金融危機による業績悪化と救済合併
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 23:34 UTC 版)
「ワコビア」の記事における「金融危機による業績悪化と救済合併」の解説
2008年9月にアメリカで生じた金融危機はワコビアの急激な株価下落をもたらし、一時は同じく損失の拡大していたモルガン・スタンレーとの合併の可能性も報道されたが、同月29日、アメリカ連邦預金保険公社(FDIC)はシティグループが銀行事業を21億ドル(約2200億円)で買収することを発表した。この買収にはワコビアが保有している資産の損失が一定額を超えた場合には損失補てんが受けられる条項が入っている。これにより新銀行の資産は2兆9000億ドル(約307兆円)にのぼり、世界最大級になるはずだったが、経営不安を払拭するには至らず、10月3日に今度は米銀準大手のウェルズ・ファーゴがワコビアの株式を約151億ドル(約1兆6000億円)で取得すると発表(政府支援はなし)。同時に、シティグループによる合併をワコビア側が一方的に撤回することとなった。 買収合意を反故にされたシティグループはワコビアとウェルズ・ファーゴの両者を相手取り法廷闘争に持ち込んでいたが、金融危機のさなか訴訟の長期化を避けたい米連邦準備制度理事会(FRB)が仲裁に乗り出したこともあり、10月9日、シティグループはワコビアの銀行部門を断念するに至った。ただし、シティグループは両行に対し合計600億ドル(約5兆9000億円)の損害賠償を求めた訴訟は継続する。
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