開港・市営時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 23:15 UTC 版)
「関西三空港の経緯と現状#神戸空港」も参照 開港時の便数は、日本航空 (JAL)と全日本空輸 (ANA)がそれぞれ1日10便、スカイマーク (SKY)が1日7便。いずれの航空会社も東京/羽田便が中心になり、SKYの全7便と、JALとANAがそれぞれ2往復で、東京/羽田線は3社計11往復。その他の就航先は札幌/新千歳(3便)、仙台(2便)、新潟(2便)、熊本(1便)、鹿児島(4便)、沖縄/那覇(4便)であり、合計27便で開港した(カッコ内は開港時の設定便数)。しかし、開港前の2005年11月14日に開催された「関西3空港懇談会」で、当時集客・利用促進が課題となっていた関西国際空港に配慮した運用規制が設けられ、発着回数は1日あたり60便(30往復)まで、国際定期便・チャーター便(オウンユースを除く)の運航禁止、運用時間15時間(7時から22時まで)と規制され、海上空港としての機能を活かしきれない状態での出発となった。2006年度の平均搭乗率は60.4%であり、初年度に利用者数の少ない便に関しては、各社撤退や減便を行った。一方で、観光客利用の多い北海道や沖縄への便、ビジネス利用の多い東京(羽田)便に関しては、増便の傾向にあった。また、期待されていたプライベートジェットに関しては、開港時はわずか4機に留まった。 2006年9月28日より『国際ビジネスジェット』が就航したため、税関や入国管理・検疫などを扱う出入国審査室が旅客ターミナルビル1階に設けられた。当初はビジネスジェット到着時に関係職員が臨時的に対応しており、利用申請の締切が2週間前(入国時)までと早く、時間も平日の9時 - 17時のみの対応と限られるなど不便な要素が多かった。当初は植物検疫ができなかったため、機内の生ゴミが捨てられなかったが、2012年4月の植物防疫法施行規則の改正によって、徳島飛行場(徳島空港)とともに「携帯する植物については」輸入可能な海港・空港に指定されたことにより、その状況については問題が解消している。 関西3空港のひとつである神戸空港は関西政界に大きく影響を与えており、各方面で様々な議論が行われている。かつては大阪の政財界には神戸空港不要論があり、南海電気鉄道会長である山中諄関西経済同友会代表幹事は、2009年10月22日の記者会見で「関空の機能強化を目指すなら、神戸を廃止し、伊丹の(主要)機能を関空に移転するのがベターではないか」と述べた。また「神戸空港廃止後は、政府の危機管理向けやヘリポートなどの代替機能を担うべきだ」との見解を示した。また、井戸敏三兵庫県知事、矢田立郎神戸市長(当時)の二人が神戸空港、関西国際空港、大阪国際空港の共存を主張するのに対し、かつては橋下徹大阪府知事(当時)が大阪国際空港の廃港を持論としており、2010年1月27日には神戸空港について「結果から見れば失策」と述べ、伊丹を廃止すればその分、関西、神戸両空港に路線が集まると主張していた。
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