調停の試みとは? わかりやすく解説

調停の試み

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 04:51 UTC 版)

フォークランド紛争」の記事における「調停の試み」の解説

これと並行してアメリカアレクサンダー・ヘイグ国務長官イギリスフランシス・ピム外相シャトル外交により、事態の打開模索された。アメリカにとって、反共という立場では共通するイギリスアルゼンチン対立続けることは望ましくなかったこともあり、積極的に調停試みたヘイグ国務長官基本的な構想は、まずアルゼンチン撤兵し、それを確認してイギリス任務部隊派遣をやめるというものであった4月12日にはロンドン訪れて、この構想に基づく提案提示したイギリス一時はその案の受諾方向進んでいたが、アルゼンチン主権移譲主張して譲らず、ヘイグ愕然とさせた。 イギリス側諸島統治島民意思尊重する立場であったのに対しアルゼンチン側の言い分は、同諸島での現地統治および参政権アルゼンチン島民にも与えるとした。また、排他海域設定イギリス軍の進軍停止撤退なども協定案としてやり取りがあったものの、イギリスの軍事力フォークランド及ばないよう定め文言が、4月24日アルゼンチン案に含まれていたことから、イギリス側アルゼンチン撤退絶望的考え、さらに外交交渉時間稼ぎのために使われていることを懸念したヘイグ長官はなおも調停試みたものの、4月25日サウスジョージア島奪還受けて27日にはアルゼンチン軍評議会ヘイグ調停案を拒絶する決定下し2日後ヘイグそのこと伝えたヘイグは、もし戦闘勃発すればアメリカイギリス支持することを表明した戦争中イギリス政府諸外国政府は、外交的に戦争落としどころ探っていた。ヘイグ国務長官イギリスアルゼンチン双方に対して48時間以内即時停戦フォークランド諸島からの撤退求めていた。またペルー政府仲介役に積極的であり、即時停戦部隊の撤収第三国によるフォークランド諸島一時的な統治確立などの調停案を持ちかけていた。しかしこのときにイギリス原子力潜水艦コンカラー」によってアルゼンチン巡洋艦ヘネラル・ベルグラーノ」が撃沈され、またイギリス駆逐艦シェフィールド」にエグゾセ命中させたことで、アルゼンチン態度硬化させており、ペルーアメリカ仲裁には関心持たず国際連合の場でイギリス国際的な圧力をかけて譲歩引き出そうとしていた。 アメリカにとっては、米英関係同時にラテン・アメリカ諸国との関係良好に保つ必要があった。そしてチリを除くラテンアメリカ諸国にとっては、アルゼンチン完敗して再び政変生じることは望ましくなかった。5月31日レーガン大統領ブラジルの大統領協議したのち、サッチャー首相電話してヘイグ国務長官即時停戦案を受け入れるよう提案したが、イギリスグース・グリーンの戦い勝利を収めた直後であり、到底受け入れられるものではなかった。サッチャー首相は猛抗議ししまいにはレーガンが「自分でも余計な指図をしたことはわかっているが…」と折れ有様であった6月2日には、今度国際連合安保理の場においてスペインパナマが独自の即時停戦案を提出したサッチャー首相折からのヴェルサイユ・サミットで各国首脳への根回し行っていたが、日本鈴木善幸首相だけは問題平和的解決拘って即時停戦案への賛成表明しており、サッチャー首相激高させた。そして2日後安保理では、日本とソ連を含む9か国が停戦案に賛成したため、イギリス拒否権発動して停戦案を封じ込めざるを得なかった。

※この「調停の試み」の解説は、「フォークランド紛争」の解説の一部です。
「調停の試み」を含む「フォークランド紛争」の記事については、「フォークランド紛争」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「調停の試み」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「調停の試み」の関連用語

調停の試みのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



調停の試みのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのフォークランド紛争 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS