詳細なあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 16:24 UTC 版)
「ノーサンガー・アビー」の記事における「詳細なあらすじ」の解説
この物語のヒロインである17歳の少女キャサリン・モーランドは、地元フラートンの隣人であるアレン夫妻に、数週間バースを訪れるのに同伴しないかと誘われる。しかし初めは、そうした場所を経験することによる興奮は、彼女が他に多くの友達を持っていないことで削がれた。やがて彼女は舞踏会で魅力的な若い男性、ヘンリー・ティルニーを紹介され、彼とダンスや会話を楽しむ。しかし彼女はその後数日間、彼に会うことはなくなる。その間の彼女の興味はイザベラ・ソープという若い女性と会うことの方に持っていかれる。イザベラは兄のジョン・ソープとキャサリンを結婚させようと画策する。キャサリンはこれには興味がなく、ソープ兄弟とティルニー兄妹の両方との友人関係を維持しようとするが、これは後に様々な誤解を生むことになる。 その間、イザベラはキャサリンの兄であるジェイムズと婚約するが、彼女はジェイムズが、思っていたほどは金持ちではないことに満足しない。舞踏会でジェイムズがいない間に彼女は、ヘンリーの兄であり、勇み肌で魅力的なフレデリック・ティルニーに出会う。そしてイザベラはフレデリックとまもなく浮気を始める。そういうことに疎いキャサリンはイザベラの態度が理解できないが、ヘンリーはそれを非常に良く理解する。その浮気はジェイムズが戻ってきてからも続く。 ヘンリー、エレノア、ティルニー将軍は、自分たちの家であるノーサンガー・アビーで数週間過ごさないかとキャサリンを招待する。多くのゴシック小説を読んだことのあるキャサリンは、ノーサンガー・アビーは大きく、多少ぞっとするようなところに違いないと期待し、ヘンリーも彼女の恐怖を助長してからかう。初めてそこで過ごす夜はとても激しい嵐が吹き荒れる。彼女は寝室で不思議な文書を見つけ、ろうそくの灯りでそれを見ようとするが、突然ろうそくが消えてしまう。翌朝、彼女はその紙を読み、それが単なる洗濯屋用のリストであると気付く。彼女はノーサンガー・アビーが感じの良い屋敷で、全くゴシック風でないことに失望する。しかし、ノーサンガー・アビーには今まで誰も入ったことな不思議な続き部屋があり、キャサリンはそれが9年前に亡くなったティルニー夫人の部屋であると耳にする。キャサリンはその度を超えた想像で、今やティルニー将軍は妻の死に苦しんでいないように見えることから、彼にとって妻はどうでもいい存在だったか、妻に対して冷淡だったに違いないと結論づける。恐らく彼は妻を殺したのだろう。あるいは妻はまだ生きていて、屋敷に監禁しているのかもしれない。 キャサリンはエレノアを説得してティルニー夫人の部屋を案内してもらうが、突然そこにティルニー将軍が現れる。キャサリンは逃げるが、罰せられることは確信する。後にキャサリンはこっそりティルニー夫人の部屋へ戻るも、廊下を通りかかったヘンリーに出くわしてしまう。慌てふためき、ヘンリーに尋ねられたキャサリンは、ティルニー将軍についての自身の推測を認める。ヘンリーはショックを受けたが、驚くべきほど穏やかに、彼女の狂気じみた見解を訂正する。キャサリンは泣きながら立ち去り、ヘンリーが自分とは関わりたくないかもしれないと憂える。ジェームズは、イザベラに欺かれ、彼女がフレデリック・ティルニーと浮気をしたために婚約を破棄したことを、手紙でキャサリンに知らせる。ティルニー兄妹はショックを受け、キャサリンはイザベラに幻滅する。キャサリンはティルニー家で更に数日、楽しい日々を過ごす。将軍がロンドンに行ってからは、エレノアとより一層楽しく過ごす。ある夜、ティルニー将軍が不意に帰宅し、エレノアはキャサリンに、ティルニー家は家族全員に関わる約束があり、キャサリンはもうこれ以上滞在出来ないと告げる。キャサリンは翌朝早くに、お粗末で不親切な移動手段で帰宅せざるを得なくなる。 故郷に帰ったキャサリンは不幸せな気分で過ごす。数日後、ヘンリーが何が起きたのかを説明しに彼女の元を訪れる。ティルニー将軍は、ジョン・ソープ(当時はキャサリンに夢中だった)が、キャサリンは女子相続人であるという誤った情報を伝えたことだけが理由でキャサリンに魅了され、ヘンリーと結婚して欲しいと願っていた。ロンドンで彼はジョン(キャサリンに失望した)に再び遭遇し、ジョンは打って変わって、キャサリンはほとんど貧窮状態にあると言う。ティルニー将軍はキャサリンを追い出すために家に舞い戻る。ヘンリーは父の反対に係わらず、まだキャサリンと結婚したいのだと告げる。結局、エレノアが裕福で爵位のある男性と婚約したために、ティルニー将軍はヘンリーの結婚にも同意し、モーランド家は非常に金持ちではないが、貧窮とは程遠いことも知ることになる。
※この「詳細なあらすじ」の解説は、「ノーサンガー・アビー」の解説の一部です。
「詳細なあらすじ」を含む「ノーサンガー・アビー」の記事については、「ノーサンガー・アビー」の概要を参照ください。
- 詳細なあらすじのページへのリンク