聖火台への点火
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 13:34 UTC 版)
聖火が衆目を集める理由は、聖火台への点火が開会式のクライマックスとなることにもある。一方では、ショーアップのために点火の「仕掛け」が複雑化し、コストの上昇やトラブルをもたらす問題もあり、回を追うごとにエスカレートする傾向の演出には批判の声もある。 1992年のバルセロナ大会では、パラリンピックのアーチェリー選手アントニオ・レボジョが、スタジアムの端に位置する聖火台へ火矢を放つ方法で点火した。 1994年のリレハンメル大会では、スキージャンパーによってスタジアムに聖火がもたらされた。 1998年の長野大会では開会式場の外側に立つ聖火台にどうやって点火するのか話題となったが、十二単をモチーフにした衣装を身にまとった伊藤が会場内のエレベーターでせりあがり、聖火台に近づいて火をつけた。 2000年のシドニー大会では、池の中にフリーマン自身が入りトーチをぐるりと1周回して点火、その火が付いたリング上のオブジェがせり上がり最上部で聖火台にセットされた。 2002年のソルトレイクシティ大会では、全員でトーチを持って聖火台に火をつけた。 2004年のアテネ大会では、聖火台がお辞儀する様に点火した。 2006年のトリノ大会では、トンネル形のアーチの目の前にベルモンド自身が立ち点火。スタジアム全体を火が走り聖火台に点いた。 2008年の北京大会では、ワイヤーロープを繋いだ李寧が、スタンド最上段に張り巡らされた大型スクリーンの上を疾走するという演出を行い、聖火台直下にあった鉄パイプに点火した。 2010年のバンクーバー大会では、地面から4本の支柱が伸び4人のランナーが同時に点火する予定だったが、機械の故障で1本が上がらず3本で点火する形となった。しかし閉会式でこのハプニングを逆手に、ピエロがプラグを繋いで引き揚げるという演出がなされ、開会式では点火出来なかったカトリオナ・ルメイ・ドーンが点火している。また、この大会では会場外の聖火台にも点火されている。 2012年のロンドン大会では、競技場の中央に長い棒が放射状に設置され、その先がカラーの花のようになった参加国の数と同じ204本のトーチに点火。するとトーチが自動的に立ち上がり、すべてが垂直に起立して一つの巨大な聖火台を構成した。 2014年のソチ大会では、開会式会場の外、メダルプラザに聖火台が設置され、聖火台下の点火台に着火すると、炎が聖火台をせり上がり聖火が灯った。観客は聖火台が見えないため、花火で点火が知らされた。 2016年のリオデジャネイロ大会では開閉会式用聖火台がスタジアム内に、大会期間中に聖火を灯すための聖火台が屋外に設置された。開会式では球体のような小さな聖火台に点火され、上昇した聖火台が後ろの太陽をイメージしたオブジェと一体となって輝く太陽となり、会場に光を注ぐ演出がなされた。 2018年の平昌大会では聖火台の下の氷をイメージしたオブジェに点火すると、輪状の棒が伸びて直上の聖火台に火が灯った。 2020年の東京大会では、開閉会式用と大会期間用の聖火台がそれぞれ競技場内と屋外に設置された。富士山の上に球体が乗った形状をしており、点火の際に球体が花のように開いた。 2022年の北京大会では雪の結晶をかたどった聖火台にトーチの挿入口があり、トーチを直接差し込みそれがそのまま聖火となった。
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