行為の客体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/20 04:54 UTC 版)
公用文書等毀棄罪は「公務所の用に供する文書又は電磁的記録」を客体とする。また、私用文書等毀棄罪は「権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録」を客体とする。 公用文書の意義 公務所が使用する目的で保管する文書のことを言う。公務員が作成者である公文書に限定されず、私人が作成した私文書も公務所が使用するものであれば含まれる。また、偽造文書、作成中の文書、保存期限を過ぎた文書も含まれる。 私用文書の意義 公用文書以外の文書のことを言う。公務員が作成した公文書でも、公務所が使用する目的で保管する文書でなければ、私用文書に含まれる。私用文書のうち、権利義務に関する他人の所有する文書のみが、私用文書等毀棄罪の客体となる。有価証券を含むかどうかについては争いはあるが、判例は認めている(最決昭和44年5月1日刑集23巻6号907頁)。 権利義務以外に関する私用文書は、器物損壊罪(261条)の客体である。条文の文言から、単なる事実関係を証したに過ぎない文書(履歴書など)は、私用文書等毀棄罪の客体に含まれないと解されている(私文書偽造罪では客体となる)。
※この「行為の客体」の解説は、「文書等毀棄罪」の解説の一部です。
「行為の客体」を含む「文書等毀棄罪」の記事については、「文書等毀棄罪」の概要を参照ください。
行為の客体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 09:55 UTC 版)
本罪は「他人の建造物又は艦船」を客体とする。 建造物の意義 判例・通説によれば、家屋その他これに類似する建築物を指す(大判大正3年6月20日刑録20輯1300頁)。取り外せる物については、容易性の程度の差によって、本条を構成するか器物損壊罪を構成するかという違いが生じ、具体例において見解が分かれている。例えば、判例は屋根瓦について本条の客体となるとしているが、認めない説もある。 判例 〔最決平成19年3月20日・刑集61巻2号66頁〕 建造物に取り付けられた物が建造物損壊罪の客体に当たるかどうかは、当該物と建造物との接合の程度のほか、当該物の建造物の機能上の重要性をも考慮すべきである 住居の玄関ドアが外界と接続し、外界と遮断、防犯、防風、防音等重要な役割を果たしているから、適切な工具を使用すれば損壊せずに取り外し可能であるとしても、建造物損壊罪の客体に当たる。
※この「行為の客体」の解説は、「建造物等損壊罪」の解説の一部です。
「行為の客体」を含む「建造物等損壊罪」の記事については、「建造物等損壊罪」の概要を参照ください。
行為の客体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/27 01:43 UTC 版)
本罪の客体は「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」である。「財産に対する罪に当たる行為」とは、本犯が構成要件に該当し違法な行為であればよい。すなわち、刑事未成年者(責任阻却事由)が窃盗を行った場合の盗品であっても本罪の客体に含まれる。 また、財物のみを客体とし、財産的利益を含まない。不動産は含まれると考えられている。物の同一性に関して、加工によって性質が変われば盗品性は失われる。小切手を換金して得た金銭については、盗品性を認めた大審院判例(大判大正11年2月28日刑集1巻82頁)がある。
※この「行為の客体」の解説は、「盗品等関与罪」の解説の一部です。
「行為の客体」を含む「盗品等関与罪」の記事については、「盗品等関与罪」の概要を参照ください。
- 行為の客体のページへのリンク