金融危機の拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/02 16:54 UTC 版)
反乱に繋がっていった金融状況には、特にヨーロッパの戦争投資家が金と銀による返済を求めたという問題があった。マサチューセッツを含む国内には十分な正金(金銀)がなく負債が払えなかった。また国全体で富裕な都会の事業家が田舎の小自作農から取れるだけのものを取り上げようとしていた。小自作農は債権者が要求する金を持ってはおらず、その家屋を含めて何もかも没収された。 不当な扱いをされた大衆、農夫、耕作人が集められた集会では、事態を次のように要約した。 私は大いに虐待されており、戦争で働いた以上のことをするよう強制されている。階級の相場で、町の相場で、植民地の相場で、大陸の相場でそして全ての相場で負担を負わされており、...保安官、巡査および収税官にしょっ引かれ、私の牛はその価値以下で売られた...偉大な人々は我々が持っている全てを取ろうとしており、私は今立ち上がってそれを止める時だと考える、裁判所はもう要らない、保安官も収税官も弁護士も要らない。 ボストンのマサチューセッツ邦議会に嘆願することが決められた。 大陸軍の退役兵も徴兵されていたために不当な扱いをされており、その生活のために負債を返すとすれば無給で戦う必要があり、また除隊時に債務者刑務所に収容されることを含めまともな扱いをうけていなかったために、隣人である囲い込まれた農夫を押収を止めさせるための分隊や中隊に編成することを始めた。ウェストスプリングフィールドの退役兵ルーク・デイはマサチューセッツ邦議会が招集されるまで、押収のための審問を延期するよう判事に求めた。マサチューセッツ邦全体で、新しく編成された農夫や退役兵が裁判所の敷居で民兵隊と向かい合った。しかし、農夫や退役兵が民兵であることもあり、民兵隊の大半は退役兵や農夫の側に味方することが多かった。 ボストンの特権階級層はこの反抗に屈辱を感じた。マサチューセッツ邦知事のジェイムズ・ボーディンは「侮辱された政府の権威を守る」よう議会に指示した。サミュエル・アダムズは外国人(イギリスのスパイ)が大衆の間に反逆を扇動していると主張し、騒擾取締令の起草を助け、また人身保護令を停止する決議案を書いた。アダムズは新しい法の違いを提案した。共和国における反乱は専制政治の下でのものとは異なり、処刑をもって罰すべしと。 シェイズに革命者としての立場を採らせたものは、9月19日にマサチューセッツ邦最高裁判所が反乱の指導者11人を「乱暴で、暴動を起こし、治安妨害を行う者」として告発したことだった。この告発で激怒したシェイズは、戦争の退役兵が大半の武装農夫700人を率いてスプリングフィールドに向かった。彼らが進むにつれてその隊列が増えて行き、民兵隊のある者も田園部からの増援と共に加わった。判事達はまず1日審問を延期し、続いて法廷を休会にした。この時点で、ボストンで開催されていた議会はジェイムズ・ボーディン知事から「侮辱された政府の権威を守る」よう告げられた。サミュエル・アダムズは、当局が裁判なしで人々を投獄することを認める為に騒擾取締令の起草を助け、また人身保護令を一時的に停止する決議案を起草させた。議会は気が動転している農夫達に幾らかの譲歩案を作る動議も行い、特定の古い税金は金の代わりに物品でも払えるようにすべきと言った。しかし、このことは農夫と民兵隊との対立を増長する結果になっただけだった。
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