絹本著色春日宮曼荼羅図とは? わかりやすく解説

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絹本著色春日宮曼荼羅図

主名称: 絹本著色春日宮曼荼羅図
指定番号 2015
枝番 0
指定年月日 2005.06.09(平成17.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 1幅
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  図上辺春日三笠山背景本宮四社社殿をほぼ正面向きに、若宮社殿向かって右下隅近く表し描かれる範囲も本殿の南門付近までに限られるこのような構図は、一般的な春日宮曼荼羅が、本宮社殿春日山との実際位置関係即して向かって右向きとしてその右側若宮表し、かつしばしば東西両塔、一の鳥居付近までの広い範囲を表すものであるのと大きく異なっている。
 また、本宮社殿前に四脚門瑞垣がある。四脚門南門にあたるが、治承三年一一七九)、南門楼門に、これに付属する瑞垣回廊改められ現存する他の春日宮曼荼羅図多くそのように表されている景観となった以前の姿を示すものとして注目される
 このように本殿正面向きに描く構図治承三年以前景観両者兼ね備えている点で、本図は他に例のない特色ある春日宮曼荼羅図である。文献から春日宮曼荼羅図一二世紀には存在していたと考えられるが、鎌倉時代前期以降は、春日社については本地垂迹基づいた仏教側から信仰深化され、春日を浄土とみなす春日浄土観による信仰盛んになったこと、さらにはその詳細な景物について仏教側から意味が与えられていたことなどが指摘されている。すでに重要文化財指定されている湯木美術館本(正安二年〈一三〇〇〉)、南市町自治会本をはじめ、一四世紀初頭前後以降制作された、春日社広く詳細な景観全体主題とする遺品このような思想所産考えられる
 これに対して本社四殿を中心とし、その本殿をあえて正面観でとらえる本図は、このような春日宮曼荼羅図とは性格異にする考えられる鎌倉時代本地垂迹に基づく信仰では本地本殿第一殿本地仏釈迦とするのが主流になるのに対して本図第一殿本地一二世紀文献現れるように不空羂索【ふくうけんさく】観音とするのも、このような性格違い示唆する
 すなわち、現存する多く春日宮曼荼羅図が、鎌倉時代盛んになった本地垂迹に基づく春日浄土観を背景として制作されたと考えられるのに対し本図それ以前神祇中心信仰形態基づいて成立していた春日宮曼荼羅形式を残すとも考えられる点で貴重な遺品といえる
 春日宮曼荼羅としては小品であり当初彩色剥落による薄れもあるものの、仔細に見れば描写は非常に細密で、繊細であり、制作期は少なくとも鎌倉中期遡る思われることなど、絵画的にも貴重な作例である。

絹本著色春日宮曼荼羅図

主名称: 絹本著色春日宮曼荼羅図
指定番号 1160
枝番 00
指定年月日 1940.05.03(昭和15.05.03)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書 表装押紙正安二年絵師観寂法橋、銘太上法皇禅林寺殿云々トアリ
員数 1幅
時代区分 鎌倉
年代 1300
検索年代
解説文: 鎌倉時代作品
重要文化財のほかの用語一覧
絵画:  絹本著色春冬山水図  絹本著色春屋妙葩像  絹本著色春日宮曼荼羅図  絹本著色春日宮曼荼羅図  絹本著色春日明神影向図  絹本著色春日曼荼羅図  絹本著色春日曼荼羅図



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