム本格的な電子化は、電動機に「かご形三相誘導電動機」を使用し、「可変電圧可変周波数制御」(Variable Voltage Variable Frequency:VVVF)方式電動機を動かすことにより達成された。この電動機回転速度入力される交流電流周波数比例し出力電圧によって制御できる。また電機子のような磨耗部品が無いためメンテナンス大幅に軽減できるという利点がある。「可変電圧可変周波数制御方式とは、大容量インバータにより適切な周波数適切な電圧交流電気発生させて電動機を動かす方式で、電力ロス少ない上に物理的な電気接点持たないためメンテナンス少なくて済むという特徴がある。 この方式を日本最初に採用したのは電気容量少なく軌道回路存在しないために誘導障害問題となりにくい路面電車で、1982年熊本市電8200形である。本格的な電車採用されたのは1984年近鉄1250系であり、これは世界最初大型電車への採用となった最初車両試作車的な存在であり量産1987年から始まった1990年代に入るとJR東日本とJR西日本VVVFインバーター制御による通勤電車試作量産始まった新幹線では、1990年試作車完成し1992年から営業運転入った「のぞみ」用の300系電車VVVFインバーター制御採用して軽量化高速化達成した在来線特急JR西日本681系電車スーパー雷鳥」が1992年から営業運転始めている。その後新たに設計される電車電気機関車大半VVVFインバーター制御採用することになった

※この「電車制御の電子化」の解説は、「日本の鉄道史」の解説の一部です。
「電車制御の電子化」を含む「日本の鉄道史」の記事については、「日本の鉄道史」の概要を参照ください。

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