腸チフスのメアリーとは? わかりやすく解説

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メアリー・マローン

(腸チフスのメアリー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/03 08:10 UTC 版)

メアリー・マローンMary Mallon1869年9月23日 - 1938年11月11日)は、世界で初めて臨床報告されたチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhi)の健康保菌者(発病はしないが病原体に感染している不顕性感染となり感染源となる人)。アイルランドからニューヨークに移住したアイルランド系アメリカ人で、1900年代初頭にニューヨーク市周辺で散発した腸チフス(Typhoid fever)の原因になった。腸チフスのメアリーあるいはチフスのメアリーTyphoid Mary、タイフォイド・メアリー)という通称で知られる。




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腸チフスのメアリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 18:30 UTC 版)

メアリー・マローン」の記事における「腸チフスのメアリー」の解説

これらの富豪一人から腸チフス原因解明する仕事依頼され衛生士、ジョージ・ソーパー(英語版)は、疫学的調査地道に行いその結果一つ事実見出した。それは、メアリー雇われ家庭のほとんどで、彼女がやってきた直後腸チフス発生しているということだった。この結果から、ソーパーメアリーチフス菌保菌者ではないか疑い1907年メアリー雇われていたニューヨーク近郊富豪宅を訪れた。 彼女が感染源として多く犠牲者出したことを告げ調査のために尿と糞便サンプル提出求めたソーパーを、メアリー激昂して追い返した。しかし自分調査結果確信抱いていたソーパーは、ニューヨーク市衛生局英語版)に勤めていたハーマン・ビッグスに自分仮説告げて相談したビッグスもまたソーパー考え賛同し医師のサラ・ジョセフィン・ベーカー(英語版)をメアリー元に赴かせ、再び説得当たった。しかし、それでもメアリー大きな金属製フォーク振り回して激しく抵抗したため、三度目にはとうとう五人警官が共に赴き、5時間探索の末にクローゼット身を潜めていたメアリーを見つけ出し強制的に彼女の身柄確保したニューヨーク市衛生局細菌学的な検査が行われた結果、彼女の便からチフス菌検出された。このため彼女はノース・ブラザー島(英語版)の病院収容隔離された。しかしメアリーそれまで腸チフス発症したことがなく、彼女自身病気になったり、保菌者であるという自覚のないまま、周囲の人に感染広げる健康保菌者無症候性キャリアであった。その当時細菌学考えでは、特にチフス菌のように毒性の高い細菌このような「表に出ない感染」(不顕性感染)を起こすということは知られておらず、ソーパーはこの特殊な症例1907年6月15日付けJAMAJournal of the American Medical Association)誌に発表した。 しかしこの検査結果突きつけられてもメアリー納得しなかった。彼女はそれなりに教養身に付けてはいたが、「健康保菌者存在する」という考え当時の社会一般から見ればあまりにも突飛なものであったため彼女に受け入れられず、むしろ「いわれのない不当な扱い受けている」という思いを募らせるばかりであった何よりも彼女が頑なな考え方持ち主であったことがその最大理由であったとされるが、不衛生なスラム街に住むアイルランド系などの移民疫病原因考えていた差別への反発もあった。市衛生局1年以上わたってメアリーの便からチフス菌排出され続けていることを確認していたが、メアリーサンプル別の医師送って独自に検査行いチフス菌検出されなかったという報告受けたことで、さらに自分不当な扱い受けているという確信強め隔離から2年経過した1909年に、市衛生局相手隔離中止求めて訴訟起こした。この訴訟の間も、メアリー隔離されたままであり、病室ガラス越し新聞記者取材受けた。これが世間注目集め「Typhoid Mary」の名を広めきっかけになったと言われる訴訟衛生局側の勝訴終わったが、この訴訟によってメアリーには隔離から解放されるきっかけ与えられることになった。そして1910年(1)食品を扱う職業には就かないこと、(2)定期的にその居住地明らかにすること、という2つ条件を飲むことで、メアリー隔離病棟から出ることを許され、再び自由を得た

※この「腸チフスのメアリー」の解説は、「メアリー・マローン」の解説の一部です。
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