訓練
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 01:25 UTC 版)
それぞれの州と連邦警察はその人員に対して、基本的な警察の訓練を施している。この訓練の長さと完璧さは、ドイツにおける警察の専門性を高い水準に保たせている。警察の任務の全ての点を教育するには時間がかかるが、早急な専門化を避け、警官に広い視野での考えをさせ、職種の簡単な変更を可能にし、昇進の機会を与えるための「制服組のキャリア構造」を採用している。 ドイツの市民権はドイツの警官になるためには必要とされない。大都市での警察の部署は言語や文化の壁を減ずるため、職員を少数民族から採用しようとする傾向がある。しかし、少数民族出身者の割合は、その職員数の約1パーセント未満しか存在しない。 「地方」警察は第二次世界大戦後に再編成された時より、女性の職員も採用している。最初は、女性の警官は青少年や女性が関連した事件を担当していたが、1970年代の中ごろには、一般の巡査となることが許された。最も女性巡査の多いブランデンブルク州では19%の比率で、最も少ないザールラント州では7%の比率である。現在、警察学校における志願者の40~50%が女性で、この比率は上昇する傾向がある。 大部分の警官は、学校を卒業後に直接採用され、2年半を警察学校で過ごし、教室での授業と警察署や機動隊における実地訓練とを受ける。修了者は通常の警察官として任用され、緑色の制服の肩章に薄緑色の星章 (2005年以降に導入された紺色の制服ではライトブルーの星章)を付ける。この星章は、警察における巡査クラスの階級を示している。 巡査としての勤務の後、目立つ実績を有したり経験が豊富な者は、まず銀星1つの「警察弁務官」(Polizeikommissar、少尉に相当)に昇級し、将来的には銀星4つもしくは銀星5つの「警察主任弁務官」(Polizeihauptkommissar、大尉に相当)となるための資格を得るために、高等警察学校や警察大学で2年か3年通うことができる。大学入学の資格(Abitur)をもって採用された高校の修了者は、最初からこれらの警部コースを受けることも可能である。 ヘッセン州の様な一部の州では、全ての警官に対して賃金の上昇と昇進の機会を与えるため、これらのコースの訓練を行っている。 警察の管理職にふさわしい候補となった少数の者は、州もしくは連邦警察大学で1年学び、連邦の内務省と各州が共同で管理するミュンスター・ヒルトループ(Münster-Hiltrup)にある警察指揮アカデミー(Polizeiführungsakademie、PFA)で1年学ぶ。 管理職は金星1つの警察参事官(Polizeirat、少佐に相当)から始まり、一番の頂点では、金星3つである警察監督官、金星4つである州警察総監(共に大佐相当)まで昇進する。PFAは2007年10月にドイツ警察専門大学(Deutsche Hochschule für Polizei)に改組となり、その修士課程で佐官相当の階級に昇任するための訓練を受けることになった。PFAは、上級警察職員に対して、専門的な職業訓練のコースを提供している。
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