設定速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:42 UTC 版)
日本で製造販売されている自動車車両には、安全の観点から法律や業界自主規制により、スピードリミッターが設定されており、設定された速度に達した場合は、指定速度以下となるまで、エンジン出力を抑えるようになっている。なお、必ずしも指定速度まで出せるとは限らず、車種によっては若干個体差がある。 以下の表は、主な自動車の種別とスピードリミッターの設定速度や、その根拠を対比したものである。 種別 規制速度 規制の根拠 スピードメーター 補足 四輪 日本製 小型自動車普通自動車 180 km/h 自主規制 180 km/hまでが多いが排気量が少ない場合は120 km/hや70 km/hも存在する。 レクサス・LS やレクサス・IS Fは300 km/h, 日産・GT-Rは340 km/hまで表示され、レクサス・IS Fは、車両位置がサーキットモード利用可能エリアであることをGPS測位で認識してドライバーがサーキットモードを選択すると、リミッター作動速度が通常時の180 km/hから270 km/hへ変更される。日産・GT-Rは、鈴鹿サーキットや筑波サーキットなど特定のクローズドコースに限り、またホンダ・NSXは一般道でもリミッターの解除が可能である。 軽自動車 140 km/h 自主規制 140 km/hまでが多い 1980年代頃の軽自動車は120 km/hのものがあった。なお、スズキ・エブリイなどの軽商用車のノンターボ車では、速度計の表示は120 km/hまでであることが多いが、装着するタイヤのスピードレンジと車両自体の動力性能の問題から120 km/h以上の速度を出すことは困難である。 一部の輸入車(欧州車) 210 km/hまたは250 km/h 自主規制 260 km/hまでが多い スポーツカーなどでは275 km/hに設定されているのも多い。 二輪 125 cc超の国産自動二輪車 180 km/h 自主規制 180 km/hまでが多い 大型自動二輪車でホンダ・CB1300スーパーフォアや、ヤマハ・XJR1300は260 km/h, スズキ・隼(国内仕様)は280 km/hなどフルスケールメーターを備える車型も増えている。2018年から速度リミッターは撤廃された。 日本に逆輸入される国産自動二輪車及び輸入二輪車 300 km/h 自主規制 目盛りが300 km/h, 数字の表示280 km/hまで 2001年欧州共通自主規制により300 km/hに規制された 大型トラック 90 km/h 道路運送車両法 140 km/hまでが多い スピードリミッター(速度抑制装置)の装着が2003年9月に義務付けられた(道路運送車両の保安基準 第8条4項及び5項)。リミッター装着車の後部及びメーターパネルには装着済ステッカーの貼付が義務付けられている。 大型バス 90 km/h 自主規制 90 km/hまたは140 km/hまでが多い バス事業者によっては、安全運行を実現するための自主的な取り組みの一環として、スピードリミッターを装着して、最高速度を90 km/hに制限している場合がある。 高速道路のない離島に使用の本拠を置くなど、高速道路を走行する必然性が薄い場合、または経年車でありスピードリミッターが取り付けられていない場合、トランスミッションの最高速ギアが直結 (1:1) 段である大型ダンプトラックや路線バスなど、高速自動車国道の走行が不可能な(適さない)自動車は、車両前面や後面及び運転席に「高速道路不走行車」の表示が義務付けられ、その旨が自動車検査証に記載される。後面においては保安基準の緩和を示す“▽”状の緩和標章の表示の装着が義務付けられている。客席にシートベルトが装備されていない路線バス車両が高速道路を走行する際には、先述の緩和標章に加え、「速度60キロ制限車」の表示も併せて義務付けられている。最高速度が49 km/h以下に制限されている大型特殊自動車においては、自動車検査証へ高速道路の走行が不可能である旨が記載されている。
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