長野県藤内遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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長野県藤内遺跡出土品

主名称: 長野県藤内遺跡出土品
指定番号 546
枝番 00
指定年月日 2002.06.26(平成14.06.26)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、藤内遺跡から出土した縄文時代中期出土資料一括である。
 藤内遺跡は、長野県諏訪郡富士見町藤内所在する集落遺跡である。この地は八ヶ岳南西麓、切掛【きりかけ】川の西方長く延び台地で、標高九六〇-九六メートルをはかる。調査昭和二十八・二十九年の宮坂英弌【みやさかふさかず】による学術調査手始めに、昭和三十七・五十九六十三年、および平成元年開墾農道建設先立つ調査と多次にわたり、三三〇〇平方メートル上の調査地内から竪穴住居跡二九棟、土坑【どこう】三三五基以上が検出されている。本件このうち昭和三十七年調査検出された「藤内特殊遺構」(集落中央部土坑墓群【どこうぼぐん】)および、五十九年の調査検出され第三二号住居跡出土品一括である。
 本件は、土器・土製品四八点と、石器一五一点構成されるこのうち土器は、完形に復元され深鉢形土器三二点を中心に浅鉢形土器五点、有孔鍔付【ゆうこうつばつき土器六点、小形土器六点で構成される。とくに注目されるものとして、逆三角形胴部表現し土器抱きかかえるように四肢伸ばした人体文を側面につくり出した筒形の深鉢形土器や、踊るような四肢表現をもち、楕円形の胴体に丸い頭を乗せた人体文が半肉彫り描かれ大型有孔鍔付土器がある。
 これらは、藤内土器典型一つであるが、その一部土偶表現取り入れながら、土偶とは別の独自な文様構成をとる点で、きわめて類例希な優品である。土製品後頭部結髪蛇体【じやたい】装飾のように見え個体があるが、土偶存在はこの一点のみで、同時期の他遺跡の例に比べて非常に少なく土器見られる人体装飾多彩さ好対照をなしている。
 また、石器特徴づけるのは、五三点もの粗製打製石斧【だせいせきふ】である。これらは、粘板岩ねんばんがん】や砂岩【さがん】等を素材とする脆弱なもので、これは石匙【せきひ】や横刃形【よこばがた】石器にも共通するまた、磨石【すりいし】・敲石たたきいし】・凹石くぼみいし】は互い機能共有する個体多く、これらは打製石斧や横刃形石器とともに比較的初源的な雑穀根菜こんさい】などの管理栽培関わる道具として位置づけられる可能性もある。
 以上本件は、中部高地における縄文時代中期造形上の到達点を示す多彩な土器群を主とし、それに当時生業活動特質復元する欠かせない各種石器加わった一括であり、その内容には学術的に高いものがある。



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