訓練生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/09 06:06 UTC 版)
訓練生(くんれんせい)(英語Training student) とは、訓練を受ける者、及びその身分をいう。
日本の職業訓練制度
日本の職業訓練制度においては、職業能力開発促進法施行規則第5条において「訓練生(訓練を受ける者をいう。以下同じ。)」と定義されている。訓練を行う施設として、公共職業能力開発施設(職業能力開発校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発促進センターおよび障害者職業能力開発校の5施設)、認定職業訓練のための施設(職業能力開発校、職業能力開発短期大学校の2施設)、職業能力開発総合大学校東京校および職業能力開発総合大学校が対象となる。
訓練生の数
訓練の種類毎に、訓練生の数が規定されている。
通称
「訓練生」は、法令上の呼称である。職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校および職業能力開発総合大学校の訓練生に対しては、「学生」と呼ばれることがある[12]。
資金の貸付制度
都道府県立の職業能力開発校および職業能力開発短期大学校、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構立の職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発総合大学校東京校、職業能力開発促進センターおよび職業能力開発総合大学校の訓練生のうち、経済的理由により訓練を受けることが困難であると認められたものに対しては、厚生労働省が設けている技能者育成資金融資制度を受けられる。
一方、訓練生は、独立行政法人日本学生支援機構が専門学校の生徒、および高等専門学校、短期大学、大学、大学院の学生に対して設けている奨学金を受けることはできない。
訓練生への優遇
コンピュータ関連の割引
訓練生がコンピュータ関連の製品を購入する場合、メーカーによっては学生と同様な割引制度を受けられる場合がある。
- マイクロソフト株式会社の規定[13]では、「国および地方自治体が設立した各種大学校[14]に該当する教育機関に属する学生」に対して、アカデミックパッケージの購入が認められる。
- Apple Japan株式会社の規定[15]では、公共職業能力開発施設、職業能力開発総合大学校、および職業訓練法人の各施設の学生、訓練生に対して、Apple Store for Educationの割引価格での購入(ソフトウェアだけでなくハードウェアも含む)が認められる。
運賃の割引
普通課程の訓練生、および短期課程(中学生卒業者等を対象とする訓練期間が1年のもの)の訓練生がJRの定期乗車券を購入する場合、旅客営業規則(平成21年4月1日現行)第38条の規定[16]に基づき、割引の通学定期乗車券を購入できる。
ドイツの職業訓練制度
ドイツ連邦共和国基本法12条は「すべてのドイツ人は職業、労働の場及び養成訓練の場を自由に選ぶ権利」を有すると定めている[17]。
ドイツの職業訓練制度はデュアルシステムと呼ばれており職業学校と事業所の双方で実施される[17]。訓練生は職業学校に週に1日から2日通う一方で、残りの3日から4日を訓練生契約を結んだ事業所に通って職業訓練を受ける[18]。職業学校は各州の文化省の管轄であるのに対し、事業所での訓練は経済省の管轄下で商工会議所等が所管している[18]。
脚注
- ^ 職業能力開発促進法施行規則第10条第7号に規定。職業能力開発校、障害者職業能力開発校で実施。
- ^ 職業能力開発促進法施行規則別表第4に規定。職業能力開発校、障害者職業能力開発校、職業能力開発促進センターで実施。
- ^ 職業能力開発促進法施行規則第12条第6号に規定。職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発総合大学校東京校で実施。
- ^ 職業能力開発促進法施行規則第14条第6号に規定。職業能力開発大学校、職業能力開発総合大学校東京校で実施。
- ^ 職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発総合大学校東京校、職業能力開発促進センター、障害者職業能力開発校で実施。
- ^ 職業能力開発大学校、職業能力開発総合大学校東京校で実施。
