金融危機と店頭デリバティブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 15:59 UTC 版)
「店頭デリバティブ」の記事における「金融危機と店頭デリバティブ」の解説
2007年からの世界的な金融危機とそれに伴うリーマン・ショックは当局による監視が不十分な店頭デリバティブ取引の危険性を顕在化させた。2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻などにより、金融機関同士で取引される店頭デリバティブ取引におけるカウンターパーティーリスクが顕在化した。そこで大きな問題となったのが店頭デリバティブの不透明性で、店頭デリバティブは相対取引であることから当局もその全体像が把握できず、世界中で信用不安が加速した。特にやり玉として挙がったのがクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で、大量のCDSを保有していたAIGが経営危機に陥ると、AIG破綻による信用不安の一層の激化を防ぐためにFRBはAIGの救済を行った。このようにして監視されない店頭デリバティブ取引の拡大がもたらすシステミック・リスクの増大効果が世界で広く認識されるようになった。
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