融通念仏勧進帳とは? わかりやすく解説

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融通念仏勧進帳〈文安四年三月 日/金銀泥下絵料紙〉

主名称: 融通念仏勧進帳〈文安年三月 日金銀下絵料紙
指定番号 179
枝番 00
指定年月日 2001.06.22(平成13.06.22)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 古文書
ト書
員数 1巻
時代区分 室町
年代
検索年代
解説文:  融通念仏宗大念仏宗)は、天台宗僧侶良忍一〇七三一一三二)が永久五年(一一一七)に阿弥陀如来より自他融通教え感得したのに始まると伝える。良忍天台声明中興の祖といわれた人物念仏に節を付けて称える儀礼創始し声明功徳お互いに融通し現世来世功徳得て往生遂げるという教え説いた
 良忍は、鳥羽上皇より勧進帳序文として「敬白 貴賤男女勧めて此の念仏名帳に入奉りてともに彼国に往生せしめむと請勧進帳南無阿弥陀仏」の宸翰下賜せられたという。布教にあたっては、名帳に名前を記載することで、結縁の証とした。鎌倉時代後期になると良忍事績霊感場面描いた融通念仏縁起絵巻』が作られ勧進僧持参し諸人説いて廻った
 本巻体裁巻子装、紺地表紙鳳凰文の金泥下絵金泥地の見返し童子像が描かれ八双蓮花文透彫り金具備えている。本文料紙には、下絵として四季草花の風景を金銀泥にて描き、さらに天地欄外裏面金箔野毛金銀砂子引きを施すなど荘厳な意匠加えている。巻末には阿弥陀聖衆来迎図(下品上生)と良忍思しき僧侶描かれている。本文は「融通念仏勧進帳」に始まり、「南無阿弥陀仏」の六字称名流布する旨が書かれている
 本巻昭和二十四年に『後花園天皇宸翰後崇光院御筆融通念仏勧進帳』として重要美術品認定されている。勧進帳の既指定品には、大念仏寺大阪市平野区)の『後小松天皇宸翰融通念仏勧進帳金銀泥絵料紙)』一巻昭和二十年重指定)がある。金銀泥による下絵料紙などは類似するが、大念仏寺本に来迎図描かれていない。なお、禅林寺大念仏寺には、勧進帳と共に室町時代融通念仏縁起絵巻伝わっている。筆跡に関して認定名称は後花園天皇後崇光院の両筆とする。巻頭の「南無阿弥陀佛」から「この國の神といはれし」までの第一紙目勧進帳本文筆跡異なっている。旧箱上に墨書で「後花園天皇宸翰」とあることから、書写者比定したもの思われる
 本巻は、文安四年(一四四七)の製作時が判明し勧進帳来迎図描かれ最古遺品一つであり、金銀下絵装飾料紙後花園天皇宸翰伝えられる筆跡書かれた優品である。



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