- ^ 職業能力開発促進法施行規則第36条の6第1項第3号に規定。職業能力開発総合大学校で実施。
- ^ 職業能力開発促進法施行規則第36条の8第7号。職業能力開発総合大学校で実施。
- ^ 職業能力開発促進法施行規則第36条の9第7号。職業能力開発総合大学校で実施。
- ^ 職業能力開発促進法施行規則第36条の7第1項第3号。職業能力開発総合大学校で実施。
- ^ 職業能力開発総合大学校で実施。
- ^ 技能者育成資金制度の概要(雇用・能力開発機構)の説明文において、「職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校の学生や都道府県センター(職業能力開発促進センター含む)、職業能力開発校の訓練生を対象に」という記述がある。
- ^ ライセンス対象教育機関/教育ユーザー(マイクロソフト、2009年4月28日閲覧)
- ^ 都道府県立の職業能力開発短期大学校、職業能力開発促進法第16条第1項および第27条第3項において国が設置すると規定されている職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校および職業能力開発総合大学校(これらは国に代わって独立行政法人雇用・能力開発機構が設置・運営)が該当する。
- ^ Apple Store for Educationご購入条件(アップルジャパン株式会社)
- ^ 旅客営業規則 第2章 乗車券の発売(JRおでかけネット)
- ^ a b 田中万年 『職業訓練原理』2006年、193頁。
- ^ a b 田中万年 『職業訓練原理』2006年、194頁。
関連項目
外部リンク
訓練生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 14:52 UTC 版)
訓練生は大学・旧制専門学校に在学する学生らで、在学中の3年間の土曜(午後)・日曜・祝日・夏季冬季の休暇といった学業の余暇に通い、基本的な操縦技術を習得していた。福岡飛行訓練所は小規模ではあるものの、協会の飛行訓練所としては唯一新設されたものであるため新鋭かつ自由な気風に満ちており、制裁行為などもなかったという。 開所から閉鎖までの間、1期生から6期生が在籍していた。それぞれの在籍期間と飛行時間(括弧書き)は以下の通り。 1期生 : 1941年(昭和16年)7月 - 1943年(昭和18年)9月(50-70時間) 2期生 : 1942年(昭和17年)5月 - 1944年(昭和19年)5月(70-80時間) 3期生 : 1943年(昭和18年)6月 - 1944年(昭和19年)5月(40-50時間) 4期生 : 1944年(昭和19年)3月 - 1944年(昭和19年)5月(20時間) 5期生 : 1944年(昭和19年)11月 - 1945年(昭和20年)1月(20時間) 6期生 : 1945年(昭和20年)2月 - 1945年(昭和20年)3月(不明) 1期生の合宿は1941年7月10日から実施された。開戦・戦局の悪化(戦時教育体制)によって学生の在学年限の短縮や徴兵猶予の停止などが行われたことで、学生の航空活動は軍入隊前の短期訓練へと意義が変わった。1期生は1943年9月に大学を卒業し、陸海軍に入隊した。その他の訓練生の多くも、1944年6月には陸軍への入隊を前提として仙台陸軍飛行学校に入学した。 終戦後、OB会として1978年(昭和54年)に「元岡会」が結成されていた。 訓練生らの在籍校と人数は以下の通り。 学校名現校名(後身)1期生2期生3期生4期生5期生6期生九州帝国大学九州大学 6 4 2 - - - 旧制福岡高等学校3 2 6 1 - - 九州大学附属教員養成所- - - - - 1 久留米高等工業学校- 4 5 1 3 - 西南学院高等学部西南学院大学 10 8 6 14 2 - 福岡高等商業学校福岡大学 1 1 1 11 1 - 九州専門学校- 2 4 9 - - 九州拓殖専門学校- - 4 3 5 - - 佐賀高等学校佐賀大学 - - - 1 - - 第五高等学校熊本大学 - - 1 - - - 明治専門学校九州工業大学 1 2 7 7 - 2 九州歯科医科専門学校九州歯科大学 1 - 1 3 4 2 山口高等商業学校山口大学 - - - - 3 - 名古屋高等工業学校名古屋工業大学 - - - - 4 -
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