訓練および装備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/27 10:09 UTC 版)
早急な部隊編成が求められていた為、将兵のヘレナ到着後48時間以内に落下傘降下の訓練が始まった。駐屯地には降下塔などの訓練機材がほとんど設置されておらず、また大半の将兵にとっては初めて経験する落下傘降下となった。全員が空挺徽章を受け取った時に隊員間での仲間意識や連帯感が生まれるという考えから、降下訓練は最優先で実施された。 隊員らの訓練は3段階に分けられていた。 8月から10月:降下、武器および爆発物の取り扱い、小部隊戦術、体力練成 10月から11月:部隊戦術および問題解決 11月から7月:スキー、ロッククライミング、寒冷地訓練、M29 ウィーゼルの操縦 毎週月曜から土曜まで、4時30分に朝礼があり、6時30分からの朝食の後、8時00分からは障害物走(週4回)があり、それから月ごとに内容が変わる日課訓練が実施された。また演習の間には2回の行軍訓練が行われた。月曜から金曜までの午後は海外の戦地から戻った前線経験者を教官に迎えて講義が行われた。土曜の午後と日曜が休養に割り当てられ、多くの隊員はヘレナの街へ出てこれを過ごした。 行軍訓練は60マイル (97 km)のコースで行われた。第1連隊ではこのコースを20時間で踏破したという。敵軍の銃器の分解組立および射撃についても教育が行われた。 白兵戦教官のダーモット・"パット"・オニール(Dermot "Pat" O'Neill)は、上海共同租界警察(英語版)の元警官で、徒手格闘のエキスパートだった。オニールはいくつかの武道にも通じており、目、喉、股間、膝などの急所を狙う戦い方を教えた。ナイフ格闘や素早く拳銃を構える方法などを教えたのも彼だった。彼の指導の元、演習でも抜身の銃剣での格闘が行われ、しばしば怪我人を出した。 ノルウェー人教官を招いてのスキー訓練は12月から始まり、およそ2週間で隊員全員がスキーの基礎を習得した。その後はノルウェー陸軍の基準に到達するまで、完全軍装のまま明け方から日没までのクロスカントリースキー訓練が実施された。 高山あるいは寒冷地での展開を前提とした軽歩兵として、部隊には標準的なものとは異なる特別な装備が与えられた。それは例えば、スキー板やアノラック、ハーバーサック(英語版)、山岳レーション(英語版)などである。武装についても、M1941ジョンソン軽機関銃のような非標準的な装備が編成当初から配備されていた。フレデリックの幕僚の中には吹き矢の装備を提案する者もいたが、戦争犯罪と見なされうるとして配備は行われなかった。部隊全員に支給されたV-42スチレット(英語版)の設計にはフレデリック自身も参加した。これはイギリス製のフェアバーン・サイクス戦闘ナイフに改良を加えたものだった。
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