かるら【×迦▽楼羅】
迦楼羅
迦楼羅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/25 16:15 UTC 版)

迦楼羅(かるら)は、インド神話のガルダを前身とする、仏教の護法善神[1]。八部衆及び二十八部衆の一員とされる[1]。「迦楼羅」の音写はパーリ語に由来する。迦楼羅天とも呼ばれ[2][3][4]、現図胎蔵界曼荼羅図中の像を『諸尊不同記』ではそれぞれ迦楼羅王、迦楼羅女と呼んでいる[5]。食吐悲苦声(じきとひくしょう)と漢訳される[1]。別名、金翅鳥(こんじちょう)というが、これはガルダが金の翅や頭を持つ所からインド神話に登場する鳥「スパルナ 蘇鉢剌尼(そはらに)」と同一視されたため生まれた漢訳語である[5]。
金色の翼を広げると336万里にも達するとされる[5]。一般的には、鳥頭人身の二臂と四臂があり[5]、小龍を踏みつけている姿の像容もある[4]。鳥頭人身有翼で、篳篥を吹く姿もある[5]。法螺貝を吹く姿もあり、三十三間堂の像は横笛を吹く姿に造られている[5]。
また、那羅延天や五大虚空蔵菩薩の中の業用虚空蔵菩薩は迦楼羅を台座とした迦楼羅座に乗っている[5]。迦楼羅の前身のガルダはヴィシュヌ神(那羅延天の前身)の乗り物であった[4]。
迦楼羅は雲を呼び雨を降らす龍を常食とすることから、風雨を止め、雷を避ける力があるとされ、妖災、龍蛇の毒、怪病を除き、延命の功徳があると説かれる[5]。龍を本尊とする請雨法に対して、止雨法(迦楼羅法)の本尊とされる[4]。
不動明王の背後の炎は迦楼羅が羽を広げた姿に似ていることから「迦楼羅焰」(かるらえん)と呼ばれる[5]。
また、密教においては梵天、毘紐天(那羅延天)、大自在天が衆生を救うために迦楼羅の姿を借りて現れるとも、文殊菩薩の化身であるとも説かれる[5]。
ギャラリー
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迦楼羅王(仏像図彙)
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説法する迦楼羅(背後には観音菩薩)
種子・真言
三昧耶形で表される場合は楽器(縦笛、法螺貝)で[6]、種子(種子字)は「ガ」である[4]。印契は金翅鳥(迦楼羅通光)印[4][注 1]及び迦楼羅印[6][注 2]。
脚注
注釈
出典
関連項目
迦楼羅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/30 05:17 UTC 版)
迦楼羅(迦楼羅天)の起源は古代インドの鳥神(ガルーダ)で、ヴィシュヌ神の乗物とされる。仏教に取り入れられて護法神となり、八部衆の一員となった。
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